心理カウンセリングの際に性行為をされて精神的苦痛を受けたなどとして、三十代の女性が、元臨床心理士で虐待や犯罪心理などの著書が多数ある長谷川博一さん(63)に四百万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、岐阜地裁は十四日、「信頼関係に乗じて性的接触を避ける義務に違反した」と認め、長谷川さんに三百万円の支払いを命じた。 伊藤隆裕裁判官は、二〇一六年十月〜一八年三月、長谷川さんがカウンセリングで女性宅を訪れ、六回にわたって性的接触をしたという女性の証言は信用できると判断。「あたかも性的接触を持つことが心理療法の一環であると述べ、信頼を得ていた」とし「精神症状が改善するどころか悪化させた」と損害を認めた。 長谷川さんが女性との関係についての見解をツイッターに投稿したことも、プライバシーの侵害と名誉毀損(きそん)にあたるとした。長谷川さんは性的接触を否定していたが、判決は「極めて不合理な弁解」と退けた。