経済対策の規模を17兆円台前半にする方針を固めた岸田政権。コロナ禍からの正常化が求められるはずが、不景気時にやるような所得減税や給付などを次々と打ち出した。目玉の減税策との「整合性をとる」ため、防衛増税の先送りも早々に決め、財政健全化は険しくなるばかりだ。 今回の経済対策の目玉は所得税と住民税を1人4万円差し引く定額減税だ。この2税が過去2年間で増えた分という理屈で、3兆円台半ばを国民に「還元」するという。 岸田文雄首相は1日の参院予算委員会で、「賃上げが物価高に追いついていないための一時的な措置だ」と強調する。しかし、低所得者に比べると物価高の影響が小さい高所得者も対象となり、「ばらまき」批判はつきまとう。前日の自民党の会議でも「減税なんてするべきじゃない。そんな余裕があるなら防衛財源や少子化財源に回すべきだ」(中堅)との声が出た。 そもそも、コロナ禍の不況で…