日本の人口は1億2000万人余。世界全体に比べれば第11位と中ぐらいの規模に属する。にもかかわらず1年間に稼ぎ出す名目GDP(国内総生産)は、大国のアメリカ、中国に次ぐ世界第3位である。ほんの10年前までは、中国より上の世界第2位だった。 考えてみれば、鉄鉱石や石油などの天然資源もほとんどない。農業生産のための国土面積も7割が森林で限られている。1億2680万人(2017年)のうち約6720万人(同)が働いており、その勤勉さは世界的に有名だが、近年は少子高齢化で人手不足が目立つ。自動車産業頼りとはいえ製造業も健在ではあるが、携帯電話や家電など一時の勢いはない。 そんな中で、日本のGDPはいまでも世界第3位の地位にあり、財政赤字がGDPの198%超(2019年度末、政府見通し)、金額的にも1122兆円(同)もあるとはいえ、株式市場は好調だし、円相場も円売り=円安の兆候は少なく、むしろ安全資産