政権に危機感がある 2016年に民進党は再び政権を握り、史上初の女性総統・蔡英文が誕生したが、民進党政権は決して安泰ではない。中学中退でトランスジェンダーである唐鳳(オードリー・タン)をIT大臣に起用したり、年金改革や同性婚を断行したりなど、国民党政権では考えられなかった大胆な人事や政策を打ち出したが、そのせいで保守層や既得権益層から反感を買った。 一方、労基法改正などの政策は「労働者の権利を無視した」として、一部のリベラル層からも批判を浴びた。年金改革や同性婚、労基法改正を巡って、やはり抗議デモが何度も行われた。そんな中で、2018年末の地方選では民進党が敗北した。 習近平の独裁体制や香港デモの勃発で、中国に呑み込まれる危機感が国民の間で募り、その結果として2020年総統選挙では親中派でない民進党が勝利し、蔡英文が再選を果たした。 しかし2018年の敗北を経験した民進党は、自らの政権は決