昨年から量子コンピュータ業界は大きな転換期に入りました。これまで人類には難しすぎるという量子コンピュータはみんなで四苦八苦しながら開発をしてきたと思います。具体的な沿革としては、 1、2012年に簡易型量子コンピュータみたいな量子アニーリングマシンが出る。 2、量子アニーリングマシンは2016年をピークに2018年ごろに廃れる。(デスクトップパソコンと大差ないことがわかる) 3...
東京理科大学の河原尊之教授らの研究チームは、回路線幅22ナノメートル(ナノは10億分の1)の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)を使い、現在の量子コンピューターを超える計算能力を持つ大規模集積回路(LSI)システムを開発した。創薬や材料開発などに生かせる「組み合わせ最適化問題」を低消費電力かつ高速に解く。複数のチップを並列動作させることで機能を拡張し、大型の設備が必要なクラウドサービスを使わずに大規模な計算を可能にする。 河原教授らが開発したのは、複数のLSIチップをつないで機能を拡張できるスケーラブルな全結合型の「イジングLSIシステム」。これまで1チップ内に収まっていた演算機能を、複数の汎用CMOSに分けて接続することで拡張可能なことを実機で実証した。 22ナノCMOSで作製した演算LSIチップ36個と制御用FPGA(演算回路が自由に書き換えられる半導体)1個を搭載。現状のゲート方式の量
理化学研究所は10月5日、3月27日に稼働を始めた国産超伝導量子コンピュータ初号機の愛称を「叡」(えい、英語表記は“A”)に決めたと発表した。理研では4月7日から5月31日にかけて愛称を公募しており、全部で3781件の応募があったという。 叡に決めた理由について理研は「『叡』は聡明さを表し、量子コンピュータの情報処理における卓越性・先進性を表す」と説明。また英語表記については「アルファベット順の最初の文字である“A”とすることで、当該機が理研量子コンピュータ研究センター(RQC)にとっての、また国産量子コンピュータ初号機として日本にとっての、量子コンピュータ実機開発の第一歩であることも表現している」と解説した。 今後、「叡」のイメージに合うようなロゴマークも作成する予定。 理研は3月27日、叡を使った「量子計算クラウドサービス」の提供を開始している。非商用利用であれば、クラウド経由で64量
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 カナダの研究所Perimeter Institute for Theoretical Physicsとエジンバラ大学に所属する研究者らが発表した論文「The Penrose Tiling is a Quantum Error-Correcting Code」は、繰り返さないパターンである「ペンローズ・タイリング」が、量子コンピュータの誤り訂正に応用できることを提案した研究報告である。 量子コンピュータは量子力学の原理を利用することで、従来のコンピュータでは解くことが難しい問題を高速に解くことができる。しかし、量子情報は環境ノイズからの影響に
量子力学の法則を利用することで通常のコンピューターよりも複雑な計算を高速で行えると考えられている量子コンピュータは、MicrosoftやIntelなど、さまざまな企業が研究開発に取り組んでいます。しかし、一部の専門家は、量子コンピューターの実現について「多くの人が思っているよりもさらに未来のことになる可能性がある」と指摘しています。 Quantum Computing’s Hard, Cold Reality Check - IEEE Spectrum https://spectrum.ieee.org/quantum-computing-skeptics 素粒子の世界で見られる「重ね合わせ」や「量子もつれ」などの性質を利用して、従来のコンピュータでは不可能な処理を行うことができると考えられている量子コンピューターは、財務モデリングや物流の最適化、機械学習の高速化など、現実のさまざまな問題
ブラックホールは巨大な恒星が自身の重力に耐えきれず崩壊してできる、光すら脱出できないほど超高密度かつ大質量の天体だとされています。そんなブラックホールについて、物理学者のジア・ドヴァリ氏とザラ・オスマノフ氏は「進歩した技術を持つ宇宙人は、ブラックホールを量子コンピュータのハードウェアとして使っているかもしれない」と示唆しています。 Black holes as tools for quantum computing by advanced extraterrestrial civilizations | International Journal of Astrobiology | Cambridge Core https://www.cambridge.org/core/journals/international-journal-of-astrobiology/article/blac
東京大学と日本IBMが、127量子ビットのプロセッサを搭載した量子コンピュータ「IBM Quantum System One with Eagleプロセッサー」の稼働を始めた。従来のスーパーコンピュータでは不可能だった大規模で複雑な計算が可能になるとしている。 東京大学と日本IBMは11月27日、127量子ビットのプロセッサ「Eagle」を搭載した量子コンピュータ「IBM Quantum System One with Eagleプロセッサー」の稼働を始めたと発表した。従来のスーパーコンピュータでは不可能だった大規模で複雑な計算が可能になるとしている。 2021年にはIBM製27量子ビットの量子コンピュータを日本で初めて設置しており、今回のマシンは量子ビット数が以前に比べ約4.7倍に。23年6月には米IBMとカリフォルニア大学バークレー校が科学誌「Nature」で、100を超える量子ビット
次世代のコンピューター「量子コンピューター」をめぐり実用化に必須とされている誤作動による計算ミスを、光のパルスを特殊な状態にすることで修正する機能を持たせた「量子ビット」の開発に成功したと東京大学などが発表しました。光を使った量子コンピューターの実用化に向けて大きく前進する成果だとしています。 桁違いの計算能力の高さを持ち、次世代のコンピューターとして期待されている量子コンピューターは、周辺環境などからのノイズに弱く誤作動が起きるため、計算の途中でミスを修正していく「誤り訂正」の機能を持たせることが、実用化には必須の課題の一つとされています。 光を使った量子コンピューターの研究を進めている東京大学の古澤明教授などの研究チームは、光のパルスを特殊な状態にすることで、計算を担っている「量子ビット」に「誤り訂正」を行う機能を持たせることに成功したとして、アメリカの科学雑誌に論文を発表しました。
大阪大学量子情報・量子生命研究センターの北川勝浩センター長などからなる研究チームは12月20日、国産第3号機となる量子コンピュータの稼働を始めたと発表した。22日には、同コンピュータの性能をクラウド経由で使えるサービスも始める。 3号機は、理研が3月に公開した初号機に対し、部品をできるだけ国産部品に置き換える「テストベッド」(試験機、実証機)の役割を持つ。チップは初号機と同じく、理研が提供した64量子ビットチップを利用。電源など初号機で海外産の部品を使っていた箇所は、できるだけ国産の部品に置き換えたという。 一方で、制御装置やシステムは改善しており「冷凍機(動作に必要な低温環境を実現する機器)を除く多くの部品を置き換えても十分高い性能を引き出せることを確認した」(研究チーム)としている。 クラウドサービスは、まず阪大などが参加するコンソーシアムによるグループワークの受講者に向け提供。小規模
量子ビットの誤り(エラー)を訂正できる「誤り耐性量子コンピューター(FTQC、Fault-Tolerant Quantum Computer)」の有望株として、「冷却原子方式」の量子コンピューターが一気に浮上している。既存方式との違いなどを解説しよう。 冷却原子量子方式では、レーザー光によって絶対零度付近である約10マイクロケルビンに冷却した原子(冷却原子)を量子ビットとして使用する。任意の量子ビット間で量子ゲート操作を行うための重要技術が2016年に確立したことから、冷却原子量子方式はここ数年で急速に台頭した。 冷却原子方式は「中性原子方式」とも呼ばれる。中性原子方式という呼び方には、原子から電子を1個取り去ったイオンを量子ビットに使用する「イオントラップ方式」と区別する意図がある。本特集では冷却原子方式の呼称を使用する。 日本でも冷却原子方式への注目度が急上昇 日本では、分子科学研究所
わけわからん「量子コンピューター」のすごさがちょっとわかった2023.12.21 17:00Sponsored by FUJITSU 編集部 なんだかすごそうだけど、いったい何なの? テクノロジーのニュースでたまに耳にする「量子コンピューター」。今ある電子で動くコンピューターでは解けない問題が解ける...という話なんですが、一体どういうしくみで、何がすごいんでしょうか? 理化学研究所などと協力し、クラウド経由で利用できる量子コンピューターを日本企業で初めて公開した富士通に話を訊いてきました。 膨大な組み合わせの計算に一発で答えられる金色の冷却器、通称「シャンデリア」の先端におさまっている、量子ビットが並んだチップ。格子の交差点ひとつが1量子ビットを表す。Image: 理化学研究所今あるコンピューター(古典コンピューターとも呼ばれます)は超スピードで計算を行なえる一方、考えることが多い問題を
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 X: @shiropen2 英マンチェスター大学とオーストラリアのメルボルン大学の研究者らが発表した論文「Highly 28Si enriched silicon by localised focused ion beam implantation」は、天然シリコンに含まれる不純物を取り除いた超高純度のシリコンを用い、信頼性の高い量子ビットを製造する方法を提案した研究報告である。 量子コンピュータは、量子ビットと呼ばれる特殊な量子状態を利用して計算を行う。量子ビットは、古典ビットとは異なり、0と1の状態を同時に取ることができるため、膨大な量の情報を並列に処理できる可能性がある。し
理化学研究所(理研)計算科学研究センター(R-CCS)量子HPC連携プラットフォーム部門 佐藤 三久 部門長、量子HPCソフトウェア環境開発ユニット 辻美 和子 ユニットリーダー、量子コンピュータ研究センター(RQC)中村 泰信 センター長、萬 伸一 副センター長、大阪大学 量子情報・量子生命研究センター(QIQB)北川 勝浩 センター長、藤井 啓祐 副センター長、根来 誠 副センター長らの共同研究グループは、最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)[1]構想の一環として進める計算可能領域の拡張に向け、スーパーコンピュータ「富岳」[2]と量子コンピュータ「叡(えい)」[3]の連携利用を実証し、原理の異なるコンピュータ間の連携利用によって計算可能領域が拡大する可能性を示しました。 本成果を生かし、量子コンピュータとスーパーコンピュータの連携による最先端の計算環境の実現に寄与し、今後の科学技
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta 大変お久しぶりです。発売中の日経サイエンス7月号に,話題の冷却原子量子コンピューターについての記事を書きました。 nikkei-science.com/202407_029.html 2024-06-22 12:33:28 日経サイエンス @NikkeiScience 📗日経サイエンス2024年7月号(5月24日発売) 光を使って絶対零度近くまで冷やした原子を空中に並べた人工結晶は,量子現象を再現するシミュレーターだ。 その原子の配列をダイナミックに変化させ,移動し,相互作用させることで計算する新たな量子コンピューターが登場した。nikkei-science.com/202407_029.html pic.twitter.com/ziU9hIlJ7d 2024-05-23 09:00:01
2019年、Googleは自社の量子プロセッサ「Sycamore」が、古典コンピュータでは1万年かかるとされる計算を僅か数百秒で行ったと発表した。 具体的には、Sycamoreは、100万の量子回路サンプルを200秒以内で、また300万の量子回路サンプルを600秒以内でそれぞれ生成。当時世界最高性能のスーパーコンピュータであるIBMの「Summit」では、同じ結果を得るのに1万年かかると主張した。この「量子超越性」の主張は、量子コンピュータが特定の問題で古典コンピュータを圧倒的に上回ると示すものだった。 しかし、古典的コンピュータの性能向上により、その差は急速に縮まっている。2022年には、512個のGPUを使用し約15時間で同様のタスクが完了したとの研究が報告されている。そして今回の、中国の研究チームが、わずか14.22秒でタスクを完了させるのに成功した。 研究チームは、2304個ものN
「神はサイコロを振らない」 相対性理論でニュートン力学を覆したアルベルト・アインシュタインはそう述べて、古典物理学を根本から揺るがしかねない量子論の曖昧さを批判した。 量子力学の礎を築いたエルビン・シュレーディンガーは、毒ガスが充満した箱の中の猫は、生きている状態と死んでいる状態が同時に存在しており、箱を開けてみなければ結果はわからないと、「シュレーディンガーの猫」と呼ばれる理論で、量子の動きは予測不能であることを説明した。 遡ること100余年。ルートビッヒ・ボルツマンやマックス・プランクといった物理学者らが仮説を立て、「量子論の育ての親」ニールス・ボーアとアインシュタインの論争を経ても、量子は杳としてその全貌が明らかにされていないが、これまでの研究によって量子の特徴、たとえば小さな粒が複数の箇所に同時に存在する、本来は相容れない複数の可能性を重ね合うように同時に併せ持つ、それは確定的では
3月、量子コンピューターの国産初号機「叡(えい)」が埼玉県和光市の理化学研究所で稼働した。10月には2号機が稼働し、量子技術の研究開発競争において、日本が世界に伍(ご)していくための足場が固まった。これまで国内にある量子コンピューターの実機は米IBM製の商用機と試験機の2台のみだったが、国産機の相次ぐ稼働により、産業界との共同研究にも弾みがつきそうだ。 国産初号機は超電導方式で64量子ビットを形成できる仕様。まずは53量子ビットでスタートし、エラー耐性への対応などの技術革新に挑むとともに、産業界とのアプリケーション開発を促進するテストベッド(試験環境)の役割を担う。 一方、2号機は初号機と同様に、理研と富士通の共同開発の成果。理研の中村泰信量子コンピュータ研究センター長は「初号機と2号機はハードウエア開発とソフトウエア開発で両輪となる」とそれぞれの役割を述べる。 2号機は民間主導では初の国
2024年2月27日 自然科学研究機構 分子科学研究所 大森賢治グループ発・冷却原子(中性原子)量子コンピュータの動作イメージ(図:富田隆文) 自然科学研究機構 分子科学研究所(愛知県岡崎市/所長 渡辺芳人 以下分子研)は、大森賢治教授が主導する研究グループの成果を用いた量子コンピュータ開発を目指して「事業化検討プラットフォーム」(以下当PF)を設立しました。企業や金融機関など10社の参画を得て事業化に向けた活動を始めました。 当PFへの参画企業はblueqat株式会社(東京都渋谷区)、株式会社日本政策投資銀行(東京都千代田区、DBJ)、富士通株式会社(東京都港区)、株式会社グルーヴノーツ(福岡県福岡市)、浜松ホトニクス株式会社(静岡県浜松市)、株式会社日立製作所(東京都千代田区)、日本電気株式会社 (東京都港区、NEC)など計10社(表記はアルファベット順)です。 当PFではスタートアッ
ハイブリッド基盤実装 国産第2号の量子マシンの実機が完成―。富士通と理化学研究所は、理研が3月に公開した国産初号機となる64量子ビット超伝導量子コンピューターの開発ノウハウを土台に、新たな64量子ビットの量子コンピューターを開発したと5日発表し、実機を披露した。既存の古典計算機上で動作する40量子ビットの量子シミュレーターと、量子コンピューターをシームレスに連携するハイブリッド基盤を実装した。今後は産業界を中心に用途開発の共同研究を進める。(編集委員・斉藤実) 今回は国産機としては2番目だが、「理研RQC―富士通連携センター」をベースに、民間主導で開発した初の国産機となる。理研の中村泰信量子コンピュータ研究センター長は「1号機と2号機はハードウエア・ソフトウエア開発で両輪となる」とそれぞれの役割を示唆。また、公募していた1号機の愛称が「叡(えい、英語表記はA)」に決まったことも明らかにした
量子テクノロジー企業のIonQが、米国初の量子コンピューター製造施設をシアトル郊外に開設したことを発表した。 IonQは昨年初めに、この工場の計画を発表しており、今週、ワシントン州シアトル近郊のボテルに建設された工場は、IonQの米国における主要な生産技術拠点として機能し、研究開発チームと製造チームを収容するほか、IonQの顧客に量子コンピューター・リソースへのクラウドアクセスを提供する2つ目のデータセンターを併設するとのことだ。 IonQによると、この拠点は、顧客のデータセンターに「複製可能で展開可能」な量子コンピュータを製造する米国初の工場だという。しかし、年間何台のシステムを製造・販売する予定かについては明らかにしていない。 「シアトルの施設は、量子を商業化し、量子コンピューターを顧客の手に届けるというIonQのコミットメントを具体的に実現するものです。IonQは、単に製造施設を建設
ニューヨーク、マンハッタンから北に約70キロ。郊外にある閑静な街並みを横目に車に揺られていると、周囲が木々に囲まれた広い敷地の中に、三日月のような少し湾曲した形をした巨大な建造物が現れました。 NY州ヨークタウンハイツにあるIBMの研究開発部門の本拠地、IBMリサーチセンター トーマス・J・ワトソン研究所です。 日本ではITコンサルタントとしての顔がよく知られているIBMですが、業界では次世代コンピューターとして期待されている「量子コンピューター」の中でも超伝導という物理現象を利用した装置の研究開発において、グーグルなどと並ぶ世界トップランナーの1社でもあります。 3月下旬、量子コンピューターの研究現場でもある、トーマス・J・ワトソン研究所を訪ねました。4月の「サイエンス思考」では、基礎研究を成長の原動力として積み重ねるIBMのあり方と、量子コンピューター開発の現在地についてIBMで研究開
錬金術も「実験室」では可能だが 錬金術の起源は古代エジプトや古代ギリシアに遡ることができる。また、あのアイザック・ニュートンも、ナショナル・ジオグラフィック 2016年4月7日「ニュートンは錬金術で『賢者の石』を作れたか?」で述べられているように、「錬金術」にはまった一人である。 現在、「錬金術」は極めて否定的に扱われている。しかし、ある意味近代科学は錬金術から生まれたともいえる。したがって、ニュートンの時代には、「錬金術」と「科学」の境界は現在ほど明確では無かったといえよう(ただし、それでも前記記事でも述べられているように、錬金術は概ね怪しげなものだとされていた)。 しかし、その「怪しい錬金術」も、現代では(少なくとも理論的には)可能になっている。 例えば、113番元素であるニホニウムは、原子番号30の「亜鉛」と、83の「ビスマス」の2種類の原子核をひとつに融合させることによって作られて
イギリスを拠点にQCaaS(サービスとしての量子コンピューティング)を提供するオックスフォード・クァンタム・サーキッツ(OQC)は、32量子ビットプラットフォームOQC Toshiko(オーキューシー・トシコ)の商用サービスを世界で初めて開始すると発表した。これまで量子コンピューターは研究室などに設置されてプライベートに使われていたが、これにより世界中の一般企業が量子コンピューターを利用できるようになる。 OQCは、商用データセンターにOQC Toshikoを併設し、量子とHPCを統合したハイブリッド・コンピューティングという形でサービスを提供する。また、量子コンピューターの広帯域アクセスは、OQCのパートナーであるエクイニクスのグローバル相互接続エコシステムによって安全に行われる。 今回、OQCは、商用サービス提供のニュースとともに、1億ドルのシリーズB資金調達が日本のSBIインベストメ
量子コンピューターと聞いて「何かすごいコンピューターらしい」とは感じても、どんなものかがよく分からないという人は多いだろう。今回は、量子コンピューターに対する5つの素朴な疑問を取り上げ、その正体をひもといていく。 量子コンピューターは、特定の問題を極めて高速に計算できるポテンシャルを持つ。 従来のコンピューターは、「0」か「1」の値をとる「ビット」を構成単位として計算する。一方、量子コンピューターでは「0」と「1」の情報を同時に持つことができる「量子ビット」を構成単位として計算する。量子ビットで0と1のように複数の状態が同時に存在する現象を「量子重ね合わせ」と呼ぶ。量子ビットは「観測」という操作を行うことで値が確定する。 量子重ね合わせを利用すると、アルゴリズムを工夫することで一度に多くの計算を行うことができる。これにより、従来のコンピューターよりも桁違いに多くの計算を行える可能性がある。
量子コンピュータは、従来の古典コンピュータでは時間がかかりすぎて事実上不可能な計算を瞬時に行うことが出来る異次元の計算能力を備える事が期待されており、世界中の研究機関・テクノロジー企業がしのぎを削って開発を進めているが実用化にはまだまだ何十年もかかると考えられている。 だが今回、研究者らはその量子コンピュータの桁違いの性能の一端を垣間見ることに成功した。世界で初めて、シミュレーション上ではあるが、量子コンピュータを用いることで化学反応を約1,000億分の1のスピードまでスローダウンして再現し、観察することに成功したのだ。 超スローモーション原子や分子の超ミクロな世界を研究するのは、非常に厄介である。すべてが非常に小さいからというだけでなく、その反応が私たちの目で認識できるよりもはるかに速く起こるからだ。例えば、化学結合はフェムト秒、つまり1兆分の1秒レベルという超々高速で形成されたり切断さ
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