宮崎アニメにはしばしば蒸気機関車が登場する。古くは『パンダコパンダ 雨降りサーカスの巻』で大雨による洪水で水没した町の中を機関車が走り、初期のテレビシリーズ『ルパン三世』の中でもしばしば機関車が登場してアクションに花を添えている。 そして宮崎監督の引退作品となった『風立ちぬ』では、その集大成といえるべき大正~昭和期に活躍した蒸気機関車が時代の移り変わりの中で登場している。 宮崎駿監督の師匠とも言えるアニメーターの大塚康生さんは、大の蒸気機関車好きで知られる。『パンダコパンダ』や『ルパン三世』には大塚さんが作画監督として参加し、宮崎さんとコンビを組んでいる。『風立ちぬ』には、大塚さんの好きな9600形をはじめ、軽便機関車、C56形、はてはドイツの第三帝国時代の機関車まで登場している。 大塚さんとの出会い なぜ鉃道カメラマンである私がこんな話を知っているかというと、私は鉄道家になる前はアニメー