授業の一部が学習指導要領に沿っていないとして「不適切」と指摘された奈良教育大附属小の問題は、日本の教育界に大きな〝驚き〟をあたえた。問題が表面化したのは今年1月だったが、4月には附属小も新学期を迎えて夏休みにはいり、「騒ぎは落ち着いた」とおもわれているかもしれない。しかし、問題は終わるどころか、ますます波紋を広げつつある。 |不当な出向命令に教員が提訴 奈良教育大は今春、附属小教員として大学独自に採用した19人のうち3人を奈良県内の公立小学校に出向させた。「不適切」と指摘された授業を主体的に担ってきたのが、独自採用の教員たちだったからだ。今回は出向対象にならなかった独自採用教員たちも、いずれ出向させられるとみられてもいる。 そして6月12日、出向させられた3人が附属小を所管する奈良国立大学機構を相手取って、労働契約法に反するとして、出向命令の無効の確認を求めて奈良地方裁判所に訴訟を起こした