「マルチ2世」としての苦悩と母親への愛情を語る佐々木晴哉さん=京都市上京区で2024年3月7日、山崎一輝撮影 「安倍(晋三)元首相銃撃事件をきっかけとして『宗教2世』の存在を知り、自身が『マルチ2世』であると自覚した」。同志社大を今春巣立った佐々木晴哉さん(22)は、卒業論文にそうつづった。タイトルは「マルチ商法2世の生活史」。 「マルチ2世」とは、マルチ商法にのめり込む親に育てられた子供のことを意味する。当事者たちが生み出した造語だ。 連載「マルチ2世」がスタート。マルチ商法に翻弄された家庭の実態に迫ります。 <同時公開> 「理想のおかんはもういない」 マルチ商法ハマった母との凄絶経験 <次回> 母の死「悲しめない」 バイト代、奨学金の返済金も製品購入に消え 佐々木さんの母親は、キッチン用品や洗剤などを扱う大手マルチ企業の会員だ。製品を妄信し、子供たちにサプリメントを飲ませてきた。 新た