高校1年生の出嶋天葉(でじま・てんは)さんは、中学2年のとき、ときどき学校を休むほどのひどい頭痛に悩まされていた。キャプテンを務めるクラブの部員をどうまとめていけばよいのか迷ったり、顧問との意見の食い違いに苦しんだりすると決まって片頭痛がひどくなったのだ。 「友だちはいましたが、相談はしなかったです。1年生のとき恋愛とか友だち関係の相談をしたら、『あの子、重い話ばかりするから』と距離を置かれたことがあったので。周りの雰囲気に合わせることにも精いっぱいで、けっこうストレスをためていたのかなって」 そんな出嶋さんの内面に変化をもたらす授業があった。中学2年の3月に、通っていた和歌山大学教育学部附属中学校で受けた「SOS発信プロジェクト」である。 「悩みを抱え込まないで吐き出したほうがいいんだ、ということに気づかされました。ただ私の場合、1年前に距離を置かれた経験もあるので、最初は友だちではなく