「遅いインターネット」がこのウェブマガジンと、そして僕(宇野)の書いた本というかたちになって1ヶ月。想像よりだいぶ大きな反響をもらっていて、戸惑っているところもあります。そこで今回は上妻世海さんと僕たちが世の中に投げかけた「遅さ」について話してみることにしました。彼は、僕の知る限り社会の「速度」からいちばん自由な人間です。 本記事をはじめ、「遅いインターネット」では、現在の速すぎるネット社会の問題とその向き合い方について、様々な観点から特集しています。 「走りながら考える」ことで見えてくるもの 上妻 こうして宇野さんと「遅いインターネット」について濃密に話せる機会ができて、とても嬉しいです。僕は良い本の条件の一つを、読んでいて誰かと対話をしたくなる本、言い換えれば、人と人の〈あいだ〉にある本だと考えていて、『遅いインターネット』を読んだ時に僕が感じていたことは、まさにそれだったからです。