神戸大の研究グループは、甲状腺刺激ホルモンなど3種のホルモン分泌が低下して起こる病気「抗PIT(ピット)-1抗体症候群」について、胸にある臓器「胸腺」で異常な免疫細胞が作られることが原因と解明し、英科学誌電子版にこのほど発表した。 研究は、同大の高橋裕准教授、井口元三講師、坂東弘教医学研究員(いずれも糖尿病内分泌内科学)らが行った。 同症候群は、異常なキラーT細胞が正常な細胞を攻撃して起こる自己免疫疾患で、2010年に高橋准教授らが発見。指定難病の下垂体機能低下症に分類されている。 研究によると、異常なキラーT細胞は、胸腺にできる腫瘍「胸腺腫」で作られ、ホルモン分泌を促すタンパク「PIT-1」の作用を阻害する。この結果、甲状腺刺激ホルモンと成長ホルモン、乳腺刺激ホルモンの分泌量が減り、胃炎や肝炎、内臓肥満、骨粗しょう症などを引き起こす。 研究グループは、下垂体機能低下症を起こした40~80
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