●旅の途中● 旅人というのはとてもミステリアスな存在です。 特に田舎の地方において、見知らぬ人が来るというのはワクワクもするし不安にもなります。 ひょっとしたらこの人は我々に害をなす人では無かろうか?と思うのは、後ろめたさを抱えた人々。 珍しい、こんなに楽しいことはないからもてなそうではないか、と思うのは純真すぎる人々。 だからこそ、旅人のいる所にはたくさんの物語が生まれます。 そして、旅人もまた、移り変わる町並みや人々の流れを見ているのです。 ●違和感。● 前田とも先生の「つくろい屋シリーズ あわいの森」は、そんな旅を続ける「つくろい屋」を描いた物語です。 つくろい屋というのがなんなのかは、ここでは書かないでおきます。ネタバレは今回は極力回避したいのです。 というのも、この話とにかく「何が起きているのか」を分からなくさせるのがものすごくうまいわけですよ。 なんらかの事件があって…という解