政府は21日、現行の健康保険証について、2024年12月2日から新規発行を停止し、廃止する方針を固めた。マイナンバーカードを使った「マイナ保険証」に一本化する。関係者が明らかにした。廃止後も最長1年間は発行済みの健康保険証を使える猶予期間がある。マイナ保険証を利用していない人全員に「資格確認書」を発行し、医療機関を受診できるようにする。 今年6月に成立した改正マイナンバー法など関係法令では、健康保険証を24年12月8日までに廃止すると規定。岸田文雄首相は今月12日、健康保険証の発行を来年秋に終了すると表明していた。政府は、廃止日をできる限り遅く設定することで自治体などの準備期間を確保する必要があると判断した。 マイナンバーを巡っては情報のひも付け誤りなどトラブルが相次ぎ、国民不信が高まった。マイナ保険証の利用率は4%台と低迷し、利用が広がらない中での廃止は混乱を招く懸念もある。