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マクロ経済学の検索結果1 - 40 件 / 231件

  • 若き統計学者の英国: いかにしてマクロ経済学はオワコンになったか

    マクロ経済学という分野は、残念ながらもう所謂オワコンになってしまった。正しく言うと、実を言うとDSGEはもうだめです。突然こんなこと言ってごめんね。でも本当です。こんな感じだろう。 結論から言うと、データを見るふりをして実は全くデータを見ておらず、はっきりいってモデル化に失敗したからだ。とくに予測能力が兎角ないのが致命的だったと思う。予測能力がない結果、モデル・理論を通して将来の政策談義を結局は出来ないので、政策提言すらまともにできず、役立たずの烙印を押された。政策評価・提案等の役目は統計的手法を上手く用いている、応用ミクロの研究者が主に担うことになった。 そもそもの始まりは、合理的期待形成仮説というバカげた仮定に基づいて、数学音痴がmathinessにまみれたリアルビジネスサイクル(RBC)理論などという、さらにバカげた理論を推し進めた点であろう。それに呼応してニューケインジアンモデルが

    • [マクロ経済学] インフレとデフレと景気に関するよくある質問集-2009-11-09 - ハリ・セルダンになりたくて

      [お知らせ] 「DSGEとベイズ統計学」解説論文査読者募集中! http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20091112/p1 [お詫び] 本日の朝このエントリーを更新した時に冒頭に不適切な表現があり、皆様には不快な思いをさせてしまい大変に申し訳ございませんでした。robinsさん、yagenaさん適切なアドバイスをいただき本当にありがとうございます。今後はこのようなことのないように社会人としての節度を守り、応用統計学者としての職務を全うする所存です。皆様今後ともよろしくお願いいたします。 [お断り] 当blogに書かれていることは矢野浩一個人の意見であり、矢野が属するいかなる団体とも関係ありません。 [はじめに] インフレとデフレと景気に関しては非常に社会的影響が大きいこともあり、世間の話題に上ることも少なくないのですが、それらに関するよくある質問集(FAQ)を

        [マクロ経済学] インフレとデフレと景気に関するよくある質問集-2009-11-09 - ハリ・セルダンになりたくて
      • 勝間和代氏のためのマクロ経済学入門 : 池田信夫 blog

        2009年11月07日10:53 カテゴリ経済 勝間和代氏のためのマクロ経済学入門 菅直人副総理(国家戦略室担当)に対して、勝間和代氏が「まず、デフレを止めよう」と題したプレゼンテーションを行なったようだ。その内容は出来の悪い学生の答案みたいな感じだが、これが国家戦略に影響を及ぼすとなると放置できないので、少しコメントしておこう。 まず勝間氏は「日本はデフレスパイラルの真只中にあることを再認識して下さい」(p.2)と題してグラフを出し、「※OECD定義によれば、「デフレ」と「デフレスパイラル」は同義です」と書いている。このOECDの定義とは何を意味するのか不明だが、たとえばOECDが財務省に行なった説明では、Persistent deflation may degenerate into a deflationary spiral of falling prices, output, pr

          勝間和代氏のためのマクロ経済学入門 : 池田信夫 blog
        • マクロ経済学のどこがヤバいのか – 橘玲 公式BLOG

          新刊『「読まなくてもいい本」の読書案内』の第一稿から、紙幅の都合で未使用の原稿を順次公開していきます。これは第3章「ゲーム理論」で使う予定だった「複雑系経済学」の紹介です。 ************************************************************************ 経済学が抱える最大の問題が「合理的経済人」の前提にあることは間違いない。行動経済学がこの前提が成立しないことを証明した以上、経済学も、ゲーム理論も、理論の正当性に深刻な疑問を突きつけられている。 この矛盾は、じつは経済学の内部でも気づかれていた。 大学で勉強する経済学は、ミクロとマクロに分かれている。ミクロ経済学は家計(消費者)の需要と企業(生産者)の供給から市場の構造を一般化しようする「帰納型」で、マクロ経済学は国民所得や失業率、インフレ率などのデータから一国経済を分析しよ

            マクロ経済学のどこがヤバいのか – 橘玲 公式BLOG
          • ジャーナリストのための3分でわかるマクロ経済学 - 池田信夫 blog

            『諸君!』11月号に上杉隆・伊藤惇夫・宮崎哲弥3氏の座談会が出ている。そこで3人とも麻生首相のバラマキを批判しているのだが、宮崎氏が「今の景気をみれば、財政出動型の経済政策そのものは正しい」というと、他の2人も「それはわかります」と同意している。ジャーナリストにも、まだ経済学の常識は常識になってないようだ。上杉氏は当ブログを読んでいるようなので、マクロ経済学の常識をジャーナリストにも3分でわかるようにまとめておこう。 ジャーナリストも政治家も、わからないことはその道の専門家に質問できるという特権があるので、耳学問で結論は知っているが、論理的に理解していない。特に時間をかけて基礎的な勉強をしないので、学生時代の知識がそのまま残っていることが多い。私の学生時代に、サミュエルソンの教科書の最初に出てきたのは、次のような図だった: この45度線は所得と支出が等しくなる水準をあらわしている。有効

            • マクロ経済学の4分類 - himaginary’s diary

              ノアピニオン氏がブルームバーグ論説でマクロ経済学を4つに分類したところ、デロングが、その分類は間違っている、と批判した(H/T Economist's View)。 以下はノアピニオン氏の4分類。 喫茶店マクロ 多くの一般の議論で耳にするマクロ。しばしばハイエク、ミンスキー、ケインズといった死せる賢人の考えが中心となっている。正式なモデルは伴わないが、政治的イデオロギーが多く含まれていることが多い。 金融マクロ 資産価格(主に債券価格)の先行きを予測するために、金利や失業率やインフレ率やその他の指標の動向を読もうとする民間のエコノミストやコンサルタントのマクロ。単純な数学を使うことが多いが、先進的な予測モデルを使うこともある。個人的な当て推量が常にかなり入り込む。 学界マクロ 教授たちが経済に関する簡易モデルを構築するマクロ。80年代以降、モデルはDSGEのみとなった。学者たちは、そうした

                マクロ経済学の4分類 - himaginary’s diary
              • マクロ経済学の大原則を無視した 「定額給付金」懐疑報道に感じる違和感|保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方|ダイヤモンド・オンライン

                保田隆明(ワクワク経済研究所LLP代表) 【第18回】 2009年01月22日 マクロ経済学の大原則を無視した 「定額給付金」懐疑報道に感じる違和感 ――定額給付金の議論に欠かせないマクロ経済学の知識 先日、とあるニュース番組から「定額給付金」に関してコメントを求められた。そのやり取りの中で、果たして給付金の政策的意味合いや効果をどれほどテレビ側が理解しているのかとやや不安になった。 そこで、今回はマクロ経済学の基本のおさらいである。好景気時には、特に経済学のお話など必要ない(むしろ経営戦略論が必要とされる)が、不景気時こそ経済学が注目を集めるものである。 不景気な時こそ、 政府の役割は重要 不景気時に政府が財政出動や減税により景気を刺激するのは経済学の基本である。定額給付金は、個人の消費欲を喚起し人々にお金を使ってもらうことで、景気にプラスのインパクトを与えようとするものなので、

                • 『この世で一番おもしろいマクロ経済学』で見えた経済学のテキストをおもしろくするたった一つの冴えたやり方

                  「経済学ってどこからどう勉強していいかわからない」 「もっとおもしろく学ぶことはできないのか」 ……こんな悩みの声は今も昔も変わらない。 そんな経済学の世界に、現在進行形で革命を起こしている男がいる。自称「お笑いエコノミスト」ヨラム・バウマン氏だ。彼が生み出した『この世で一番おもしろい経済学』シリーズは、昨年11月にミクロ編、2012年5月にマクロ編が日本でも発売され、ともにベストセラー街道を驀進中だ。 そこで大ヒットを記念して、本シリーズの生みの親であるヨラム・バウマン氏に「お笑いエコノミスト」と自ら名乗るにいたった経緯から、スティグリッツやクルーグマンへの思い、そしていまや世界中でサブテキストとして使用されているシリーズ2作の誕生秘話までお話を伺った。 (聞き手、写真/ジャーナリスト 大野和基) 「お笑いエコノミスト」誕生秘話! バウマン、なんと経済学ネタを引っさげてワールドツアーへ!

                  • 様々なマクロ経済学の世迷言に騙されないための素朴なケインズ経済学 - himaginary’s diary

                    というエントリをデロングが書いている(原題は「Naive Keynesianism to Keep You from Believing Macroeconomic Idiocy of Various Kinds: A Useful Graph for Jackson Hole Weekend: Thursday Focus for August 21, 2014」)。そこでデロングは、輸出、企業の設備・ソフトウエア投資、政府購買、住宅建設という四大需要項目を、潜在GDPにおける比率の直近の景気循環のピークからの乖離として描画した以下の図を示している。 この図からデロングは以下の9つの教訓を引き出している*1 雇用が低迷し賃金が伸びないのは、米国の企業や労働者の世界市場での競争力が低いためだ、という議論は、輸出のシェアの伸びと矛盾する。 雇用が低迷し賃金が伸びないのは、米国企業が「不確実性

                      様々なマクロ経済学の世迷言に騙されないための素朴なケインズ経済学 - himaginary’s diary
                    • エッジが立ったガチ教科書だった「父が息子に語るマクロ経済学」

                      マクロ経済学者の齊藤誠氏の「父が息子に語るマクロ経済学」を、ふとした切っ掛けで手に取ってみた。タイトルから議論の踏み込みの甘い啓蒙書かと思っていたのだが、想像とは大きく異なるものになっていた。父と子の対話でカジュアルなイメージを醸し出してはいるが、内容はしっかり標準的なマクロ経済モデルに基礎を置いている。また、いわゆる教科書と比較すると、モデルの選び方やデータにつけた注釈に個性や主張があって、かなりエッジが立っている一冊になっていると思う。 1. 非マクロ経済学徒でリテラシーが高い人向け 本書の対象読者は、微分を使う程度ではあるが数学の知識がある、本当の意味でリテラシーが高い、まだマクロ経済学を勉強していない人々になっていると思う。そういう人々にニーズがあるかが問題になるが、誰しもマクロ経済の影響は受けるし、SNSを見るかぎり政治学や社会学を専攻する人々も関心は高いようだ。狙いはそれらリテ

                        エッジが立ったガチ教科書だった「父が息子に語るマクロ経済学」
                      • まずこの3つを把握してからなら、何を読んでも腑に落ちるよ↓ 現代のマクロ経済学の3つの流派 1. ネオクラシカル・・・(クラシカル+マネタリズム)  ・インフレやデフレは純粋に貨幣的現象であるから   景気後退時には、中央銀行が貨幣量を増加させれば   景気回復する(マネタリズム)。   マネーが重要(Money matters.)。  ・財政政策は民業を圧迫するから、政府は原則的に   小さければ小さいほど良い(=小さな政府)。  ・規制緩和をして供給を増やせば需要も伸びるので   景気が良くなる。

                        まずこの3つを把握してからなら、何を読んでも腑に落ちるよ↓ 現代のマクロ経済学の3つの流派 1. ネオクラシカル・・・(クラシカル+マネタリズム) ・インフレやデフレは純粋に貨幣的現象であるから 景気後退時には、中央銀行が貨幣量を増加させれば 景気回復する(マネタリズム)。 マネーが重要(Money matters.)。 ・財政政策は民業を圧迫するから、政府は原則的に 小さければ小さいほど良い(=小さな政府)。 ・規制緩和をして供給を増やせば需要も伸びるので 景気が良くなる。 ・この傾向のある主な学者はフリードマン、ルーカス、 バーナンキ(?)、竹中 ・小泉、安倍 ・米共和党 2.ネオクラシカルシンセシス/ネオケインジアン・・・ (ケインジアン+ネオクラシカル) ・インフレやデフレは純粋な貨幣的現象であるが、 市中の貨幣量増減のチャンネルは中央銀行のほかに 政府もあり財政政策も有効(マネタ

                          まずこの3つを把握してからなら、何を読んでも腑に落ちるよ↓ 現代のマクロ経済学の3つの流派 1. ネオクラシカル・・・(クラシカル+マネタリズム)  ・インフレやデフレは純粋に貨幣的現象であるから   景気後退時には、中央銀行が貨幣量を増加させれば   景気回復する(マネタリズム)。   マネーが重要(Money matters.)。  ・財政政策は民業を圧迫するから、政府は原則的に   小さければ小さいほど良い(=小さな政府)。  ・規制緩和をして供給を増やせば需要も伸びるので   景気が良くなる。  
                        • 経済学入門、金融論、マクロ経済学、統計学(矢野の講義サイト一覧) - ハリ・セルダンになりたくて

                          えーっと御陰さまで昨日、無事に上海より帰国しました。 さて、ある人から「矢野さんの講義資料をアップロードしているサイトがいろいろあってわかりにくいので、少しまとめてください」というご要望をいただいたので、今までやってきた講義のためのサイトを一覧にしてみました。 [すでに終了した講義] 経済学入門(駒澤大学経済学部・2009年度[通年科目4単位]) 注:基本的に2008年度と同じ内容ですが、いろいろ細かい手直しをしているので、基本的には2009年度の方をご参照ください。 経済学入門(駒澤大学経済学部・2008年度[通年科目4単位]) 注:2008年度は学生から要望があり、少しだけ行動経済学を取り上げました。2009年度の講義には入っていないので、行動経済学に興味のある方はその部分だけ2008年度をご参照ください。(infoseekが無料Webサイトサービスを終了してしまったため、現在はアクセ

                            経済学入門、金融論、マクロ経済学、統計学(矢野の講義サイト一覧) - ハリ・セルダンになりたくて
                          • 「この世で一番おもしろいマクロ経済学」で見晴し良好

                            経済音痴のわたしに最適な一冊。 そして、素朴な疑問「経済学者はバカなのか」に対する解答が得られた。その答えを言おう、経済学者はバカではない。むしろ利口な方なのに、バカと呼ばれているだけなんだ。 つまりこうだ。マクロを取り巻く知見が不安定なのは、経済の性質について相反する主張があるから(本書では、経済を「円満な家庭」と見なす派閥と「崩壊家庭」と考える派が対立する)。政府の役割についての意見も違う。政府とは、成長と安定を促す「よい親」と考える人と、「悪い親」だから手出しするなと主張する人が、これまた争う。 それぞれ信じるイデオローグに固執し、互いが互いをバカ呼ばわりするからややこしくなり、岡目八目、経済学者は何なの? バカなの? という話になるのだ。本書では、それぞれの「宗派」を両論併記で並べているため、一瞬混乱するかもしれない(幾度「どっちやねん!」とツッコミを入れたことか)。 だが、『そう

                              「この世で一番おもしろいマクロ経済学」で見晴し良好
                            • ヨラム・バウマン(山形浩生訳)『この世で一番おもしろいマクロ経済学』

                              待望のマクロ編が出た。これは速攻で読むべき一冊。まずユーモアがあるw 本当にそうなんだよねえ、経済政策について時論もう10数年やってるけど、本書でいうところの「マクロの双頭の怪物」と延々戦っているわけでw しかもこの怪物には手下がかなりいて、本当は怪物の存在なんか信じていない人(むしろミクロ的な金銭とか名誉とかのインセンティブで動いてる感じがするのでそこはミクロ編を読んでねw)たちが多そうなんだけど、怪物退治の前にそちらの手下との戦いも相当大変w。 本書のたのしいイラスト(グレディ・クライン)とイラストの吹き出し部分を抜かして、本書から本文だけ抜き書きすると、「でも物価の変動で困るのはインフレだけじゃない。デフレもある。これは物価が全般的にだんだん下がる現象だ。大恐慌や、21世紀に代わる頃の日本での「失われた20年」はデフレだった。デフレ期はインフレ期よりももっと危険かもしれない。高いイン

                                ヨラム・バウマン(山形浩生訳)『この世で一番おもしろいマクロ経済学』
                              • マクロ経済学は1958年に道を誤った - himaginary’s diary

                                とジョン・クイギンが書いている。かつてロバート・ゴードンは1978年時点のニューケインジアン経済学は今日のDSGEの手法より優れていたと論じたが、クイギンは、そこから遡ること20年前に既にマクロ経済学は道を逸れていた、と言う。 1958年というのは、フィリップス曲線が発見された年である。クイギンは、その発見後に、フィリップス曲線の誤用、それに対する過剰な訂正、そして再訂正といったプロセスが続き、確かにその過程で得られた知見も多いものの、それ以上に忘却の彼方に追いやられた知見が多かった、と主張する。その結果、アービング・フィッシャーのようなケインズ以前の経済学者でさえ馬鹿げていると思うであろう議論が今日の経済学者の間でまかり通っている、とクイギンは言う。 最初の間違いは、サミュエルソンやソローらのケインジアンによるフィリップス曲線の解釈であった。当初の彼らの論文では期待に関する注釈などが付い

                                  マクロ経済学は1958年に道を誤った - himaginary’s diary
                                • 父が息子に語るマクロ経済学(斉藤誠)

                                  父が息子に語るマクロ経済学 一橋大学 齊藤 誠 【もっとも最近の改訂日:2014年2月26日】 (各章のリンクがありますが、すべて、旧稿のファイルですので、最新のものは、ぜひとも書籍をお買い求めください!) はじめに プロローグ:高校までの勉強って役に立つんだ! 準備編 第1講 「過去、現在、未来の時間のレール」を走りぬけていく経済というイメージ 1. マクロ経済って何? 2. ストックとフロー 3. 時間を通じた変化を数式で表してみよう 4. 対数で変化率を表してみよう 5. ネイピア数と利子率のただならぬ関係 データ編 第2講 GDPって何なの?(所得からみたGDP) 1. GDPとは? 2. 「生産=所得」なの? 3. 「生産=所得」までの長い、長い道のり 4. 2011年の国民純所得 5. ストック変数・フロー変数再訪 6. 固定資本の物理的な評価と経済的な評価 第3講 GDPって

                                  • 中川昭一氏のためのマクロ経済学超入門 - 池田信夫 blog

                                    アメリカで行われている金融危機対策については、経済学者にとっても勉強になるハイレベルの論争が行われているが、日本ではまだ半世紀前のケインズの亡霊が徘徊しているようだ。中川財務相・金融担当相が『中央公論』7月号に書いた「日本経済復活のための13の政策」には、典型的なバラマキ政策が並ぶ:年金の物価スライド制復活と長寿医療制度での保険料軽減 子育てに必要な最低限の育児費や教育費は国が全部面倒を見る 基礎年金の全額税方式化 定率減税の復活 法人税減税 一人当たり三〇〇万円まで非課税の証券マル優制度の創設 政府系ファンドの創設総額21兆円以上という小沢一郎氏なみの規模だ。こういう「積極財政」が「国民を元気にする」という思い込みが何度も語られるが、中川氏はこういう政策がマクロ経済的にどういう波及効果をもたらすか、ご存じなのだろうか。非常に基本的なことだが、経済政策の責任者がこの程度の知識もないのは、そ

                                    • 迷走するマクロ経済学 - himaginaryの日記 #[コメント欄]

                                      昨年から主流派マクロ経済学に痛撃を加えている*1ポール・ローマーが、「The Trouble With Macroeconomics」という論文をネットに掲載して話題を呼んでいる。 以下はその冒頭部。 Lee Smolin begins The Trouble with Physics (Smolin 2007) by noting that his career spanned the only quarter-century in the history of physics when the field made no progress on its core problems. The trouble with macroeconomics is worse. I have observed more than three decades of intellectual regre

                                        迷走するマクロ経済学 - himaginaryの日記 #[コメント欄]
                                      • 反ケインズ派マクロ経済学が着目したもの──フリードマンとルーカスと「予想」/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS

                                        反ケインズ派マクロ経済学が着目したもの──フリードマンとルーカスと「予想」 松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 経済 #フリードマン#合理的期待形成 さてこの連載では、国家が経済のことにいろいろ管理介入する1970年代までの体制が、80年代以降世界中で崩れている転換を、「転換X」と呼び、その正体は何だったのかを探っています。 それは「小さな政府」への転換だ──こう言って、企業が利潤をもとめて活動するのを自由にして、みんな競争させようという「新自由主義」や、それをマイルドにした「ブレア=クリントン=日本民主党路線」が80年代以降今日に至るまでとられてきました。しかしそれは誤解だったというのが、この連載で言いたいことです。 そこで、70年代までのやり方が行き詰まった原因がどこにあって、それを解決するためにはどうしなければならないのか──それを、この転換を提唱した経済学者たちの言っ

                                          反ケインズ派マクロ経済学が着目したもの──フリードマンとルーカスと「予想」/松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 - SYNODOS
                                        • 現代マクロ経済学講義 - 池田信夫 blog

                                          けさの短い記事が予想外に大きな反応を呼んで、新聞社から取材まであったので、誤解のないようにフォローしておくと、クルーグマン自身はちゃんとした経済学者で、地底人のようなトンデモではない。授賞理由となった戦略的貿易政策は、代表的な国際経済学の教科書にもまったく出てこない陳腐な理論だが、おそらくこれは表向きの理由で、本当の授賞理由は昨今の異常な経済状況だろう。 前の記事のコメント欄のLadbrokesのオッズにもあるように、本来の最有力候補はFamaだったと思うが、彼は不幸なことに効率的市場仮説の元祖として知られている。この状況で「市場はすべての情報を織り込んでいる」という理論に賞を与えたら、1997年に受賞したMerton-Scholesの創立したLTCMが翌年、破綻したときのような批判を浴びるだろう。このランキングの上位にいるBarroやSargentは新しい古典派と呼ばれるウルトラ合理主

                                          • ノア・スミス「マクロ経済学はいまだに揺籃期にある」(2022年11月8日)

                                            [Noah Smith, “Macroeconomics is still in its infancy,” Noahpinion, November 8, 2022] アイディアはたくさん,でもたしかな知見はそう多くない 先日,エド・プレスコットが81歳で死去した.彼は,いくつかの点で現代マクロ経済学の父にあたる人物だった.これを機に,科学としてのマクロ経済学の現状について書いてみるのもいいだろうと思う.このブログをはじめたときから何度もこの話題については書いてきたことだし,あらためてここで考えてみると面白いだろう. マクロ経済学の評判はひどいものだ.ぼくが好ましく思ってる人たちや尊敬してる人たちが,経済学の分野についてこんなことを言うのを目にする機会がよくある: Physicists are landing crafts on comets 100 of millions of mil

                                              ノア・スミス「マクロ経済学はいまだに揺籃期にある」(2022年11月8日)
                                            • 消費増税は「確定」したのか――「19年10月10%」について考える / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-

                                              先月10月15日の臨時閣議で、安倍総理は2019年10月に消費税率を10%に引き上げることを表明した。このことは新聞やテレビで広く報じられ、大きなニュースとして受けとめられたが、この「表明」が意味することについての認識はさまざまであり、必ずしも共通の理解が得られているとはいえない状況にある。 この閣議での「表明」に際しては、消費税率の引き上げに伴う家計の負担軽減策や反動減対策などについても言及がなされたが、このような対策として検討が進められているものの中には、公平・中立・簡素という租税の基本原則からみて妥当とはいえないものも含まれている。 そこで、以下ではこれらの問題について、これまでの議論の経過を踏まえつつ、論点整理を試みることとしたい。本稿の主たるメッセージは、 ・10月15日の「表明」の前後で消費税率引き上げに対する安倍総理のスタンスに不連続な変化が生じたわけではない。19年10月の

                                                消費増税は「確定」したのか――「19年10月10%」について考える / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
                                              • 動学マクロ経済学入門の入門 - 池田信夫 blog

                                                世の中には、まだ「どマクロ経済学」の信者がいるようで、いまだに同じようなコメントやTBが来る。IS-LMで考えているかぎり、何を説明しても無駄なので、ここでまとめて新しいマクロ経済学の教科書的な説明をしておく。長文でテクニカルなので、ほとんどの人には読む価値がないと思う。 DSGEは動学モデルなので、最初から変分法とかオイラー方程式が出てきて、ほとんどの人はそこで挫折するだろう。しかしそれは本質的ではなく、ほとんどの結論は簡単な2期モデルで導ける。その点で、Goodfriendの解説論文は便利だ。くわしくは原論文を読んでもらうとして、ここでは彼の簡単なモデルを超簡単にして、結論だけ書く。まずcを消費、nを雇用、aを労働生産性とすると、 c=an・・・(1) したがってn=c/aだが、ここでμ=a/wを企業のマークアップ率とすると、 n=1/(1+μ)・・・(2) と書ける。μが利

                                                • 現代マクロ経済学の基本モデルを知る

                                                  以前に「イマドキのマクロ経済学には非自発的失業はねぇ!」と言う重鎮の若手への説教があったのだが、「良く勉強してから発言しろ!」では経済学の素養が無い人には事情を理解できないと思うので、解説してみたい。つまり、イマドキのマクロ経済学の基礎、実物的景気循環理論(RBC)における失業だ。コースワークで上級マクロ経済学を履修した人には、常識的な話となる。 1. マクロ経済学史の中心にいるRBC Wikipediaの記述に詳しくあるが、1937年にケインズの一般理論をヒックスがIS-LMモデルで解釈を行った後、新古典派の動学成長モデルがソロー・スワン・モデルから50年代、60年代に発達した。以前にDiamond OLGモデルを紹介したが、同じ年に開発されているRamseyモデルがRBCのベースになっている。 Ramseyモデルはマクロ経済学への貢献だけではなく、オイラー・ラグランジュ方程式やハミルト

                                                    現代マクロ経済学の基本モデルを知る
                                                  • 今年の8冊〜量子力学・統計学・マクロ経済学から〜 - ハリ・セルダンになりたくて

                                                    東日本大震災を始め、辛く悲しい出来事が多い一年でした。仕事も忙しくあまりblogを更新することも出来ませんでしたが、年末ですから今年、記憶に残った本をいくつかご紹介したいと思います。 [量子力学この一冊] 矢野の大学時代からの友人である森田邦久氏の新著が「量子力学の哲学」です。量子力学というのは物理学の一分野で、たとえば「電子」などというミクロな*1物質の振る舞いを分析します。 電子などのミクロな物質には「粒子と波」の両方の性質が観測されるなど、ミクロな世界では我々の日常生活では少し理解しがたい現象が発生します。 そのため、それをどのように理解すればいいのか、が重要な問題になってくるわけです。「シュレディンガーの猫」と言われる話に端的に表される問題ですが、学問的には「量子力学の解釈問題」とか「量子力学の観測問題」などと呼ばれています。 大学時代に森田氏と矢野(ともう一人の友人F氏)は物理を

                                                      今年の8冊〜量子力学・統計学・マクロ経済学から〜 - ハリ・セルダンになりたくて
                                                    • クルーグマン「マクロ経済学はISLM派の勝利で決着がついた(ただし一部のおかしな連中を除く)」 - himaginary’s diary

                                                      バイデンプランを巡る経済学者の論争(cf. ここ)についてノアピニオン氏がブログエントリを書いたところ(邦訳)、クルーグマンがツイッターで以下のように異論を唱えた*1。 So actually I think Noah, unusually, has this mostly wrong. These macro wars are very different from those of 2011; the debates are about numbers, not principles — basically because the big conceptual issues were settled when one side won This time we really are all Keynesians now — or at any rate nobody is listen

                                                        クルーグマン「マクロ経済学はISLM派の勝利で決着がついた(ただし一部のおかしな連中を除く)」 - himaginary’s diary
                                                      • 松尾匡のマクロ経済学観 - Economics Lovers Live

                                                        松尾さんの最新エッセイをぼーと見てたら気になることがかいてあった。 http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay_91231.html 現代的なケインズ理論は、価格や賃金が伸縮的だということを出発点にして話を組み立てています。 これって実は十年位前には常識的でなかったんですね。いまでもそうかも。 従来の常識では、ケインジアンってのは、市場メカニズムは不完全で価格も賃金も動きにくい、だから供給過剰になっても自動解消できないから、政府が公共事業とかやって総需要を増やしてやって均衡させるって考え方とされてきました。それに対して、新しい古典派は、規制緩和とかして価格や賃金がスムーズに動くようにすれば、市場メカニズムはうまく働いて自動調和するんだって批判したわけです。 特に1970年代のスタグフレーション(不況下のインフレ)をケインジアンはうまく解けなかった。それを新しい古典派

                                                          松尾匡のマクロ経済学観 - Economics Lovers Live
                                                        • マクロ経済学の暗黒時代、あるいはクルーグマンはハリ・セルダンになろうとたいのか? - P.E.S.

                                                          クルーグマンのブログエントリーの翻訳です。これも財政政策に反対する保守派経済学者を批判するものなんですが、無茶苦茶言葉が厳しい。冗談ぽくしつつも、よくここまで言えるな、と思います。でもそういうものの方が読んでて面白いですね。ところで、クルーグマンはアシモフのSF「ファウンデーション」シリーズのなかに出てくる心理歴史学という架空の学問に興味をもった事が経済学へのかかわりの第一歩だったようですが、そのシリーズの中では心理歴史学を作り出した数学者ハリ・セルダンは銀河帝国崩壊後の暗黒時代の短縮のためにファウンデーションと呼ばれる文明の飛び地の創設を行います。もしかしたらクルーグマンも結構そういう気分なのかな、と訳していて思ってしまいました。 追記:ssuguruさんの指摘を受けてタイポを修正しました。ssuguruさん、ありがとうございました。 マクロ経済学の暗黒時代 (ちょいむず)  ポール・ク

                                                            マクロ経済学の暗黒時代、あるいはクルーグマンはハリ・セルダンになろうとたいのか? - P.E.S.
                                                          • マクロ経済学 - Wikipedia

                                                            新古典派によると資本市場で自然利子率が決定される。レオン・ワルラスによると、生産はセイの法則によって均衡が達成される自然水準にあると信じられてきたが、1930年代に米国を襲った恐慌によりこの見解への懐疑が生まれる。 ケインズとカレツキ[編集] この懐疑の中、ジョン・メイナード・ケインズは1936年に『雇用・利子および貨幣の一般理論』を発表する。ケインズは貨幣市場において、流動性選好説と貨幣供給量によって現実の利子率が決定されると説いた。将来に対する不確実性を伴う長期期待から導かれる期待利潤率(資本の限界効率)と利子率から決定される投資と貯蓄の均衡によって現実の生産水準(国内総生産、国民所得)が決定される。ケインズは、不均衡が価格硬直性から派生するとした古典派の主張を退け、彼らのセイの法則を否定した有効需要に基づいて、自然生産水準と現実生産水準の乖離を埋めるための経済政策の必要性を訴えた。こ

                                                              マクロ経済学 - Wikipedia
                                                            • サイモン・レン=ルイス「マクロ経済学は近年の経済史の説明を諦めてしまったのか?」

                                                              [Simon Wren-Lewis, “Did macroeconomics give up on explaining recent economic history?” Mainly Macro, April 19, 2018] フィリップス曲線がまだ存在しているのかどうかをめぐる論争が続いている.ひとつには,さまざまな国で,かつてならインフレ率上昇につながっていた水準にまで失業率が下がっても今回は賃金インフレがかなり安定している状況を受けての論争だ.まず間違いなく,これには2つのことが反映されている:隠れた失業が存在していることと,NAIRU〔インフレを加速させない失業率〕が下がっていること,この2つだ.イギリスに関しては双方について Bell & Blanchflower を参照. NAIRU が時とともに徐々に動きうるというアイディアから,こう主張し始めた人も多い――「フィリップ

                                                                サイモン・レン=ルイス「マクロ経済学は近年の経済史の説明を諦めてしまったのか?」
                                                              • マクロ経済学にミクロの基礎付けが必要なんて誰が言った? - himaginary’s diary

                                                                Freakomonicsのスティーブン・レヴィットがマクロ経済学について書いている。内容的にはつとに耳にする話であるが、よくまとまっているので以下に紹介する。 In a reasonably interesting Guardian article, Larry Elliott argues that the macroeconomists of yesteryear were superstars, but the current crop have lost sight of what macroeconomics is supposed to be about: describing the macroeconomy, not writing down fancy mathematical models. (ガーディアン紙の比較的面白い記事で、ラリー・エリオットが、かつてのマクロ経済

                                                                  マクロ経済学にミクロの基礎付けが必要なんて誰が言った? - himaginary’s diary
                                                                • サイモン・レン=ルイス「マクロ経済学におけるミクロ的基礎づけヘゲモニーを医学になぞらえると」

                                                                  [Simon Wren-Lewis, “Medicine and the microfoundations hegemony in macroeconomics,” Mainly Macro, August 25, 2017] 主に経済学者向けの話. このところ,こんな気持ちが強まってきた――私がいう「ミクロ的基礎づけヘゲモニー」を論じたときに,経済学と医学の類推をもっとやっておいた方がよかったんじゃないか.ミクロ的基礎づけのヘゲモニーとは,「あらゆる方程式が首尾一貫してミクロ経済理論から導き出されていているモデルだけがマクロ経済のモデルとして『妥当』だ」という考え方のことだ.ここで私が思い描いているのはどんな類推かというと,一方では〔医学における〕生物学が〔経済学における〕ミクロ的基礎に対応し,他方ではたとえば喫煙と肺がんを結びつける統計分析がミクロ的基礎をもたないモデルに対応する,そう

                                                                    サイモン・レン=ルイス「マクロ経済学におけるミクロ的基礎づけヘゲモニーを医学になぞらえると」
                                                                  • マクロ経済学の素晴らしい見取り図(ヨラム・バウマン著/山形浩生訳『この世でいちばんおもしろいマクロ経済学』) - くじらのねむる場所@はてなブログ

                                                                    私がいわゆる「マクロ経済」というものに興味を持ったのは、2002年に買った『クルーグマン教授の経済入門』でした。それ以来何度あの本を読み返したことでしょう。私のマクロ経済観は『クルーグマン教授の経済入門』で養われたといってもいい。 さて、本書も「マクロ経済学」と銘打たれていますが、どちらかというとクルーグマン本寄り。まず、本書の構成が一般的なマクロ経済学の教科書の構成とはずいぶん違う。 だいたい、一般的なマクロ経済学の教科書は、第1章 国民所得計算、第2章 成長理論(ソローモデル)、第3章(このあたりから各教科書によって違いが出てくる) IS−LM、政府の役割……と続きます。 だけど、本書はまずはじめにマクロ経済学の2大目標――1.長期的な生活水準の向上(=長期的な経済成長)を目指す 2.短期的な景気の変動をどう抑えるか――を述べます*1。その後は、失業、貨幣(金融政策&インフレ(デフレ)

                                                                      マクロ経済学の素晴らしい見取り図(ヨラム・バウマン著/山形浩生訳『この世でいちばんおもしろいマクロ経済学』) - くじらのねむる場所@はてなブログ
                                                                    • マクロ経済学のミクロ経済的基礎付け:フォーリー=シドラウスキによる試み - himaginary’s diary

                                                                      今月の6日から9日に掛けて、ソロスの新経済理論研究所(Institute for New Economic Thinking)の今年4月のカンファレンスにおけるダンカン・フォーリー(Duncan K. Foley)の発表論文を紹介したが、今度はRajiv Sethiがフォーリーの自伝的エッセイを紹介している(出所は以下の本との由)。 The Makers of Modern Economics 作者: Arnold Heertje出版社/メーカー: Edward Elgar Pub発売日: 1999/10/01メディア: ハードカバー クリック: 22回この商品を含むブログ (1件) を見るSethiの前回(11/17)エントリでは、フォーリーがHerbert Scarfから数理経済学の講義を受けた時の回想を紹介していたが、直近の11/19エントリでは、フォーリーと共同研究者シドラウスキの

                                                                        マクロ経済学のミクロ経済的基礎付け:フォーリー=シドラウスキによる試み - himaginary’s diary
                                                                      • 【日本の解き方】マクロ経済学の重鎮が「学部レベル」の誤り 実態とは真逆の論を説く不思議

                                                                        週刊東洋経済8月2日号の巻頭に齊藤誠・一橋大教授が「異次元緩和で資金は供給されない」というタイトルのコラムを書いている。その内容には、学部レベルの金融論を学んだ学生でもわかるような誤りがある。 齊藤氏はこれまで「名目ゼロ金利になると金融緩和が効かなくなる」などと、今となっては誤りが明白になったことを主張してきたデフレ派の学者だ。実質金利を下げるべきときにも「デフレ時には金利を上げよ」と、正反対のことを言ってきた。 齊藤氏は日本のマクロ経済学会の重鎮といわれている。筆者としては、どうして真逆のことをいうのか不思議であったが、今回もまったく反対のことを論じている。 齊藤氏はコラムの中で「民間銀行は13年度に日銀当座預金に69・2兆円を預けたが、その資金源は民間銀行が日銀に国債を売却した43・7兆円と、家計や企業から集めた預金の8割に相当する25・5兆円だ」と指摘し、「異次元緩和は経済を好循環さ

                                                                          【日本の解き方】マクロ経済学の重鎮が「学部レベル」の誤り 実態とは真逆の論を説く不思議
                                                                        • ノア・スミス「新しいマクロ経済学:「みんなにお金あげろ」」(2020年12月6日)

                                                                          [Noah Smith, “The new macro: ‘Give people money‘”, Noahpinion, December 6, 2020] 今回の苦境では経済理論は主役をおりている この前 Twitter でジョークをつぶやいた.この10年でマクロ経済学がどう変わったかってネタだ: ・2010年のマクロ経済学: 「確率的均衡を定義する要因は右のとおりである―――消費経路(…),物価(…),賃金(…),政策の各種変数(…).政策変数には次のようなものがある(以下略)」 ・2020年のマクロ経済学: 「みーんなにお金あげろー.みーんなにお金あげろー.みーんなにお金あげろー.みーんなにお」 もちろん,学術的なマクロ経済学をやっている人の誰一人として,ただひたすら文字通り「みーんなにお金あげろー」と叫ぶばかりの理論系論文を公表してなんかいない.でも,政策の水準では,〔2008

                                                                            ノア・スミス「新しいマクロ経済学:「みんなにお金あげろ」」(2020年12月6日)
                                                                          • 「現代マクロ経済学における共通理解」とは何か(その1)

                                                                            顔に見える?最近「送水口」が気になるという話 「送水口」が気になる今日この頃 最近街中で気になる存在、それがこの「送水口」です。地上のフロアが7階以上あるビルなど、一定の条件を満たした建築物には設置が義務付けられているもので、火事が発生したフロアにただちに水を送るために使われるものです。ポンプ車…

                                                                              「現代マクロ経済学における共通理解」とは何か(その1)
                                                                            • マクロ経済学の狂気 ポール・クルーグマン - P.E.S.

                                                                              ひさ〜しぶりになってしまいましたが、クルーグマンの翻訳です(実際は最近もいくつか翻訳してるんですが、道草にだけ載せてましたので。)内容は、そのタイトルがはっきりと示しているように、ここ数年続いているクルーグマンのマクロ経済学批判です。最初にでてくるローレンス・マイヤーさんはワシントン大学の学部長や連邦準備制度の理事を勤めていた経済学者です。 追記:ayakkaさんからのツイッターでのコメントを受けて、マイヤーの名前の不統一を正しました。ありがとうございました! マクロ経済学の狂気 ポール・クルーグマン 2010年10月9日イグレジアス経由。ローレンス・マイヤーがインタビューにおいて次のように述べている。 だから私はモデリングについて二つの伝統があると考えている。一つ目はより古い(classic)伝統だ。私はMITで教育された。ノーベル賞受賞者で、連邦準備制度理事会が当時使っていた大規模モデ

                                                                                マクロ経済学の狂気 ポール・クルーグマン - P.E.S.
                                                                              • フィナンシャルタイムズが読めるようになるためのマクロ経済学課程 - himaginary’s diary

                                                                                今のマクロ経済学の教科書を読んだりマクロ経済学の課程を履修しても、現下の不況についてフィナンシャルタイムズが報道している記事や、その紙面上で交わされている議論を理解することはできない、と先月12日にデロングが書いている(H/T Interfluidity)。 それらを理解するためには、不況を説明するのに現在も有効な以下の5つの理論を教える必要がある、とデロングは言う。 実質賃金が完全雇用経済を維持するには高過ぎる水準に留まっているため、失業率が高くなるのだ、という理論。従って、不況は耐え忍ぶべきもの、ということになる。 今日の高失業率は過去の過剰投資の避けられない帰結である、という理論。従って、不況は耐え忍ぶべきもの、ということになる。 流動性を持つ現金の不足のために不況が生じた、というマネタリスト理論。流動性不足は人々を現金残高の確保に駆り立て、現時点での財やサービスへの支出を差し控えさ

                                                                                  フィナンシャルタイムズが読めるようになるためのマクロ経済学課程 - himaginary’s diary
                                                                                • マクロ経済学は「役立たず」なのか?:日経ビジネスオンライン

                                                                                  2012年2月現在、ギリシア、イタリアの国家債務問題を焦点としてユーロ圏に新たな金融危機の火種がくすぶっている。ユーロ圏の債務問題が甚大な金融危機に発展するかどうかはともかく、世界レベルの金融危機は長い歴史の中で繰り返し発生してきた。 2008年のリーマンショックを契機に、「既存の経済学は金融危機の理解や抑止に全く役立たない」、あるいは「既存の金融経済学こそが金融危機を引き起こした」といった批判が巻き起こった。程度はともかく、こうした批判は現在でも続いている。経済学者はこうした批判にどう応じてきたのだろうか。 ここでは、経済学に対する批判的問いかけの意味も込めて「金融危機はなぜ繰り返し発生するのか」について考えたい。 自由競争とリスクの証券化が進んだ世界金融市場 まず、リーマンショックを足がかりとして、既存の経済学や「市場原理至上主義」、さらにはやや漠然と「資本主義」なるものに対し、批判的

                                                                                    マクロ経済学は「役立たず」なのか?:日経ビジネスオンライン