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マルクスの検索結果121 - 160 件 / 716件

  • 「日本アカデミズムのなかのマルクス経済学」摂南大学・八木 紀一郎 | 論壇

    1.日本アカデミズムのなかのPolitical Economy 日本の大学におけるマルクス経済学はどうなったのかというのが編集部からの問いかけであるが、これに答えるのはなかなか難しい。というのは、現在では1950年代から60年代のように、「マル経」(マルクス経済学)と「近経」(近代経済学)という二つの経済学がはっきりと分かれて対峙していた時代とは大きく状況が変わっているからである。また、「マルクス経済学」ということでどのような特徴をもった経済学を考えるのか、あるいは「マルクス経済学」にこだわることにどれほどの意義があるかについての見解も、「マルクス経済学者」とみなされる経済学者自身をとってもまちまちだからである。 筆者自身の見方を説明する前に、通常マルクス経済学者の中心学会とみなされ、現在でも800人近い会員を擁している「経済理論学会」(註1)が現在自らをどのように規定しているかを見ておこ

    • 新書大賞に輝いた、マルクス研究者の「人生を大きく変えた本」とは…?(斎藤 幸平) @gendai_biz

      「新書大賞2021」の第1位に輝いた『人新世の資本論』の著者である斎藤幸平さん。NHKの番組「100de名著」で『資本論』の解説を担当されるなど、新進気鋭のマルクス研究者として大活躍されています。そんな斎藤さんに「人生を変えた本」を伺いました。 学生時代を彩った数々の名著 アメリカ同時多発テロやイラク戦争など、2000年代の初頭はグローバル化の矛盾が次々と噴出した時代でした。高校生だった私も憤りを感じ、問題解決のために研究者になりたいと考えるようになりました。 そんなときに出会ったのが、およそ100年前に書かれた『武士道』(新渡戸稲造著)です。欧米諸国と積極的な外交をするようになった明治期、新渡戸は日本人の道徳的な核心である「武士道」を欧米に知らしめるために、英語でこの本を執筆しました。 本の内容そのものよりも、そうした彼のスケールの大きな生き方に心がゆさぶられたのをよく覚えています。私自

        新書大賞に輝いた、マルクス研究者の「人生を大きく変えた本」とは…?(斎藤 幸平) @gendai_biz
      • サミュエル・ボウルズ「マルクスと現代ミクロ経済学」

        Samuel Bowles “Marx and modern microeconomics” VOX.EU, April 21, 2018 マルクスは経済学としては全くの失敗だったことに疑問をはさむ経済学者はほとんどおらず,これは大抵のところ彼の労働価値説に基づいた評価による。しかし本稿では,企業における資本と労働の権力関係に関するマルクスの描写が現代資本主義の理解と改善にとって不可欠な洞察であったことを論じる。実のところ,そうした洞察は労働市場や信用市場に関する標準的なプランシパル・エージェントモデルに組み込まれているのである。 来月 [1]訳注;2018年5月5日 は経済学者カール・マルクスの生誕 200周年記念となるが,過去を振り返れば,経済学者たちはマルクスに対して大した賞賛を与えてはこなかった。ジョン・メイナード・ケインズは資本論を「時代遅れの経済学教科書で,科学的に誤っているだ

          サミュエル・ボウルズ「マルクスと現代ミクロ経済学」
        • 若者よ、目覚めるな!〜マルクスの亡霊とサイレントテロ、または普通ハラスメント - 太陽がまぶしかったから

          マルクス主義の亡霊とサイレントテロ 『現在のムダな不幸を思えば、マルクスは正しかったのかもしれない - 寿司はえんがわ。~Engawa R0tMG ブログ~ 別館』を読みました。マルクス主義って言葉を出すと革命家としての彼や、その後のソ連崩壊などが想起されますが、マルクスの資本主義への批判内容そのものから得るものは多々あったように思います。まぁカジッただけですが。 確かに「供給に追いつけるほどの需要の発展」について、日本ではもう難しいでしょう。セツヤクエストとしてやっているような事もそれを加速しています。別にそれと意識しているのではないのですが、私の考えている事は「サイレントテロ」の扱いをうけることが多々あります。サイレントテロとは以下の通りの意味合いです。 現在の社会状況、または自らの置かれた社会的状況に対して悲観的観測を抱きながら、それを「現実」として受け入れようとするときに起こる人々

            若者よ、目覚めるな!〜マルクスの亡霊とサイレントテロ、または普通ハラスメント - 太陽がまぶしかったから
          • 【まとめ】資本主義の成立と継続のシステムと原理とは ~アダム・スミス,マルクス,ウェーバー,ゾンバルト【28】 - 日々是〆〆吟味

            まとめ28 資本主義の成立と継続のシステムと原理とは ~アダム・スミス,マルクス,ウェーバー,ゾンバルト このまとめの要旨 書いたものの一覧 現在時間がなくリンク切れのままとなっております。申し訳ありません。 まとめ28 資本主義の成立と継続のシステムと原理とは ~アダム・スミス,マルクス,ウェーバー,ゾンバルト このまとめの要旨 資本主義に関係しそうなものを集めてみました。色々考えのある人も多いのですが、ちょこちょことでも説明できてればいいな、と思っています。興味あれば一覧だけでも眺めてください。 書いたものの一覧 www.waka-rukana.com ウェーバーによれば資本主義というものはプロテスタントカルヴァン派の価値観によって成立した、ーというようなお話。 www.waka-rukana.com 資本主義を成立させた価値観は勤労の精神であり、神の意にかなった働くことを実践すること

              【まとめ】資本主義の成立と継続のシステムと原理とは ~アダム・スミス,マルクス,ウェーバー,ゾンバルト【28】 - 日々是〆〆吟味
            • Welcome To Madchester - 非モテを救ってくれたマルクスへ、非モテを救ってくれたボーヴォワールへ

              ↓こことか http://www.absoluteweb.jp/ohno/ ↓ここ http://d.hatena.ne.jp/furukatsu/ を読んで思った事。 結局非モテにとっての解放の福音がこういうものだと思うと少しがっかりします。 http://d.hatena.ne.jp/kusamisusa/20061105/p1 もちろん、私は草実スサさんの言うとおり「非モテを語る権利」は誰にだってあるとは思います。それは多分非モテ云々という以前の話だとは思うけれど。 しかし、それでも私はがっかりしています。結局こういうものなのだったのか、と。 非モテが「いつも」の「弱者」として組み込まれる事への違和感はすでに先日述べたとおりです。*1 私はバカというか、非常に能天気なところがあるというのは全く自覚していたわけなんですが、いわゆる「非モテ」というものは敗北を前提としているからこそ既存の

                Welcome To Madchester - 非モテを救ってくれたマルクスへ、非モテを救ってくれたボーヴォワールへ
              • マルクスの疎外論 : 池田信夫 blog

                2010年07月05日00:43 カテゴリ本経済 マルクスの疎外論 本書のテキストはマルクスが26歳のとき書いた未定稿だが、1930年代に発見され、60年代後半の学生運動の時代に注目を集めた。従来の階級闘争を中心としたマルクスではなく、「労働者が資本主義によって疎外される」という人間論が共感を集めたのだ。長谷川宏氏の新訳は、その若々しい雰囲気をよく伝えている。本書を読むと、マルクスの疎外論が当節流行の「蟹工船」とか「プレカリアート」の類の「人間疎外論」とはまったく違うことがわかる。疎外(Entfremdung)とは「世の中から疎外される」といった日本語とは無関係のヘーゲル的な概念で、「労働の生産物が、労働にとって疎遠な存在として、生産者から独立した力として登場してくる」(p.92)という意味だ。これは人間の能力が労働によって商品に対象化(外化)された結果であり、マルクスは疎外そのものを否定

                  マルクスの疎外論 : 池田信夫 blog
                • マルクス・ブーム - 池田信夫 blog

                  このごろ都内の本屋に「マルクス・コーナー」が目につく。『資本論』が、去年の4倍も売れているという。この週刊東洋経済の特集で識者が推薦している本も、『資本論』が多い。たしかに今でも、資本主義の本質をもっとも深いレベルで明らかにした古典だろう。少なくともこれを読まないで「ネオリベ」を罵倒したり「階級闘争」をあおったりするのは、物笑いのたねになるだけだ。 とはいえ、これを通読した人もほとんどいないだろう。その解説本も今年たくさん出てきたが、読む価値のあるものは、私の立ち読みしたかぎり1冊もない。最悪なのは、三田誠広『マルクスの逆襲』だ。作品を死後70年も私有財産として独占しようとする利権オヤジに賞賛されていると知ったら、マルクスは怒るだろう。『資本論』を中心にしてマルクスの思想をやさしく紹介した入門書としては、廣松渉が晩年に書いた『今こそマルクスを読み返す』をおすすめする。 この他に、私が週

                  • 【まとめ】マルクス・エンゲルスの哲学/思想と資本主義の様々な問題点【29】 - 日々是〆〆吟味

                    まとめ29 マルクス・エンゲルスの哲学/思想と資本主義の様々な問題点 このまとめの要旨 書いたものの一覧 現在時間がなくリンク切れのままとなっております。申し訳ありません。 まとめ29 マルクス・エンゲルスの哲学/思想と資本主義の様々な問題点 このまとめの要旨 今まで書いてきたものの中からマルクスやエンゲルスに関係するものを集めてみました。なんだかこんなのまとめると反発されそうな気もしますが、やっぱりマルクスはヨーロッパ近代思想史のど真ん中ですので避けられません。というわけでもし興味ありましたら一覧だけでも眺めてみてください。 書いたものの一覧 www.waka-rukana.com なんで資本主義は儲かることが出来るのか、っていえば、それは労働力に見合った賃金よりもちょっと少なめに賃金を支払っているからで、その差額によって資本家は儲けてるんだよ、ーというようなお話。 www.waka-r

                      【まとめ】マルクス・エンゲルスの哲学/思想と資本主義の様々な問題点【29】 - 日々是〆〆吟味
                    • 『「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学』(講談社) - 著者:マルクス・ガブリエル 翻訳:姫田 多佳子 - 養老 孟司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

                      著者:マルクス・ガブリエル翻訳:姫田 多佳子出版社:講談社装丁:単行本(386ページ)発売日:2019-09-12 ISBN-10:4065170796 ISBN-13:978-4065170793 人間の「意識」や「自己」を問う明るい哲学著者はドイツの哲学者、一九八〇年生まれ、ボン大学教授。若手の俊英である。昨年来日しており、その記録はNHKのテレビ番組としてだけでなく、『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』としてNHKから出版されている。本書は三部作のうちの第二巻、第一巻『なぜ世界は存在しないのか』は同じ講談社選書メチエで昨年すでに翻訳が刊行されている。 若い頃、哲学者とは何だろうと思ったことがある。結論は簡単で、何も持っていない人だ、というものだった。医者なら聴診器からCTのデータまで持っている。科学者には実験室があり、技術者はさまざまな機械に触れている。でも哲学者は鉛筆かパ

                        『「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学』(講談社) - 著者:マルクス・ガブリエル 翻訳:姫田 多佳子 - 養老 孟司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
                      • マルクス本を書いてます - 内田樹の研究室

                        ひさしぶりに時間が空いたのだけれど、あまりにバックオーダーが多いので、どこから手を着けてよいか、わからない。 原則としては (1)締め切りが切迫しているものから書く (2)書き上げるのに要する時間の少ないものから書く (3)おもしろそうなテーマのものから書く ということになる。 締め切りが切迫しているものは「自殺論」。これはもう書いちゃったからあとは英訳するだけ(それに時間かかるんだけど)。 書き上げてしまうと「これで完成!」というのは、石川さんとの共著の『若者よ、マルクスを読もう!』の上巻。 これはぼくと石川さんが往復書簡で、マルクス=エンゲルスの代表的著作を「高校生が読みたくなるようにご紹介する」というハート・ウォーミングな企画である。 「高校生が思わず読みたくなる」ようにマルクスを紹介する仕事って、楽しそうでしょ。 『共産党宣言』から始まって、『ユダヤ人問題によせて』、『ヘーゲル法哲

                        • 共産、社会主義に魅かれる米ミレニアル世代 マルクスに3割が好意的

                          ベルリンの壁が崩壊し、ソ連が消滅してから30年近くが経過した。自由市場と法の支配を基礎とする資本主義の勝利であったが、そのリーダー国であるアメリカで、ミレニアル世代(1980年代から2000年代前後に生まれた世代)の間に共産主義、社会主義を新たな選択肢とする考えが広がっている。 ◆格差に不満 資本主義にも不信感 The Victims of Communism Memorial Foundation(VCMF)は、毎年アメリカ人の共産主義に対する意見を調査しているが、今年の調査では、ミレニアル世代の10人中7人が、高所得者は公平な割合の税負担をしていると思えないと回答し、10人中4人が、アメリカは完全にその経済システムを変えるべきだとしている。資本主義よりむしろ社会主義、または共産主義のもとで暮らしたいと答えたミレニアルは、全体の半数近くに上った。全体として、共産主義のリーダーを好意的に見

                            共産、社会主義に魅かれる米ミレニアル世代 マルクスに3割が好意的
                          • <センターバックを巡る考察> 田中マルクス闘莉王 「闘莉王が必要になる時」(矢内由美子)

                            南アフリカW杯で世界の攻撃をことごとく跳ね返した日本。 その中心には、いつもブラジル生まれの闘将の姿があった。 代表を離れてはいるが、彼の強さ、高さ、溢れる気迫は未だ健在だ。 ザックジャパン、そして祖国でのW杯への率直な思いを聞いた。 ロングボールが蹴り込まれる。跳ね返す。ハイクロスが押し寄せる。跳ね返す。 高さと強さだけで対処しているわけではない。鋭い読みからなる的確なポジショニングと、相手を自在にさせないボディーコントロールがあってこその守備力が、田中マルクス闘莉王の持ち味である。 ジャパンブルーのユニホームを最後に着た南アフリカでのパラグアイ戦から、1年3カ月の月日が流れた。岡田武史からアルベルト・ザッケローニへと日本代表の指揮官が代わり、それに伴い、メンバー構成も大きく変わった。若返りも図られている。 とはいえ今後もずっと、彼が代表に呼ばれることはないのだろうか。日本がもうワンラン

                              <センターバックを巡る考察> 田中マルクス闘莉王 「闘莉王が必要になる時」(矢内由美子)
                            • 生誕200年記念「マルクス紙幣」に注文殺到 額面は0:朝日新聞デジタル

                              「資本論」で知られるドイツ出身の思想家カール・マルクスの生誕200年を記念して、額面ゼロの「マルクス紙幣」を地元の観光局が売り出したところ、世界中から注文が殺到し、増刷に追われている。 発行したのは、マルクスが生まれたドイツ南西部トリーアの観光局。マルクスの肖像画が描かれ、額面は「0」ユーロとなっている。「マルクスは貨幣に対する疑念を訴えていた。主張の根幹をおもしろく伝えようと思い、0ユーロ紙幣の企画を思いついた」と広報担当者。 5月5日の生誕200年を前に4月16日、1枚3ユーロ(約400円)で5千枚を売り出した。インターネットを通じて世界各国から注文があり、すぐに売り切れた。すでに2万枚の増刷を発注したという。 同市内では5月5日、中国から「友好の証し」として贈られた高さ5・5メートルのマルクスの銅像の除幕式も予定されている。(ベルリン=高野弦)

                                生誕200年記念「マルクス紙幣」に注文殺到 額面は0:朝日新聞デジタル
                              • Amazon.co.jp: 奴隷のしつけ方: マルクス シドニウス ファルクス, ジェリー トナー, 橘 明美: 本

                                  Amazon.co.jp: 奴隷のしつけ方: マルクス シドニウス ファルクス, ジェリー トナー, 橘 明美: 本
                                • [FT]成長を知らない日本の若者、「マルクス理論」に共感 - 日本経済新聞

                                  東京の金融街にある最大の書店でベストセラーになっている本のタイトルだけから判断するならば、2022年晩秋の日本は革命の熱気に包まれているかのようだ。1つのコーナーには、ビジネスを礼賛し、世界のビジネスリーダーたちを神格化し、成功のための七つの鍵を説く書籍が並ぶ。年金の積立不足、少子高齢化、深刻な気候変動といった危機について、資本主義こそが問題を解決できるという確固とした信念に基づいて語られる。

                                    [FT]成長を知らない日本の若者、「マルクス理論」に共感 - 日本経済新聞
                                  • 【まとめ】社会進化論と社会の在り方 ~社会契約論,功利主義,ダーウィンの進化論,マルクス【33】 - 日々是〆〆吟味

                                    まとめ33 社会進化論と社会の在り方 ~社会契約論,功利主義,ダーウィンの進化論,マルクス このまとめの要旨 書いたものの一覧 現在時間がなくリンク切れのままとなっております。申し訳ありません。 まとめ33 社会進化論と社会の在り方 ~社会契約論,功利主義,ダーウィンの進化論,マルクス このまとめの要旨 社会を動かす思想と、弱肉強食を否定しない考え方によって無茶苦茶な様子をしめしたりもするのですが、そのもととなったダーウィンの進化論を社会に応用するってことはどのようなねじれがあったのか、というようなことも書いてみたお話のまとめ。 書いたものの一覧 www.waka-rukana.com 社会を運営していくための思想として社会契約と功利主義っていうものがありますよ、ーというようなお話。 www.waka-rukana.com 功利主義似たようなものになるかもしれないけど、スペンサーという哲学

                                      【まとめ】社会進化論と社会の在り方 ~社会契約論,功利主義,ダーウィンの進化論,マルクス【33】 - 日々是〆〆吟味
                                    • なぜ今、カール・マルクスの『資本論』に立ち返る必要があるのか?

                                      私は、11月9日に鎌倉孝夫氏(埼玉大学名誉教授)と共著で、『はじめてのマルクス』(金曜日)を上梓した。マルクスの『資本論』の方法に基づいた社会分析は、われわれが置かれている社会的位置を客観的に認識するために重要だ。しかし、現在、このような視座から作られた経済学の入門書が少ない。それならば自分で作ってみようと思って、この本ができた。鎌倉孝夫先生(埼玉大学名誉教授)は、私が高校生時代に『資本論』の読み解きを手引きしてくれた恩師である。35年振りに鎌倉氏と『資本論』について語りあうことができ、感無量だった。 さて、人間は、食べなくては生きていくことができない。生きていくためには、誰もが何らかの経済活動に従事しなくてはならない。しかし、「経済とは何か」と聞かれると、ひと言で説明するのは難しい。本書は、マルクスの『資本論』を分析の基礎に据えた、現代経済に関する入門書である。 「マルクスなんて時代遅れ

                                        なぜ今、カール・マルクスの『資本論』に立ち返る必要があるのか?
                                      • 『人新世の「資本論」』斎藤幸平さんインタビュー マルクスを新解釈、「脱成長コミュニズム」は世界を救うか|好書好日

                                        文:篠原諄也 写真:斉藤順子 斎藤幸平(さいとう・こうへい)経済思想家 1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。 Karl Marx’s Ecosocialism:Capital,Nature,and the Unfinished Critique of Political Economy(邦訳『大洪水の前に』/堀之内出版)によって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初歴代最年少で受賞。 近著『人新世の「資本論」』(集英社新書)は6万部を超えるベストセラーに。 気候変動を日本で論じる必要性を感じた ――人新世とはどういう時代でしょう? まだあまり一般的には使われていないので、難しそうなイメージを抱いてしまうかもしれません。地質学の概念なのですが、言わんとすることは単純です。人類の経済活動の

                                          『人新世の「資本論」』斎藤幸平さんインタビュー マルクスを新解釈、「脱成長コミュニズム」は世界を救うか|好書好日
                                        • “マルクスもレーニンも毛さんも、百姓とともに働きともに闘う”『私本三里塚』という本がすごい - 日毎に敵と懶惰に戦う

                                          最近、札幌のデモの件とか、昨今の労働運動全般とかについてぬるぬる考えるうちに、全共闘とか成田闘争とかってなんだったんだろう、とぼんやり思うわけです。わたしの全共闘に関する知識って、まず最初に、中〜高校生の時に読んだ、現代書館から出ている、この一冊が土台になっているんですが 全学連 (FOR BEGINNERSシリーズ イラスト版オリジナル 12) 作者: 菅孝行,貝原浩出版社/メーカー: 現代書館発売日: 1982/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (8件) を見るいや、まあ、わりとリベラルな学校だったので、この手の本は図書館に溢れてたわけですけれども。全体的な流れが把握するには、読みやすくて良い本ですよ。で、三里塚闘争についても当然興味を持つわけでして、そのころ、古本屋でみかけて、おっ、と思って買った本がこれ まがまがしい真っ赤な表紙に惹かれて購入

                                            “マルクスもレーニンも毛さんも、百姓とともに働きともに闘う”『私本三里塚』という本がすごい - 日毎に敵と懶惰に戦う
                                          • マルクス生誕200年記念の「ゼロユーロ紙幣」、大好評で増刷へ

                                            アイテム 1 の 3  4月18日、共産主義の父とされるカール・マルクスの出身地、ドイツのトリーアで、5月5日の生誕200年を前に、記念に発売された「ゼロユーロ紙幣」の印刷が追い付かない状況となっている。写真はマルクスのブロンズ像。13日撮影(2018年 ロイター/Wolfgang Rattay ) [1/3] 4月18日、共産主義の父とされるカール・マルクスの出身地、ドイツのトリーアで、5月5日の生誕200年を前に、記念に発売された「ゼロユーロ紙幣」の印刷が追い付かない状況となっている。写真はマルクスのブロンズ像。13日撮影(2018年 ロイター/Wolfgang Rattay ) [ベルリン 18日 ロイター] - 共産主義の父とされるカール・マルクスの出身地、ドイツのトリーアで、5月5日の生誕200年を前に、記念に発売された「ゼロユーロ紙幣」の印刷が追い付かない状況となっている。

                                              マルクス生誕200年記念の「ゼロユーロ紙幣」、大好評で増刷へ
                                            • マルクス経済学 - Wikipedia

                                              マルクス経済学(マルクスけいざいがく、英: Marxian economics)は、カール・マルクスの主著『資本論』において展開された、諸カテゴリー及び方法論に依拠した体系である。 マルクスは、アダム・スミス、デヴィッド・リカードらのいわゆるイギリス古典派経済学の諸成果、殊にその労働価値説を批判的に継承し、「剰余価値」概念を確立するとともに、その剰余価値論によって資本の本質を分析し、同時に古典派経済学の視界を越えて、資本主義の歴史的性格をその内的構成から解明しようとした。 「マルクス経済学」「マルクス主義経済学」という用語は、ルドルフ・ヒルファディングの『金融資本論』序文(1909年)で登場したといわれる[1]。 『資本論』の方法[編集] マルクスが『資本論』で用いた方法は、資本主義社会全体の混沌とした表象を念頭におき、分析と総合によって資本概念を確定し、豊かな表象を分析しながら一歩一歩資

                                                マルクス経済学 - Wikipedia
                                              • 佐々木隆治氏(マルクス研究者)がハーヴェイを読み解く

                                                marx kenkyu @marukenkyu @GAKU_IZ そうですね。『新自由主義』という著作でも同様の印象を持ちました。私のみたところ、どうも資本論の商品章の理解に欠けているところに原因がありそうです。ちょうど関連するテーマの論文を書くので、ハーヴェイについても触れてみようと思っています。 2012-05-01 22:11:09

                                                  佐々木隆治氏(マルクス研究者)がハーヴェイを読み解く
                                                • 外国人労働者受け入れにも応用できる「マルクスの経済学」田中秀臣の超経済学

                                                  カール・マルクス(1818-83)は、資本主義経済の本質と限界を明らかにした。マルクスの代表的な著作『資本論』(1867に第1部公刊、没後に2部・3部公刊)や、盟友のフリードリヒ・エンゲルスとの共著『共産党宣言』(1848)などは、世界中の人たちに今も多大な影響を与えている。 マルクスは2018年で生誕200年を迎えることもあり、世界各国でその業績を振り返るイベントなどが盛んに行われた。例えば、中国では習近平国家主席が、中国の経済・社会的な繁栄をマルクスの教えに基づくものとして、さらには習体制自体のマルクスからの正当性と成果を強調するために利用した。 もちろん、このような「政治的利用」については、各国の識者やメディアから厳しい批判もあった。マルクスは資本主義経済の問題点と限界を明らかにしたのであり、現在の中国は、一党独裁の政治体制の下で人々の自由な発言や暮らしを制限している一方、経済につい

                                                    外国人労働者受け入れにも応用できる「マルクスの経済学」田中秀臣の超経済学
                                                  • 『マルクスの使いみち』の使いみち - 梶ピエールのブログ

                                                    マルクスの使いみち 作者: 稲葉振一郎,松尾匡,吉原直毅出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2006/03/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 40回この商品を含むブログ (50件) を見る なんか、不遜なタイトルですみません。この本は既に多くの人があちこちで感想を書いているようだけども、とりあえず自分なりの関心にひきつけて読み、今まで断片的だった知識を整理する意味で「使え」そうだ、という意味をこめてみました。 さて、個人的にはやはり二章の搾取をめぐる議論のところが面白かった。吉原氏自身による解説における以下の箇所が両者の立場についての簡潔な説明になっていると思う。 http://www.ier.hit-u.ac.jp/~yosihara/usagemarx.htm 生産的資産の乏しい個人はそれが豊かな個人に比して交渉力が弱くなる可能性がある、まさに労働者と資本家の関係のよう

                                                      『マルクスの使いみち』の使いみち - 梶ピエールのブログ
                                                    • asahi.com(朝日新聞社):今、再びマルクスに光 入門・解説書や新訳、相次ぎ刊行 - 文化トピックス - 文化

                                                      今、再びマルクスに光 入門・解説書や新訳、相次ぎ刊行(1/2ページ)2010年8月23日11時11分 硬軟さまざまな形で、マルクスの仕事に再び光が当てられている。関連書籍の好調な売れ行きは、出版関係者を驚かせている カール・マルクス。人間社会の包括的な探究に挑み、経済から哲学、歴史、宗教まで幅広い分野に著作を残した 冷戦終結とともに葬り去られたはずのカール・マルクス(1818〜83)が、このところ相次ぐ入門書や解説書、新訳の刊行で、再び注目されている。現実政治への影響力は薄れたが、経済のグローバル化や環境問題、個人の生き方など、21世紀の課題に向き合う思想として新たな光を放ちつつある。 ■現代の課題に向き合う 「強靱(きょうじん)な論理でぐいぐい読者を引っぱりながら、瞬間的な目くらましで跳躍する。作家・マルクスのドライブ感あふれる文体について、書きたいと思っていた」 内田樹(たつる)・神戸

                                                      • マルクスはいいぞお - 内田樹の研究室

                                                        新規の仕事は受け付けないと言っておきながら、木曜の午後に仕事の打ち合わせの予定が入っていた。 本学で経済学を講じている石川康宏先生(このブログでは「ワルモノ先生」という通称で繰り返し登場しているが)と共著で本を出そうという企画が持ち込まれたのである。 ワルモノ先生は人も知るマルクス主義者である。 それも “代々木の森の” マルクス主義者である。 『前衛』に資本論について研究論文を寄稿するような、「保証書付き」の正統派のマルクス主義者である。 そういう方から私に「いっしょにマルクスについての本を書きませんか?」というオッファーがなされたのである。 これはお受けせざるを得まい。 私は社会理論としてのマルクス主義の政治的有効性にはひさしく懐疑的であるが、カール・マルクスというひとの天才的知性には高校生のときから変わらぬ敬意を抱いているからである。 その人の立てた理論が歴史的反証事例によって失効し

                                                        • ブチャ事件の考察 - 金言から禁句になったマルクスの「すべてを疑え」 | 世に倦む日日

                                                          昨日(4/5)、報ステに出演した防衛研の兵藤慎治が、ブチャの事件について次のようにコメントしていた。(1) 事件はロシア軍の撤退直前に行われたと確信していたが、そうではなく3週間前だという証拠映像が出てきて驚いている、(2) 犯行は正規軍部隊の作戦行動だとは絶対に思えず、傭兵等特別な軍隊の仕業だと考える、(3) 露顕したときの政治的影響の大きさを考えると、現場の軍の判断でできることではなく、モスクワ中央の関与か意向があったのかと疑う。 こういうコメントをするところが、兵藤慎治のいいところで、真面目な職業軍人らしい性格が滲み出た瞬間だ。兵藤慎治は現場の司令官の立場で分析して、撤退直前の軍隊の戦場心理の為せる業だろうかと直観していたのである。だが、証拠映像的にはそうではなく、侵入してすぐの犯行で、3週間も遺体を放置していたと言う。その報道に接し、合理的な分析と結論が出せなくなったのだ。つまり、

                                                            ブチャ事件の考察 - 金言から禁句になったマルクスの「すべてを疑え」 | 世に倦む日日
                                                          • 賢人皇帝の GTD:マルクス・アウレーリウスの教え | Lifehacking.jp

                                                            ブログのネタが思いつかないときには、時には思い切ってまったく違った場所でネタを探してみようかと、本棚の奥からしばらく前に読んだマルクス・アウレーリウスの「自省録」を取り出して開くと偶然こんな一行が。 突然ひとに「今君は何を考えているのか」と尋ねられても、即座に正直にこれこれと答えることができるような、そんなことのみ考えるよう自分を習慣づけなくてはならない。 ローマ帝国の賢人皇帝は GTD マスターでもあったのでしょうか? まさにこの、“Whats on your mind?” という問いを発した瞬間に、それが明確なアクションの形をとって言葉になることが GTD の習慣の基本テクニックですが、皇帝はさらに一歩を踏み込んでいて、出てくる言葉が善であり真理と調和していることを自分自身に課していたようです。 このようにすれば、その返事によって、すべて君の内にあるものは単純で善意に富み、社会性を持つ

                                                              賢人皇帝の GTD:マルクス・アウレーリウスの教え | Lifehacking.jp
                                                            • マルクス・トゥッリウス・キケロ - Wikipedia

                                                              政務官履歴 クァエストル(シキリア、紀元前75年) アエディリス・プレブス(紀元前69年) プラエトル(紀元前66年) 執政官(紀元前63年) レガトゥス(ポンペイウス配下、紀元前57年) アウグル(紀元前53年-43年) プロコンスル(キリキア総督、紀元前51年-50年) プロコンスル(ギリシャ、イタリア担当、紀元前49年-47年) レガトゥス(ドラベッラ配下、紀元前44年) マルクス・トゥッリウス・キケロ(ラテン語: Marcus Tullius Cicero, 紀元前106年1月3日[1] - 紀元前43年12月7日[2])は、共和政ローマ末期の政治家、弁護士[3]、文筆家、哲学者である。名前はキケローとも表記される。カティリーナの陰謀から国家を救うなど活躍し、入ることを熱望していたオプティマテス寄りの論陣を張って、ガイウス・ユリウス・カエサルやオクタウィアヌスらを食い止めようと試み

                                                                マルクス・トゥッリウス・キケロ - Wikipedia
                                                              • マルクス経済学者と考える投資 佐々木・立教大准教授:朝日新聞デジタル

                                                                ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 --><!--株価検索 中⑤企画-->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">

                                                                  マルクス経済学者と考える投資 佐々木・立教大准教授:朝日新聞デジタル
                                                                • あるマルクス経済学者のプロパガンダ(2)

                                                                  マルクス経済学者の松尾匡氏の連載2回目『ソ連型システム崩壊から何を汲み取るか──コルナイの理論から』が公開されていた。掴みの部分の1回目*1に比べて脚注も大幅に増えた気がするし、論が精緻になってきた。つまり学術的になってきたのだが、よく考えるとやはり上手いプロパガンダになっている。ミクロ的非効率の存在を厚く議論する一方で、価格メカニズムと言うマクロ的機構の重要性を無視しているからだ。 1. 情報の非対称性と資本主義社会のミクロ的非効率 まずは大雑把に要約してみよう。旧ソ連は適切なリスク配分が行われなかったので過剰設備投資と資材の過剰ため込みが発生したが、資本主義でもリスク配分が不適切で金融危機が発生していると指摘している。リスクより所有権と表現したほうが聞き慣れている気はするが、情報の非対称性や不完備契約の引き起こす問題が資本主義経済にもあるのは違和感は無い。 以前のエントリーで分権経済で

                                                                    あるマルクス経済学者のプロパガンダ(2)
                                                                  • hamachanこと濱口桂一郎さんvsマルクス研究者佐々木隆治さんのアソシエーション論争@『POSSE vol.10』

                                                                    坂倉昇平@『大人のいじめ』(講談社現代新書)/総合サポートユニオン/NPO法人POSSE @magazine_posse うえー。濱口さんが『POSSE』10号の佐々木隆治さん論文を批判している。しかし、これは大いなるすれ違いですね。佐々木さんはタイトルの「「潜勢的貧民」としての「自由な労働者」」にあるように、近代社会がもたらす「自由」こそを批判しているのに。http://bit.ly/hpqi4L 2011-03-02 13:26:24 坂倉昇平@『大人のいじめ』(講談社現代新書)/総合サポートユニオン/NPO法人POSSE @magazine_posse 濱口さんのアソシエーションの定義にズレがあるわけですね。佐々木論文ではその前提に労働組合を位置づけ、「労働組合は企業を越えて職種別・産業別に組織され、労働力販売の独占を実現するがゆえに、労働力の商品としての性格を緩和させるとともに、職

                                                                      hamachanこと濱口桂一郎さんvsマルクス研究者佐々木隆治さんのアソシエーション論争@『POSSE vol.10』
                                                                    • マルクス生誕200年、映画「マルクス・エンゲルス」ラウル・ペック監督に聞く : 映画ニュース - 映画.com

                                                                      社会派作品を数多く手掛けるラウル・ペック監督[映画.com ニュース]資本論で知られ、科学的社会主義を打ち立てたカール・マルクスが5月5日に生誕200年を迎える。マルクスとその盟友フリードリヒ・エンゲルスの若き日々を描いた映画「マルクス・エンゲルス」(公開中)のラウル・ペック監督が、作品を語った。 産業革命が社会構造のひずみから経済格差を生み出していた1840年代のヨーロッパ。貧困の嵐が吹き荒れ、不当な労働条件がはびこる社会にいらだちを覚えていた26歳のマルクスは独自の経済論を展開するが、その過激な言動により妻とともにドイツ政府から国を追われる。その後パリでエンゲルスと運命的に出会い、これまでになかった新しい労働運動を牽引していく。「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」という言葉で始まる「共産党宣言」誕生の夜明け前を、「私はあなたのニグロではない」のペック監督が描く。 偉

                                                                        マルクス生誕200年、映画「マルクス・エンゲルス」ラウル・ペック監督に聞く : 映画ニュース - 映画.com
                                                                      • 青年マルクス論 - 池田信夫 blog

                                                                        動物行動学で「刷り込み」という現象がみられるが、人間の思考にも刷り込みがあるとすれば、たぶん10代までだろう。学生時代からあとは、本質的な変化はないような気がする。私は著者の『唯物史観の原像』を高校3年のとき読み、大学1年のとき彼の科学哲学のゼミにもぐりこんで、圧倒的な影響を受けた。今でも、私の思考の「第1レイヤー」は廣松によって作られたと思う。 本書は彼の初期の作品で、名大で全共闘と一緒に闘って辞職し、プータローだったころの本だ。このころ彼は、生活のために大量の原稿を書き、年に5冊ぐらいのペースで本を出していた。彼の読書と執筆のスピードは驚異的で、死去したときは400字詰めで1万枚の未発表原稿が残されていたという。 彼の代表作も、この浪人時代に集中している。『原像』も『マルクス主義の地平』も『マルクス主義の成立過程』も、このころだ。本書もその時期の著書だが、彼の「本流」の作品とは違う

                                                                        • マルクスとブローデル - 池田信夫

                                                                          資本主義の本質を鞘取りに求めるブローデルの思想は、明らかにマルクスの剰余価値の概念を継承するものです。『資本論』の分析対象が資本主義ではなく市民社会だという話は、私の学生時代に盛り上がったのですが、そこでは逆に不等価交換としての資本主義(資本家的生産様式)が軽視されがちでした。 『資本論』の主要なテーマは、市民社会そのものではなく、ほんらい自由・平等な市民社会からなぜ不平等な資本主義(資本家的生産様式)が立ち上がってくるのか、という問題です。こう書くとネガティブに見えますが、これはすべての利潤が消滅する市場の中でいかにして付加価値を生み出すか、というイノベーションの問題でもあります。 マルクスはこれを「貨幣の資本への転化」として説明しました。そのコアにある論理は、労働力の商品化です。資本家は労働力の価値に等しい賃金を労働者に払って、その労働の生産物を売る。したがって労働によって創造される価

                                                                            マルクスとブローデル - 池田信夫
                                                                          • マルクス『資本論』は何を間違えた?~商品の価値を決めるのは労働…|みがく経営|日経BizGate

                                                                            記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 この2018年は、共産主義の父といわれる哲学者・経済学者、カール・マルクスの生誕200年にあたります。出生地であるドイツのトリーアで記念式典が開かれ、青年時代を描いた映画が各国で公開されるなど、話題を集めています。 先月創刊した、古典・名著をマンガ化する新シリーズ「講談社まんが学術文庫」の初回刊行分にも、マルクスの主著『資本論』が入りました。近代資本主義が興隆する19世紀英国を舞台に物語が展開し、『資本論』のエッセンスを解説します。若い登場人物たちのドラマは楽しめます。 けれども、原作である『資本論』が不朽の古典として扱われることには抵抗を感じます。今からみれば、経済について完全に誤った考えに基づいているからです。 たとえば「等価交換」という考えです。マンガ版ではパン屋と八百屋

                                                                              マルクス『資本論』は何を間違えた?~商品の価値を決めるのは労働…|みがく経営|日経BizGate
                                                                            • 「日本人は『許すこと』を学んだほうがいい」哲学者マルクス・ガブリエルの考える日本人の問題点 同調圧力に関して、日本とドイツには類似点がある

                                                                              「物言わぬ日本人」は幻想 日本のメディア、大学、友人たち、編集者の方々――非常に多くの皆さんとたえず交流が持てていることは私にとって嬉しく、光栄に思いますし、幸せを感じています――すばらしいことです。心から楽しんでいます。私は日本が大好きです。多方面で魅力を備えた国なのですから。これは周知の事実ですね。 特筆すべきは、そんな交流の中で、日本とやりとりを重ねるにつれ確信するようになった仮説です。交流の中で必ず経験することがあります――特にビジネス交渉において。その交渉の進め方に非常に感心するのです。日本人はある段階で自分の利害を明確に伝えてくるのです。 ご存じの通り、西洋には物言わぬ日本という幻想が時としてあります。日本は社会的に非常に声が大きいですよ。物言わぬ日本などというものはありません。自分の利害をしっかり主張します。非常に強いビジネスカルチャーです。さまざまなことがこのメンタリティに

                                                                                「日本人は『許すこと』を学んだほうがいい」哲学者マルクス・ガブリエルの考える日本人の問題点 同調圧力に関して、日本とドイツには類似点がある
                                                                              • 『理論劇画 マルクス資本論』を出します

                                                                                『理論劇画 マルクス資本論』を出します 以前紹介したことのある門井文雄氏が漫画を手がけた『劇画カルチュア 資本論』が「復刊」します(後述しますが、厳密にいいますと「復刊」ではありません)。今度はかもがわ出版からです。 http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/gekiga-shihonron.html 4月中旬に刊行の予定です。 掲題のように書くとぼくが「著者」のように見えますが、著者は門井さんです。 ただ、この本を出すにあたって、僭越にも「構成・解説」をつとめさせていただき、まさに「本を出す側」にいたので自分の著書が出るような感慨があります。 エコノミストの森永卓郎さんが本書の「推薦文」を書いてくれました。 すでにこの「復刊」については同出版社の松竹伸幸さんがブログで書いていますので、そのエントリーを紹介しておきます。漫画や紹介チラシも読むことができます。 http

                                                                                • グルーチョ・マルクスがウディ・アレンにあてたユーモアたっぷりの手紙

                                                                                  グルーチョ・マルクスがいなければ、ウディ・アレンは存在していなかっただろう。マルクス兄弟の1人、グルーチョはニューヨークにおいてユダヤ人のユーモアを確立させた人物であり、第2次世界大戦後にはアメリカのコメディーを特徴づけた人物の1人だ。そしてその遺産は60年代に入るとウディ・アレンに受け継がれた。アレンは作品の中でマルクス兄弟の影響を時に明確に、そして時にそれとなく表現しており、自身のヒット映画『アニー・ホール』では冒頭のモノローグでグルーチョの名前を出している。 2人は1961年から友人関係にあったが、グルーチョがウディの出した手紙を返信し忘れたことから、不仲になった時期があったようだ。そして1967年にウディがグルーチョに対し、コミュニケーション不足によって傷ついたと書いた手紙を送ると、グルーチョは以下のようなユーモアに溢れた謝罪の手紙を送っている。 「1967年3月22日 ウデ