「生活保護世帯から東大で博士号をとるまで」。そう題された一連のnote記事が話題だ。そのタイトル通り、生活保護受給家庭で育った著者のR.Shimada氏が東大を志し、数学者になるまでに感じた社会の手触りを克明に記した渾身の自伝になっている。 【画像】R.Shimada氏の人生を変えた一冊 前途有望なアカデミアが自身の専門領域に閉じこもることなく、社会のあり方について発言したことの意図とはなにか。R.Shimada氏に聞いた。 社会への怒りを表明したワケ無駄のない人だと思った。R.Shimada氏は余分な前置きを排して質問にまっすぐ返してくる。「noteによる発信でもっとも実現したかったことは?」と問いかけたときのことだった。 「貧困という境遇のためにチャレンジする機会さえ奪われている次世代を励ますこと、今なお放置されている格差という問題を指摘すること、が主な目的でした。 ただ、執筆していく