スクーターで地べたに這いつくばるような格好でのんびり走っていると、地面には親しみが出る。見慣れぬ景色も食物も、酒も空気も、なんの抵抗もなく素直に入って来る。まるで子供の時からヨーロッパで育った人間みたいに。美人もよく目についたが、気おくれなど全然感じない。大げさに言えば、美人が皆ぼくのために存在しているようにさえ思えた。音楽に対してもそうだ。自然の中での、人間全体の中での、また長い歴史の中での音楽が素直に見られるようになった。 これはぼくにとっては大きなプラスだ。貨物船とスクーターで旅行をしたのは、いろんな意味でよかったと思う。 (小澤征爾『ボクの音楽武者修行』新潮文庫、1981) こんばんは。先週、雪が降ったときに自宅の庭木数本が柳のようになってヤバイ感じだったので、今日は脚立に上って朝から昼すぎまでせっせと剪定作業をしていました。正直、重労働です。地面には親しみが出るものの、ボクの剪定