東浩紀氏の提唱している『一般意志2.0』は、ルソーの一般意思とは異なり意思決定メカニズムでは無く、「情報技術によってサポートされた、世論調査を遥かに超えた、細かい精度をもった民意の可視化システム」だそうだ(BLOGOS)。定義不可能な“民意”は論理的に可視化できない(もしくは“民意”から“正解”は導き出せない)わけだが、それを置いたとしても、世論調査をSNSデータのテキスト・マイニングが超える事は無い。 1. サンプリング・バイアスの問題 「分布の状態を調べる上でランダムサンプリングであることほど重要なことはねぇんだよ」と端的に指摘している人もいる(唐突に分布の話をしているように思えるが、東氏が『「一般意志2.0」のシステムで出てくるのは、どちらかというと、様々な意見がどのように分布しているかという一つの地図』と説明している)のだが、もう少し平易に補足してみよう。Twitterや2chやニ