真菌がすい臓がんの発生に関与か 腸内に生息する真菌が膵臓に移動し、正常な細胞のがん化を促すとする研究結果を、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルスのGeorge Miller氏らが「Nature」10月2日号に発表した。 膵臓がんの正確な原因は分かっていないが、米国がん協会(ACS)は長年にわたって、ウイルスや細菌、寄生虫が関与している可能性があるとの認識を示してきた。 しかし、真菌の関与が示されたのは今回が初めてだという。Miller氏らの研究により、進行した状態で見つかることが多く、致死率が高い膵臓がんの予防法や治療法が向上する可能性もある。 Miller氏らは今回、2年以内に死亡する確率が高い膵管腺がんに着目して研究を行った。膵管腺がんは、消化を助ける膵液が消化管に流れる際の通り道である膵管に発生する。 同氏らによると、この膵管を介した移動が腸内と膵臓内の真菌叢の異常な変化をも