並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

321 - 360 件 / 500件

新着順 人気順

政治哲学の検索結果321 - 360 件 / 500件

  • 読書メモ:『醜い自由 -ミル「自由論」を読む』 - 道徳的動物日記

    醜い自由 (新基礎法学叢書21) 作者:若松 良樹 成文堂 Amazon タイトルの通り、『自由論』でミルが主張していることについて緻密に分析していく、といった感じの内容。序文では著者は思想史家ではなく、この本にも文献学的な厳密さもないことが断れているが、実際のところはなかなか専門的で細かい(それゆえに地味)な内容だ。 『自由論』は魅力的な著作ではあるが、そこでミルがしている主張は一冊のなかにもちらほらと矛盾があったり、根拠がはっきりしていなかったり、論理が飛躍していることも多い。そこをきっちり整えて、ミルが『自由論』でほんとうに言いたかったのはどんな主張であるか、というのを探っていくのが狙い。 全5章だが、その内容は二つの部に分けることができる。 第一部(1章〜3章)で扱われるのは、「なぜパターナリズムは否定されるべきであり、自己決定が重視されるべきか?」というもの。これに対して、「個人

      読書メモ:『醜い自由 -ミル「自由論」を読む』 - 道徳的動物日記
    • 「はるかかなた」さんのツイートが長すぎて読めなかったのでブログ上に整理しておきます - 頭の上にミカンをのせる

      「リベラルがなぜ嫌われるのか?」というテーマが盛り上がっているようですが、政治哲学の分野では50年ほど前に盛り上がったことがある話題なので、簡単にご案内します。リベラルの中の人の属人的な資質の問題ではなくて、あくまでリベラルが抱える理論的な問題だからです。(1/n)— はるかかなた (@isawmydevil) 2022年11月18日 「リベラルが嫌われる理由として、リベラルの中の人の問題もさることながらリベラルが抱える理論的な問題がある」というお話です。 ここから先、取り消し線で消されてるところだけが私の感想です。 ここからスタート 「リベラルがなぜ嫌われるのか?」というテーマが盛り上がっているようですが、政治哲学の分野では50年ほど前に盛り上がったことがある話題なので、簡単にご案内します。リベラルの中の人の属人的な資質の問題ではなくて、あくまでリベラルが抱える理論的な問題だからです。今

        「はるかかなた」さんのツイートが長すぎて読めなかったのでブログ上に整理しておきます - 頭の上にミカンをのせる
      • ジョン・ダニエルソン「暗号通貨の終わりの始まり」(2022年11月29日)

        暗号通貨はほんの10年で無名の存在から1兆ドル規模の価値にまで驚異の成長を遂げた。しかしながら本稿では、そうした成功に火を付けた要因が停滞することで暗号通貨は今や終わりの始まりを迎えていると論じる。世間では暗号通貨が気にされることはあまりないが、暗号通貨は強く必要とされていた改革を金融システムに迫ったという重要な功績を残すだろう。 暗号通貨はほんの10年で無名の存在から1兆ドル規模の価値にまで驚異の成長を遂げた。暗号通貨は世界の指導者から賛否両論を浴び、一部の国では法定通貨となった。 暗号通貨の短い生涯は2つの段階に分けられる。無名の存在からの急速な価格上昇期と、その後の国際的な認知、論争、激しく変動しつつも右肩上がりとはならなくなった価格を特徴とする長い期間だ。こうした特徴は、今や暗号通貨が最終段階、終末期を始めつつあることを示している。暗号通貨が重要な功績を残すだろう。たとえ暗号通貨の

          ジョン・ダニエルソン「暗号通貨の終わりの始まり」(2022年11月29日)
        • なぜ民主主義か、 どこまで民主主義的であるべきか - 長谷部恭男|論座アーカイブ

          なぜ民主主義なのか、それが問われることは滅多にない。民主主義が正しいのは当然だからだろうか。しかし、なぜ民主主義が正しいのかにも根拠はあるはずで、その根拠に応じて、どこまで民主主義を信頼してよいかも決まってくる。ここではまず、民主主義の標準的な決定方式である多数決にどのような根拠があるかを考えてみよう。 1.多数決で結論を決める理由 人々の集団では、統一した決定をしなければならないことがある。昼食で何を食べるかであれば、それぞれが好きなものを選べばよいであろうが、集団のリーダーを決めるとき、ある人がリーダーになることに賛成した人にとってだけその人がリーダーになるというわけにはいかない。外国と戦争をするかどうかを決めるときも、戦争をしたい人だけが戦争をすることにはできない。国としての統一した決定が必要である。 集団として統一した決定が必要となるとき、しばしば多数決で結論が決められる。議会でも

            なぜ民主主義か、 どこまで民主主義的であるべきか - 長谷部恭男|論座アーカイブ
          • 「チャラい政治哲学者」萱野稔人が考える硬派な国家論 哲学者が考えていること(3) - 日本経済新聞

            津田塾大学の女子学生の間でひそかに回し読みされているファッション誌がある。「AneCan」(小学館)の2013年7月号。特集のタイトルは「浴衣男子と浴衣デート」だ。俳優の斎藤工、小泉孝太郎らとともに、パリッとした浴衣姿でカメラ目線を決める短髪の男がグラビアに写っている。萱野稔人(49)。同大で教鞭(きょうべん)を執る哲学者である。「昔から、はやりに乗っかる軽薄な人間なんですよ」。そううそぶ

              「チャラい政治哲学者」萱野稔人が考える硬派な国家論 哲学者が考えていること(3) - 日本経済新聞
            • フェミニズムとは何か?:なぜ女性の権利ばかりが主張されるのか | The HEADLINE

              Cは結果的に、AとBよりも高い生涯賃金を得ることが出来た。育児労働の負担が少ないことで、こうした経済的報酬のちがいが生まれることは、どこまで許容されるのだろうか? 日本は少子高齢化が社会問題となっているため、AとBには国から何かしらの手当てが配られるかもしれない。これに対して、Cは不公正だと怒るのだろうか? 疑問は尽きないが、先ほどの疑問が持つ確からしさは大きく揺らいできた。 一連の議論は、第二波フェミニズムがおこなってきたように、社会的なジェンダーとしての「女性」が負わされてきた不公正であるものの、同時に男女間の平等な自由に疑問がつくという意味で、第一波フェミニズムが扱ったような根本的な問題ですらある。100年以上が経過しても、ここに答えが出ていないことに驚きを感じる。 後半部分も見ていこう。 Q. 「・・・もちろんセクハラは大きな問題だ。でもそれは、一部の問題ある男性の仕業で、男性だか

                フェミニズムとは何か?:なぜ女性の権利ばかりが主張されるのか | The HEADLINE
              • あとがきたちよみ/『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』 - けいそうビブリオフィル

                あとがき、はしがき、はじめに、おわりに、解説などのページをご紹介します。気軽にページをめくる感覚で、ぜひ本の雰囲気を感じてください。目次などの概要は「書誌情報」からもご覧いただけます。 エイドリアン・ヴァーミュール 著 吉良貴之 訳 『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』 →〈「訳者あとがき エイドリアン・ヴァーミュール:制度的キャパシティへの全体論的視点 」(pdfファイルへのリンク)〉 →〈目次・書誌情報はこちら〉 訳者あとがき エイドリアン・ヴァーミュール:制度的キャパシティへの全体論的視点 吉良貴之 本書はAdrian Vermeule, The Constitution of Risk, Cambridge University Press, 2013 の全訳である。原題を直訳すれば『リスクの憲法』であるが、既に同様のタイトルの書があることから『リスクの立憲主義

                  あとがきたちよみ/『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』 - けいそうビブリオフィル
                • 「公共的正当化」とはなんぞや(読書メモ:『リベラルな徳』) - 道徳的動物日記

                  リベラルな徳―公共哲学としてのリベラリズムへ 作者:スティーヴン マシード 風行社 Amazon ジョン・ロールズの『正義論』のような、リベラリズムに関する議論への基本的な忠誠は、それ自体が広く認識され、需要されうる理性的議論であるという事実においてはじめて把握される。つまり、その主張が理性により支えられ、異議や反論を予期し、理性によってそれらに向き合い、競合する理論を公正に考慮しようと試み、議論に反論しようとする根拠が明確だという事実において。誰もが理由と異議を与えることができ、最善の議論がどこからでも生じ、誰もが公共的に正当化できる見解が目標であるとみなされるとき、その議論は公共的なものである。公平な視点、つまり関係者全員に受け入れられる道理を見分けることのできる視点から、正義の原理を考慮するよう我われに要求するとき、その議論は道徳的なものである。その場合、誰もが勘定に入れられるのであ

                    「公共的正当化」とはなんぞや(読書メモ:『リベラルな徳』) - 道徳的動物日記
                  • “チョ・グク対戦”外の人々の怒り…「自分は主人公になれない映画みたいだった」(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース

                    [チョ・グクその後]再び問題は不平等だ 論文第1著者、インターンなど他の世界の話 上位20%が1%の特別恩恵を批判するとき 80%は「私たちの怒りは車の騒音くらいの扱い」 腹が立つというよりも違和感があった。「高校生が論文の第1著者って?」。すなわちそれが「親の力」だという気がした。同時に、二人とも高卒の“自分の両親”を思い浮かべた。父は牛乳販売代理店で事務管理をし、母は療養保護士として働いている。彼らも40~50年間一生懸命に生きたが、暮らしは変わらずギリギリだ。18歳のパク・ジスが、高校進学時に特性化高校を選択したとき、両親は「ジスはうちにお金がないから大学進学をあきらめたのか」と心を痛めた。別にそういうわけではなかったが、「うちの両親は何も悪くないのに」という思いがよぎった。 _________ 「なぜ『学歴があって良い暮らしをする人たちの怒り』ばかりが注目されるのか」 不公正さに対

                      “チョ・グク対戦”外の人々の怒り…「自分は主人公になれない映画みたいだった」(ハンギョレ新聞) - Yahoo!ニュース
                    • 【共同体主義(コミュニタリアニズム)とは】主な主張をわかりやすく解説|リベラルアーツガイド

                      普遍的、単一的な価値観ではなく、文化的な共同体(国家、地域、家族など)の中で培われる価値観を重視する政治哲学の立場 のことです。 主にアメリカのリベラリズム批判の中で登場した思想ですが、古代のアリストテレス以降の歴史の中でも、さらにヨーロッパでも確認できる思想です。 共同体主義は古臭い伝統的な共同体の慣習を重視するようなものでもありませんし、「地方創生」のようた単なる政策レベルの話でもありません。 日本では「リベラル」「保守」の対立軸が主であり、共同体主義(コミュニタリアニズム)の立場はそれほど知られてはいませんし、影響力も持ちません。 しかし、政治的立場として世界では主流の一つの思想になっているため、私たちがより良い社会を目指していく上でとても大事な思想なのです。 そこでこの記事では、 共同体主義とは何か 共同体主義とリベラリズムの関係 共同体主義について論じる主な論者とその主張 共同体

                        【共同体主義(コミュニタリアニズム)とは】主な主張をわかりやすく解説|リベラルアーツガイド
                      • 10月18日は世界ウェーブストレッチリングの日、統計の日、デドバの日、ZENRING DAY・ミニスカートの日、フラフープ記念日、冷凍食品の日、木造住宅の日、ドライバーの日、世界メノポーズデー、まごの日 等の日 - 風に吹かれて旅するブログ (話題・記念日&ハッピートーク)

                        おこしやす♪~ 10月18日は何の日? その時そして今日何してた? 2022年令和4年 10月18日は世界ウェーブストレッチリングの日、統計の日、デドバの日、ZENRING DAY・ミニスカートの日、フラフープ記念日、冷凍食品の日、木造住宅の日、ドライバーの日、世界メノポーズデー、まごの日 等の日です。 ●世界ウェーブストレッチリングの日 NPO法人日本ウェーブストレッチ協会が制定。身体を「ほぐす」「伸ばす」「鍛える」が同時に行えるウェーブストレッチが体感できる「ウェーブストレッチリング」(ZENRING)が同法人の理事長である牧直弘氏が開発したことを知ってもらうとともに、活用することで世界中のより多くの人に健康になってもらうのが目的。日付は2005年10月18日に木製(けやき)の「ウェーブストレッチリング」が日本で発売されたことから。 ●統計の日 国民に統計の重要性を理解してもらおうと1

                          10月18日は世界ウェーブストレッチリングの日、統計の日、デドバの日、ZENRING DAY・ミニスカートの日、フラフープ記念日、冷凍食品の日、木造住宅の日、ドライバーの日、世界メノポーズデー、まごの日 等の日 - 風に吹かれて旅するブログ (話題・記念日&ハッピートーク)
                        • 社会倫理学講義| 有斐閣

                          ロボット・AIとの共存,動物との権利闘争は,人間がいかなる存在なのかを私たち自身にあらためて突きつけている。哲学,そして倫理学はそうした多種多様な問いに応えるべく文明の歩みとともに長く議論を紡いできた。第一人者による,講義形式の,体系的な入門書。 ※電子書籍配信中!*電子書籍版を見る* ※著者のウェブサイトにて,「第9回 政治哲学」より「現代戦争論」の抜粋と,戦争倫理学への補注が公開されています。 本文イラスト:Eika 第1回 倫理学とは何か? ──どのようなことが論じられるのか? 第2回 規範倫理学Ⅰ 功利主義 第3回 規範倫理学Ⅱ 権利論 第4回 規範倫理学Ⅲ 徳倫理学 第5回 メタ倫理学Ⅰ 表出主義 第6回 メタ倫理学Ⅱ 実在論 第7回 メタ倫理学Ⅲ 錯誤説と逆転説 第8回 現代倫理学のコンテクスト 第9回 政治哲学 第10回 応用倫理学Ⅰ 生命医療倫理学 第11回 応用倫理学Ⅱ 

                          • 政教問題への「とほほ」なアプローチのすすめ〜島薗進論考「統一教会と現代日本の政教関係」を読む〜|ダッヂ丼平

                            本稿の目的は、日本を代表する宗教学者である島薗進氏が「統一教会と現代日本の政教関係——公共空間を脅かす政教のもたれ合いと宗教右派」という論文で展開した議論について、氏の個人史的な文脈を考慮にいれて検証することにある。 2024年1月に出版された『自壊する「日本」の構造』という本に収められたこの51頁の論文は、過去1年半にわたって島薗氏がおこなってきた言論活動のエッセンスが詰まったものとなっている。そこで、この論考の検討をはじめる前に、まず島薗氏の近年の活動について簡単に触れ、その中でこの論考がどのような位置を占めているのか整理しよう。 東京大学名誉教授である島薗氏は、新宗教やスピリチュアリティに関わる様々な研究を手がけ、宗教学の概説書や入門書を数多く世に送りだしてきた、日本の宗教学を牽引する存在である。2022年7月8日に発生した安倍元首相暗殺事件の直後から、島薗氏はとても活発に言論活動を

                              政教問題への「とほほ」なアプローチのすすめ〜島薗進論考「統一教会と現代日本の政教関係」を読む〜|ダッヂ丼平
                            • 企業のAIツール活用「9カ月で6倍の超急増」、一方で「遮断」も577%増の深刻懸念

                              企業のAI利用が急増し、2023年4月から2024年1月の9カ月でAI&ML(機械学習)ツールへのトラフィックは約6倍となる月間31億回に増加したことがわかった。ChatGPTなどの定番のほか、動画・画像編集やマーケティング用コンテンツ生成AIなども人気となっているという。一方、セキュリティ懸念からこれらのAIツールをブロック(遮断)する件数も同9カ月で577%に増えており、企業は活用とリスクのバランスを見極めることに注力している。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローン

                                企業のAIツール活用「9カ月で6倍の超急増」、一方で「遮断」も577%増の深刻懸念
                              • ルール?本

                                発売日 2024年4月26日 本体価格 2,400円+税 判型 四六判変形・並製 頁数 312頁(仮) ISBN 978-4-8459-2144-7 その他のネット書店から購入 ルールはあなたを縛るものではなく、この社会で自由に生きるためのもの? 世界の見え方が変わっていく、「ルール×デザイン」入門 法律や規則、マナー、習慣、自然法則……わたしたちはさまざまなルールに囲まれて生きています。 本書では、日常のさまざまな場面で遭遇するルールの存在や影響を取り上げながら、ルールを「つくる」「使う」「見直す」「更新する」ことでわたしたちの社会をアップデートしていくことを目指します。この4つのサイクルに着目し、ルールはデザインによってどのようにかたちづくることができるのか、多角的な視点から探ります。 身の回りにあるルールを意識し、自分のこととして関わり、柔軟にとらえ直すことで、ルールとポジティブに向

                                  ルール?本
                                • ミシェル・フーコー『社会は防衛しなければならない』筑摩書房 2007年刊  解説 石田英敬

                                  社会は防衛しなければならない 解説 石田英敬 コレージュ・ド・フランス 1976 パリの冬の朝はいつまでも暗い。家を出て授業へと急ぐとき街灯にはまだオレンジの灯がともり街角のあちこちには零下の気温の中でスチームの湯気がたちのぼり店を開いたばかりのパン屋の店先が照らしだされ、地下鉄の入り口のキオスクにもランプが灯っている。地下鉄が職場へといそぐ人びとを吐きだし、生暖かい濁った空気がまといつくようなオデオン駅の地下道を早足で抜けて、エコール街をソルボンヌの方へ、コレージュ・ド・フランスめざして向かう。吐く息は白く、ピンとした空気が顔を打つ。パリの冬がいまよりはずっと寒かった頃だ。そのような朝のうす暗がりを通ってコレージュの門をくぐり、右手の8番教室の方へ急ぐとそこはたいていもう人だかりがしていて、運良く入り口から部屋に入ることができても座れる席はもうない。窓際の窓枠壁にまで人びとが腰掛けている

                                  • プリンシプル・オブ・チャリティー - Wikipedia

                                    プリンシプル・オブ・チャリティー (英: principle of charity) は、英語圏の現代哲学の用語。様々な意味で使われるが[1]、最も日常的な意味は[2]、「相手の議論を組み立てなおす場合には、できるだけ筋の通ったかたちに組み立てなおすべきだ[3][注釈 1]」というクリティカル・シンキングの基本的な原理。この原理を放棄すると「わら人形論法」に陥る[3][6]。 日本語では「思いやりの原理[1][3][4]」「寛容の原理[3]」「寛容の原則[7]」「寛大の原理[8]」「好意の原理[9]」「好意の原則[10]」「慈愛の原理[3]」「慈悲の原理[11]」「善意の原理[12]」「善意解釈の原理[6]」などと訳される。「解釈上の思いやりの原理[13]」「解釈における思いやり」(interpretative charity[14]) 「チャリタブル・リーディング」(charitable

                                    • 公共性を持つヨーロッパの労働組合 日本の労働組合とどこが違うのか@『情報労連リポート』4月号 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                                      『情報労連リポート』4月号が「歴史と運動から学ぶ 労働組合はなぜ必要なのか」という特集を組んでいて、そこにわたくしも「公共性を持つヨーロッパの労働組合 日本の労働組合とどこが違うのか」という小文を寄稿しています。 http://ictj-report.joho.or.jp/2404/ http://ictj-report.joho.or.jp/2404/sp02.html 労働組合の存在意義とは何か。それぞれの社会において異なる。欧米の労働組合と日本の労働組合の位置付けはどう異なるのだろうか。ヨーロッパにとっての労働組合の性格を主に解説してもらいながら、日本と比較してもらった。 アングロサクソンの労働組合 労働組合とは社会にとっていかなる存在なのかというのは、国によって異なります。大きく分けて、英米のようなアングロサクソン諸国、独仏のような大陸ヨーロッパ諸国、そして日本では、労働組合の位置

                                        公共性を持つヨーロッパの労働組合 日本の労働組合とどこが違うのか@『情報労連リポート』4月号 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                                      • バーティツ - Wikipedia

                                        バーティツ (Bartitsu) は、1898年から1902年に、当初はイギリスで開発された、ボクシング、柔術、棒術格闘、そしてフランス式キックボクシング(サバット)の要素を組み合わせた、格闘術と護身術の要素を合わせ持つマーシャルアーツである。 1903年、推理小説シャーロック・ホームズシリーズの著者アーサー・コナン・ドイルによって(「バリツ」として)名が残るようになった[1]。20世紀になってからはあまり盛んに実践されていたわけではなかったが、2002年以降バーティツは復活を遂げている。 歴史[編集] 1884年頃より神戸市湊町で剣術柔術を指南していた寺島貫一郎 1898年、過去3年間を日本で過ごした英国人エンジニアのエドワード・ウィリアム・バートン=ライトは、イギリスに帰国すると「ニュー・アート・オブ・セルフディフェンス(自己防衛の新たな技芸)」の設立を発表した[2]。彼が主張するには

                                          バーティツ - Wikipedia
                                        • ARメタバースにも注目すべきワケ、ポケモンGoのナイアンティック「独自SNS」の可能性

                                          現在、話題になることが増えている「メタバース」だが、そのほとんどはメタが推進するVR(仮想現実)ベースのメタバースを前提としている。一方、AR(拡張現実)ベースのメタバース構築を目指す動きも活発化しており、こちらも無視できない。ARメタバース構築を主導する一角は、ポケモンGoの開発企業として知られるナイアンティック。現在ソーシャルメディアが一部企業による寡占状況にあるのは明白だが、今後はゲーム起点/メタバースと関連する新しいSNSが登場し、状況が大きく変わるかもしれない。8月4日から、世界各地で行われる「ポケモンGO Fest」の札幌での開催が始まり、現実世界で多くの人を集めているナイアンティックの動きからARメタバースの動向を探ってみたい。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学

                                            ARメタバースにも注目すべきワケ、ポケモンGoのナイアンティック「独自SNS」の可能性
                                          • 倫理学の入門書 | 江口某の不如意研究室

                                            前にも書いたんですが、学生様に倫理学の入門書ガイドを出す必要があって作ってみました。あんまりよい本がない…… ジェームズ・レイチェルズ『現実を見つめる道徳哲学』。お勧め。これ一冊で倫理学入門卒業も可。 しかし読みきるのはけっこう骨なので、同時に数冊読む必要があるかもしれない。柘植尚則『プレップ倫理学』。超初歩。レイチェルズ読む前に。児玉聡『功利主義入門』。倫理学がなんであるのかというのはこういうのの方がわかりやすいかもしれない。品川哲彦『倫理学入門』。よい入門だが、ちょっとクセがある。ジュリアン・バジーニ『ビッグクエスチョンズ・倫理』。まあ入門。『倫理学の道具箱』。事典みたいに読む。サンデル『これからの正義の話をしよう』。定番。エドモンズ『太った男を殺しますか?』。トロッコ問題に興味ある人に。ジョナサン・ハイト『しあわせ仮説』、『社会はなぜ左と右にわかれるのか』。倫理学というよりは道徳心理

                                            • 機械翻訳と未来社会 | 総合書籍出版 社会評論社

                                              機械翻訳がひらく可能性とそこに潜む問題点をめぐって、文学、言語学、哲学の若手研究者が論究したワークショップの成果。 ・執筆者 瀧田 寧(日本大学商学部准教授、西洋哲学) 西島 佑(上智大学総合グローバル学部特別研究員PD、政治哲学) 羽成拓史(明治学院大学講師、社会言語学) 瀬上和典(東京工業大学講師、アメリカ文学) ・協力者 木村護郎クリストフ(上智大学外国学部ドイツ語学科教授) 隅田英一郎(国立研究開発法人情報通信研究機構フェロー) 生田少子(明治学院大学文学部英文学科教授) 鈴木章能(長崎大学大学院多文化社会学研究科・教育学部教授) 塚原信行(京都大学国際高等教育院附属国際学術言語教育センター准教授) 【目次】 ・巻頭言 機械翻訳はバベルの塔を再建するか ・序 章 機械翻訳をめぐる議論の歴史 ・第1章 機械翻訳とポライトネス 機械翻訳に反映させるべきポライトネスとその手法に関する一考

                                              • 首藤剛志のふらふらファイル箱

                                                移行先へのアドバイスをありがとうございました。これからもご愛読いただければ幸いです。 前回のブログから半月も経って、5月3日の北條五代祭りの話をするのはどうかと思うが、来年の5月3日は、今年よりもよりスケールアップしそうな勢いなので、来年の五月をめどにじっくり書くことにします。 順番から言うと、小田原城と北条五代の説明をしなければならないのだが、これは、あらためて書きだすとえらく面白く、調べれば調べるほど興味深い。なにしろ、歴史マニア垂涎の戦国時代の北條五代です。 下手なことを書けば、突っ込まれるでしょうし……。一年がかりでじっくり攻めていこうと思います。などと言いながら、小田原に住んでいる時は、さほど、北條五代も小田原城も気にしていなかったのですが、離れてみれば、あーあ、住んでいる時にもっと調べておけばよかったと悔やんでいるのです。 人間ってあまりに身近にあるものは、案外、気にしないもの

                                                  首藤剛志のふらふらファイル箱
                                                • 読書日記583 - はてなブログ大学文学部

                                                  読んだ本: 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ アリストテレス「悪しき人が幸せな生活を送ることは不可能」 "道徳教育の最も重要な役割の一つは、正しい方向で推論することをわれわれに教えることである" P379 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 倫理学は議論のための議論と揶揄されることがある。 個人的にも、そう思うことはある。 ただ、何故そうと言えるのかハッキリ言える力が自分にはないので読んでみた。 ヒュームの法則によれば、「~である」という命題から「~すべきである」という推論を引き出すことは不可能であった。 (『社会科学の哲学入門より』) nainaiteiyan.hatenablog.com そういう意味では、道徳を客観化する試みは不毛に思えるが、その「理由」について勉

                                                    読書日記583 - はてなブログ大学文学部
                                                  • アマゾンの「偽レビュー」などを駆逐へ、Web3技術「OpenRank」の革新的方法の正体

                                                    商品やサービスを選定する上で、利用者のレビュー(口コミ)の重要性が高まる一方、その信頼性が問題視されている。直近では、Googleマップに投稿された口コミにより利益が侵害されたとして、全国の医師らがグーグルを集団提訴したほか、世界最大のECサイトのアマゾンの商品レビューにはサクラやステマが横行し、それを見抜くための専用サイトすらある状況だ。レビューの真贋を判定することは容易ではないが、レビューを提供するプラットフォーマー側にも一定の責任が求められつつある。こうした中、Web3スタートアップKarma3 Labsが開発した分散型評判プロトコル「OpenRank」は、レビューや口コミの信頼性を担保する画期的な仕組みと話題を集めている。その革新的なアプローチを解説しよう。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英

                                                      アマゾンの「偽レビュー」などを駆逐へ、Web3技術「OpenRank」の革新的方法の正体
                                                    • ローコード/ノーコードで「AIさえも」開発、AkkioやHumanFirstなど新ツールの可能性

                                                      生成AIへの関心が高まり、多くの企業が自社でAIを構築することを検討し始めている。しかし、社内におけるAI人材不足から、AI開発プロジェクトを実行できる企業は少ない。そんな中、ローコード/ノーコードでのAI開発ツールが続々登場しており、専門家でなくてもAIを開発できる環境が整いつつある。ここでは「Akkio」「HumanFirst」はじめ、ローコード/ノーコードAI開発ツールの動向を探ってみたい。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出

                                                        ローコード/ノーコードで「AIさえも」開発、AkkioやHumanFirstなど新ツールの可能性
                                                      • OpenAIのGPT Storeを使ってみた。注目のカスタムGPTやAPIで自分のGPTを作る方法を解説

                                                        バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。 http://livit.media/ GPT Store開設でカスタムGPT収益化へ、人気のカスタムGPTとは OpenA

                                                          OpenAIのGPT Storeを使ってみた。注目のカスタムGPTやAPIで自分のGPTを作る方法を解説
                                                        • サンデル教授に聞く「能力主義」の問題点。自己責任論の国・日本への処方箋は? 【マイケル・サンデル×平野啓一郎特別対談】

                                                          Discussion with Professor Michael J. Sandel and author Keiichiro Hirano about meritocracy and self-responsibility. *English subtitles are provided for Japanese. *The explanation of this program in English is at the bottom. 日本で100万部を突破した著書『これからの「正義」の話をしよう』や、『ハーバード白熱教室』(NHK教育テレビ・現Eテレ)で知られるマイケル・サンデル教授。 最新刊『実力も運のうち 能力主義は正義か?』で、行き過ぎた能力主義、成果主義によって社会の分断が深まっていることに警鐘を鳴らします。 ハフポスト日本版ではマイケル・サンデル教授へのインタビュー番

                                                            サンデル教授に聞く「能力主義」の問題点。自己責任論の国・日本への処方箋は? 【マイケル・サンデル×平野啓一郎特別対談】
                                                          • 10ヶ月で学ぶ現代アート 第8回:政治的でない「現代アート」はないって本当?──現代アートの「政治性」

                                                            10ヶ月で学ぶ現代アート 第8回:政治的でない「現代アート」はないって本当?──現代アートの「政治性」文化研究者であり、『現代美術史──欧米、日本、トランスナショナル』や『ポスト人新世の芸術』などの著書で知られる山本浩貴が、現代アートの「なぜ」を10ヶ月かけてわかりやすく解説する連載。第8回は、現代アートを語るうえで紐づけられやすい「政治性」との関係を紐解く。 文=山本浩貴 「ジャスト・ストップ・オイル」のアクティヴィストがナショナル・ギャラリー(ロンドン)で行った抗議の様子 © Just Stop Oil そもそも「政治的」とは何を意味するのか 今回は、サブ・タイトルに示した通り、現代アートの「政治性」についてお話しします。現代アートの主要シーンで「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」や「アート・アクティヴィズム」と呼ばれる政治・社会的実践が目立つようになった現状を鑑みると、最近では「政

                                                              10ヶ月で学ぶ現代アート 第8回:政治的でない「現代アート」はないって本当?──現代アートの「政治性」
                                                            • 動画生成AIの最新動向、動画製作やハリウッド映画でも利用拡大のワケ

                                                              ChatGPTはテキストを生成するジェネレーティブAI(生成AI)だが、この分野ではほかに音声、画像、動画を生成するAIが存在する。最も難しいとされるのが動画生成だが、最近になって、動画を生成する生成AIツールが続々リリースされている。どのようなAIツールが登場しているのか、実際の生成されたサンプル動画と合わせて最新動向を紹介しよう。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「

                                                                動画生成AIの最新動向、動画製作やハリウッド映画でも利用拡大のワケ
                                                              • Inflection AIとはいかなる企業か?グーグル子会社・リンクトイン創業者が起業のワケ

                                                                グーグル傘下のAI企業「ディープマインド」の共同創業者とビジネスSNS「リンクトイン」の共同創業者らが、新しいAI企業を設立した。同社が目指すのは、人間とコンピューターの会話を可能にするAIの5年以内の実現。この分野は、マイクロソフトなどの大手企業も多大な投資を行っており、数あるAI開発分野の中でも特に注目度が高まっている。新会社の登場を含め、この分野をめぐる最新動向を探ってみたい。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽

                                                                  Inflection AIとはいかなる企業か?グーグル子会社・リンクトイン創業者が起業のワケ
                                                                • 知の歴史に遺産を残してきた女性哲学者たち…なのにどうしてその名の多くをわたしたちは知らないのか | 文春オンライン

                                                                  『哲学の女王たち もうひとつの思想史入門』(レベッカ・バクストン、リサ・ホワイティング 編/向井和美 訳)晶文社 彼女たちは、たしかにそこにいた。フッサールの論文執筆に多大な貢献をしていながらも、その功績を六〇年以上ものあいだほとんど誰も知らずにいたエーディト・シュタイン。難解な言葉をもちいることなく、身体の鍛錬や詩をつうじて哲学の語り部となったララ。女性たちの経験に重きを置いて――それはこれまでどんな重厚な「哲学書」にもできなかったことだ――小説を書き、道徳問題を日常のなかに位置づけたジョージ・エリオット。 彼女たちはたしかにいて、知の歴史に数えきれないほどの遺産を残してきた。それなのにいったいどうして、その名の多くをわたしたちは知らずにいるのだろう。本書の編者、レベッカ・バクストンとリサ・ホワイティングは、大文字の「哲学史」から排除されてきた女性たちの軌跡をたどり、正当に評価されずにい

                                                                    知の歴史に遺産を残してきた女性哲学者たち…なのにどうしてその名の多くをわたしたちは知らないのか | 文春オンライン
                                                                  • コロナで社会不平等明らかに…サンデル氏が見る未来

                                                                    『未来をここからプロジェクト』新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、アメリカ・ハーバード大学教授のマイケル・サンデル教授(68)の本が世界中から注目を集めています。“知の巨人”が語る『コロナ禍のいまをどう生きるのか』。 マイケル・サンデル教授:「エリートは貧困層を見下している。コロナによって、社会の不平等を明らかにした。私たちが築いた勝者と敗者の大きな分断について、考え直す瞬間が来るかもしれない」 ハーバード大学で40年以上政治哲学を教えているサンデル教授。日本では『ハーバード白熱教室』のテレビシリーズで有名になり、 著書は30カ国でベストセラーになるなど、世界的な影響力を持つ“知の巨人”です。10年ぶりに書き下ろされた新著『実力も運のうち』が、先月、発売されました。アメリカやイギリスの有力紙が絶賛するほど、コロナ渦のいま、注目を集めています。 マイケル・サンデル教授:「(Q.コロナが世

                                                                      コロナで社会不平等明らかに…サンデル氏が見る未来
                                                                    • 戦争の起源・NATOの役割 ——ウクライナの将来シナリオ

                                                                      はじめに   マルチェロ・ムスト 2022.7 ウクライナでの戦争が始まって4カ月。国連人権高等弁務官事務所によると、すでに4,500人以上の市民が死亡し、約500万人が家から追い立てられて難民となることを強いられている。この数字には軍人の死者数は含まれていないが、ウクライナ側で少なくとも1万人、ロシア側ではおそらくそれ以上が亡くなっている。さらには、ウクライナ国内でも避難生活を送る人々が数百万人いる。ウクライナ侵攻によって、都市や民生インフラが大規模に破壊されており、その再建には数世代もかかる見込みだ。またそれと同時に、マリウポリ包囲の際にロシア軍が犯した犯罪を筆頭に、重大な戦争犯罪が引き起こされている。 そこで私は、この戦争の開始以来なにが起きているのかを概観したうえで、NATOの役割についての考察を深め、これから起こりうるシナリオを考えていくことを目的として、座談会を開催した。参加者

                                                                        戦争の起源・NATOの役割 ——ウクライナの将来シナリオ
                                                                      • 啓蒙時代における美学の誕生(1) ――井奥陽子『バウムガルテンの美学』をめぐって|KUNILABO

                                                                        2021年4月期に人文学講座「近代美学入門」を担当される井奥陽子さんは、昨年『バウムガルテンの美学』(慶應義塾大学出版、2020年)を上梓されました。本書の出版を記念して、昨年11月、市民講座「みんなで読む哲学入門」にて上野大樹さん( KUNILABO講師 )とのオンライン対談が行われました。本稿では、その中からヨーロッパ啓蒙と美学の誕生にかんするお話の一部を抜粋し、二回に分けてお届けいたします。 経験的心理学と美学の関係上野: 人間の様々な能力については経験的心理学で扱われ、美学は〈感性的認識と感性的叙述の学〉だということでした。この点、一般的に考えると、何かを感覚・判断することと、その知見に基づいて何かを制作する、ということは非常に連関しているようにも思えます。バウムガルテン自身は経験的心理学の能力論にどの程度依拠して美学を論じているのでしょうか。両者を出来るだけ切り離そうとしているの

                                                                          啓蒙時代における美学の誕生(1) ――井奥陽子『バウムガルテンの美学』をめぐって|KUNILABO
                                                                        • ダニ・ロドリック 「アルバート・ハーシュマンを再読して」(2007年11月1日)

                                                                          ●Dani Rodrik, “Re-reading Albert Hirschman”(Dani Rodrik’s weblog, November 01, 2007) アルバート・ハーシュマンを讃える講演(pdf)の準備をしながら、この「知の巨人」の作品としばし向き合う機会を久しぶりに持った。私の研究関心からするといささか皮肉なのだが、ハーシュマンの作品の中でも、経済発展に焦点を合わせた専門的な研究よりも、『Exit, Voice and Loyalty』(邦訳『離脱・発言・忠誠』)や『The Passions and the Interests』(邦訳『情念の政治経済学』)のような、大局的な視野に立って書かれた著作――昔からずっとお気に入りの二冊――の内容の方にずっと詳しい自分がいることに改めて気付かされた。 ハーシュマンの作品を再読して、またもや畏敬の念を抱かずにはいられなかった。政

                                                                            ダニ・ロドリック 「アルバート・ハーシュマンを再読して」(2007年11月1日)
                                                                          • 「政治が家業で唯我独尊」「他人の痛みがわからない」周囲が語る河野太郎氏“変節の半生”の正体 - Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

                                                                            「政治が家業で唯我独尊」「他人の痛みがわからない」周囲が語る河野太郎氏“変節の半生”の正体 社会・政治 投稿日:2023.10.28 06:00FLASH編集部 2023年4月、複数の報道機関の世論調査で「首相にしたい人」1位に選ばれていた、次の総理にもっとも近いといわれるデジタル相の河野太郎氏。かつて外相、防衛相など要職を歴任してきた河野氏は、行政改革担当相なども務め、大きな制度上の変更に際して持ち前の突破力を発揮。2021年の自民党総裁戦でも、下馬評では有力候補と目された。 だが、河野氏はこれまで「変節」を重ねてきた政治家だ。かつて自民党の「無駄撲滅プロジェクトチーム」を率いていた河野氏は、2017年に安倍政権で外相に抜擢されるや、「外相専用機」の導入を表明し、批判を浴びた。 その後、ワクチン接種推進担当相に就き、接種の加速化には成功したものの、ワクチン調達に失敗した事実を発表せず、自

                                                                              「政治が家業で唯我独尊」「他人の痛みがわからない」周囲が語る河野太郎氏“変節の半生”の正体 - Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]
                                                                            • アップルもiPhone製造を本格化、これからはインドが「世界の工場」になるワケ

                                                                              かつて「世界の工場」と呼ばれた中国だが、米中貿易摩擦や地政学リスクが顕在化するなか、その地位は他国との厳しい競争にさらされ、状況が大きく変わりつつある。ベトナムが代替国の筆頭とみられているが、インドの追い上げも無視できない。iPhone 14 Plusの生産抑制が伝えられるアップルだが、インドで最新機種の製造を開始する計画を明らかにしている。インド政府も170兆円以上を投じ、外国製造企業による投資を拡大する目論見だ。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世

                                                                                アップルもiPhone製造を本格化、これからはインドが「世界の工場」になるワケ
                                                                              • A2Aとは何か?「中抜きで」80兆円超え、銀行のオープンバンキング化で急拡大の理由

                                                                                2021年のフィンテック企業への投資は史上最高額を記録した。しかしその後、フィンテック企業への投資は大きく落ち込み、スタートアップの評価額も軒並み下落した。そんな逆風下で急速に拡大しているのが、オープンバンキングの拡大を追い風にした「A2A(Account to Account:アカウント間の直接支払い)」だ。これはいわゆる決済の間に入る決済事業者による「中抜き」をなくす仕組みのことで、2022年は5,250億ドル(およそ80兆円)市場に拡大する見込みという。ここではA2Aの基礎とA2Aをめぐる企業動向をわかりやすく解説する。 バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化

                                                                                  A2Aとは何か?「中抜きで」80兆円超え、銀行のオープンバンキング化で急拡大の理由
                                                                                • 日本学術会議会員の任命問題 - Wikipedia

                                                                                  この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。そのため、中立的でない偏った観点から記事が構成されているおそれがあり、場合によっては記事の修正が必要です。議論はノートを参照してください。(2020年11月) 日本学術会議会員の任命問題(にほんがくじゅつかいぎかいいんのにんめいもんだい)とは、2020年(令和2年)9月、内閣総理大臣の菅義偉が、日本学術会議が推薦した会員候補のうち一部を任命しなかった問題である。現行の任命制度になった2004年(平成16年)以降、日本学術会議が推薦した候補を政府が任命しなかったのは初めてのことである[1]。 沿革[編集] 2016年(平成28年) 会員3人が定年を迎えて補充する際、政府は会議側が事前にまとめた推薦案に同意せず、会議側が正式な推薦を見送って欠員が生じた[2]。 2017年(平成29年) 政府の要請で、会議側が交代数105人を超え