(左)コイル部分、(右)外観。写真は最高出力50kWのモデル。インバーターとギアボックスを組み合わせてユニットを構成する。2021年5月開催の「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」で披露した。(出所:ヤマハ発動機) 「ようやく空港に到着か」 「どんなEVが拝めるか楽しみですね」 17年初頭、ヤマハ発動機の原隆はチームの技術者数人と共に米国を訪れていた。原は同社技術・研究本部AM開発統括部AM第2技術部の部長(現在)。駆動用モーターの開発責任者を務める人物である。今回の訪米の目的は、とある米EVメーカーの視察。直属の上司からの指令を受けてのものだった。 当時、日本メーカーのEVといえば日産自動車の初代「リーフ」(ZE0型)や三菱自動車の「i-MiEV」くらい。とはいえ、電動化の機運は確かに盛り上がっている。ヤマハ発動機としても何か行動を起こさなくては時代に取り残されかねない。先進的