6月29 安田峰俊『八九六四 完全版』(角川新書) 8点 カテゴリ:社会8点 単行本で出た時に「読みたいな」と思いつつ読めずにいた本ですが、今回、香港デモついての新章を加えて新書化されたの機に読んでみました。単行本がすでに、第50回大宅壮一ノンフィクション賞と第5回城山三郎賞を受賞しているだけあって面白さは折り紙付きなわけですが、やはり面白い本だと思います。 中心となるのは天安門事件の関係者へのインタビューですが、事件について聞くだけではなく、現在(取材は2015年前後に行われている)の状況と照らし合わせるような形で質問を重ねており、事件から四半世紀の関係者と中国の変化を浮き彫りにしています。 さらに、天安門事件に参加しながら中国の現状を肯定する人、現在でも、中国に民主化が必要だと考える市井の人、香港のデモに参加する人の声なども聞くことで、「天安門事件とは結局なんだったのか?」「今後、中国