私は防衛大学校に勤める現役の文官教官です【1】。 等松春夫教授が示した論考(防大の諸問題、ひいては防衛省・自衛隊が抱える構造的なリスクまで訴求)を全面的に同意・支持します。 にもかかわらず、等松教授のように職を賭して、実名で問題を訴えることのできない己の不甲斐なさに恥じ入るばかりです。 しかし、たとえ匿名の証言だとしても、等松論考の大きな構えを補足する、細かなディテールをお伝えすることによって、これらの問題の切実さが社会に届くことを願っております。 意欲にあふれた優秀な学生が次々に流出していることは、学内では周知の事実です。といっても、執行部に不都合な情報、退校者の数などは現場の教官が把握しにくくなっているのですが。すでに、このくだりで不思議の感を強くしたかたもいらっしゃるかもしれません。私たち教官は「統治する側」ではないのか、と。 防大が事務官・文官教官・自衛官という3種類の人間で構成さ