枡野浩一さんとのやりとりについて(その1) そもそもこの一連のやりとりは、私が購入記録につけた枡野さんの著書『漫画嫌い』についての感想に始まります。それはこのようなものでした。2000年7月5日の購入記録から採録します。 朝日新聞の夕刊に連載されていたコラムをまとめたものです。筆者の言によると「本書は『批評』というより『紹介』に体重をかけている」(13ページ)とあります。…これは批判をかわすための予防線であり、ずるい方法だと思います。 批評と紹介は形式的には紙一重のものであり、それは読み手によって解釈されるものです。読者が批評と読むか、紹介と読むかを、筆者が強制することは本来できないはずです。「こういうふうに読んでほしい」という意図があるなら、文章の内容や文体で勝負すべきでしょう。 実際の文章の内容や文体は、作品を紹介するという視点で貫かれています。「買ってください」「オススメです」と、逃