参加者 明治大学 政治経済学部 教授 飯田 泰之氏 PwCコンサルティング合同会社 チーフエコノミスト 片岡 剛士 PwCコンサルティング合同会社 シニアエコノミスト 伊藤 篤 世界が期待する日本の再起 伊藤: 飯田先生はマクロ経済学の実証分析が専門で、経済政策の効果予測や事後評価に統計モデルを駆使して携わってこられました。近年は経済のマクロ的状況が地方・地域に与える影響から、地域経済のプレーヤーである中堅・中小企業の実態や人材育成の実情にまで研究の幅を広げています。 日本経済は、賃金や株価の面で30年ぶりとなる改善の動きがみられる一方、賃金から消費への好循環には至っておらず、デフレ脱却は依然として課題となっています。本日はこの点を踏まえて議論を深めたいと思います。まず、激動する国際環境のなかで日本経済が置かれた新たな立ち位置について、現状認識を共有しておきたいと思います。まず飯田先生から