<著者は語る>国民と対話ない政府 『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』 ジャーナリスト・堤未果さん 「ショック・ドクトリン」とはテロや戦争、自然災害などで私たちがぼうぜんとしている時に、平時なら批判が強い施策をこっそり導入する手法だ。「火事場泥棒」とでも言えばいいだろうか。カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインさんが命名した、そんなドクトリンの後遺症に日本は悩まされている。コロナ禍のどさくさに紛れて進められたマイナンバーカードだ。 他人の住民票が出てきたり、他人の医療や年金の情報が閲覧できたり-とトラブルが相次ぐマイナカード。それをジャーナリストの堤未果さんは本書で海外事例を参照に予測していた。「カード取得者にはポイントを付与、健康保険証を廃止してマイナカードに一体化-とまるで『アメとムチ』。普及ありきで進められている」 日本がモデルとするデジタル先進国の