コウテイペンギンは海氷の上で子育てをする。海氷が割れたときにひなが生き残る可能性は低い。(PHOTOGRAPH BY PAUL NICKLEN, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 学術誌「Nature Communications Earth & Environment」に8月24日付けで発表された論文によると、南極半島の西側のベリングスハウゼン海域で確認されているコウテイペンギンの5つのコロニーうち、4つのコロニーで繁殖が完全に失敗した可能性が高いという。 原因は海氷の減少だ。衛星画像は、ひなが十分に成長する前に海氷が崩壊してコロニーが消滅したことを明確に示していた。 南極の周辺だけに生息しているコウテイペンギンは、定着氷(海岸に接して動かない海氷)の上で繁殖し、産卵し、子育てをする。2022年、南極大陸の海氷面積は前年に出たばかりの過去最小記録を更新した。なかでもベリ