鶏卵ベースの飼料で育つウナギの幼生・レプトセファルス。消化中の飼料が透明な体を透かして見えている。左端の黒い丸は眼球(写真はすべて水産研究・教育機構提供) ウナギの完全養殖の成功から今年で12年。だが、持続可能なウナギ利用には至っていない。養殖業は依然、天然のシラスウナギに依存している。 卵から孵化(ふか)した幼生がシラスウナギとなるまでの期間に与える餌の抜本改良が難しかったのだ。 この難関突破への明るい見通しが水産研究・教育機構のシンポジウムで他の成果とともに発表された。 意外にもウナギの幼生はニワトリの卵の黄身ですくすく育つのだ。天然資源に頼らないウナギの完全養殖実用化への距離がぐんと縮まった感がある。 サメ卵で突破口ウナギの幼生はレプトセファルスと呼ばれ、柳の葉に似た姿をしている。 フィリピン東方のマリアナ諸島付近で孵化した幼生は黒潮などの海流に運ばれて日本列島にやって来る。長旅を終