「自分の実父はとてもだめな人間だ、と、養父に繰り返し刷り込まれて育った。けれど、つい最近、母親と喋っているときに、本当は優しくていい人だったんだよ、と聞かされて。そのちょっと前くらいかな、60歳を過ぎて撮った、実父の記念写真を、母親からもらって。 父と母は高校の同級生だったので、同級生から写真を譲り受けたらしいんだけど、見てみたら、自分の顔にそっくりで。『ああ、そっか』……みたいな。初めて、血のつながりを認識したんだよね」 幼い頃に取り残して来た、肉親への愛。佐々木は今、それをゼロベースから構築している最中だ。 人間は入れ替え可能なのではないか、と思いたい 「そういえば、ぼくもホリエモンも家入一真も新聞配達育ちだよね。最近のベンチャーの起業家とか、うちに会いにくる学生とかもみんな育ちがいい。まっすぐで、コミュニケーション能力が高い。そういう人が勝つ時代なのかな、とも思う。 天は二物を与える