憲法53条・臨時国会召集裁判の意味 議会制民主主義を支えるもの 志田陽子 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法) 毎年1月には国会の「通常会」が開かれる。しかし今、国会には、4年間果たされず宿題となっている会期がある。2017年に憲法53条に基づいて要求された臨時会である。現在、この《行われなかった臨時会》をめぐる裁判が係争中である。 那覇地裁判決 日本国憲法53条は「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と定めている。 2017年6月、当時の衆議院議員120名、参議院議員70名、計190名の議員が内閣に、この日本国憲法53条の後段に基づいて臨時会の召集を要求した。内閣は約3カ月の間これに応じず、同年9月に臨時会を召集し、その冒頭で衆議院解散を宣言した。要求を行った議員たちが