ネタバレありなので、知りたくない人は読まないでください。 「君たちはどう生きるか」を観た。 ジブリや宮崎さんの自叙伝的な側面については、書くのはやめておこう。 僕が劇場を出て、しばらく考えて思ったのは、 宮崎さんが、最後の最後に「理想的な主人公」から脱却しようとした、ということだ。 「人に言えない恥ずかしいことも内面にいっぱい抱えている」少年像を、宮崎さんは描こうとしたという話もあるので、多分そうなのだと思う。 book.asahi.com 作中では「悪意」が重要なキーワードとして登場する。 悪意のある世界で、悪意を持った1人の人間として生きることを、主人公の眞人少年は決断し、異世界から現実へと帰っていく。 少年の悪意とはなんだろうか。 「頭の傷」がそれだと眞人少年は言う。 同級生との喧嘩のあと、眞人は自分の頭を石で傷つけ、わざと血だらけになり、金持ちの親の怒りを喧嘩相手や学校に向けさせる