コロナ時代の疫学レビュー 第6回 Covid-19ワクチンによる「発症」予防と「感染」予防――ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンの前向きコホート研究 ランダム化比較対照試験(RCT)、後向きコホート研究にひきつづき、今回は前向きコホートという手法を使ったワクチンの研究結果について解説します。なぜこの手法が使われたのか、どういう側面があるのか、ぜひこの機会に具体例とともに読んでみてください。[編集部] 米国の新型コロナウイルス感染症の蔓延は、2020年春の第1波、夏の第2波を経て、10月には最大の第3波が到来した。第3波がピークを迎える2020年12月11日、米国FDA(食品医薬品局)がファイザー社mRNAワクチンを緊急使用承認した。3日後の12月14日には、米国で1人目のワクチン接種が行われ、全国的な接種が開始された。 この12月14日の米国の新規感染者は189,236人ときわめて