1973年に自宅の六畳間で、たった4人で立ち上げた会社を「〝兆円企業〟をめざす」「精密小型モーターの分野で世界一になる」との宣言どおりに発展させた日本電産の創業者・永守重信氏が大学運営に乗り出したのが2018年。京都学園大学の経営を引き継いで理事長に就任し、翌2019年には京都先端科学大学に改称して、本格的に大学教育の改革を進めている。 「有名大学・企業に入ることありき」への疑問 ――京都先端科学大学の運営をはじめ、「人を育てること」や「教育改革」を訴えています。 経営者は孤独で、最後は自分が全部決めないといけない。そのなかで後継者問題はなかなかうまくいかず失敗してきた。いい人はなかなかいない。名だたるブランド大学の出身者を採用してきたが、全部ダメだった。 結局は自分のところで辛抱して、教育して、育てていかなければいけなかった。大事なのは理想と夢と希望だが、多くの人は夢もないし、理想もない