唯一の被爆国である日本は、『オッペンハイマー』が描く題材の直接的な当事者である。本国アメリカでは7月21日にサマー・シーズンの大作映画の一つとして封切られるが、現時点で日本での公開予定は一切伝えられていない。ノーラン作品はこれまでワーナー・ブラザースが配給したが、本作では米ユニバーサル・ピクチャーズに移籍したため、日本公開となれば東宝東和が担当することになる。 日本にとって、政治や感情の面で極めてセンシティブな内容になると見られるため、特段の慎重さが求められる。このアメリカ映画の公開意向についてこれまで国内でのアナウンスがないのには、8月6日の広島、9日の長崎への原爆投下日や、15日の終戦記念日に重ねないよう考えられている可能性もある。 米Varietyは、『オッペンハイマー』が日本市場で興行成績をあげられるかに対して、やや懐疑的な分析を示した。20万人以上の死者を出した原爆の開発を描く映