前回のコラム「今のままでは大幅な円高ドル安になりかねない」では、 5月からFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の利下げへの転換など、各国中央銀行の緩和スタンスが強まっていることを強調した。 米欧中銀のハト派姿勢は市場予想を上回る その後、市場の想定を上回るペースで米欧中銀のハト派姿勢が強まっている。6月18日に、ECB(欧州中央銀行)のマリオ・ドラギ総裁は、今後の景気下振れリスクに応じて利下げを行う可能性だけではなく、量的金融緩和政策再開の可能性に言及した。6月理事会でフォワードガイダンス強化のみが決定された直後だっただけに、早々に利下げ再開に踏み出したのは意外だった。 ドラギ総裁の発言の2日後に結果が公表されたアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)において、FRBも市場の想定を上回る緩和強化姿勢を示した。政策金利は想定どおり据え置かれたが、FOMCメンバーの政策金利見通しにおいて、半数