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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (20)

  • スティーブン・ピンカーとブラック・ライヴズ・マター - 道徳的動物日記

    togetter.com ↑ 自分でまとめたこの件について、思うところをちょっと書いておこう。 ●今回はスティーブン・ピンカーという大物がターゲットになったことで話題になったが、アメリカのアカデミアにおける「キャンセル・カルチャー」の問題はいまに始まったことではない。今回はBLMが直接のきっかけとなっているだろうが、他にも「セクシズム」や「イスラモフォビア」などの咎で、これまでにも様々な学者たちの講演がキャンセルさせられたり謝罪要求をされたり、大学を追われたりしてきたいう経緯がある*1。今回については、除名といってもアメリカ言語学会そのものからではなく「フェロー」の立場や「メディアエクスパート」の立場からの除名を求める運動ではあるが、言語学とはほぼ関係皆無の数年前のツイートを取り沙汰してポジションを奪うことが許されてしまうのなら、萎縮効果は明白だろう。だからこそ、ノーム・チョムスキーやジョ

    スティーブン・ピンカーとブラック・ライヴズ・マター - 道徳的動物日記
  • 悲観主義はなぜ賢そうに聞こえるのか? - 道徳的動物日記

    経済コラムニストのモーガン・ハウゼル(Morgan Housel)が、英語版のモトリー・フール(投資に関するニュース・メディア)に2016年に投稿した記事を要約して簡単に紹介。 www.fool.com 経済史学者のディアドラ・マクロスキーは「何故だかわからないが、人々は"世の中が悪くなっている"という主張を聞きたがる」と書いた。世の中がより良くなり続けることを示す数々の記録にも関わらず、悲観主義は楽観主義よりも普及しているし、悲観主義の方が賢く聞こえてしまう。悲観主義者は、楽観主義者たちよりも知的に高尚だと見なされ続けてきたのだ。J・S・ミルも「他の人が絶望している時に希望を感じている人よりも、他の人が希望を感じている時に絶望している人の方が尊敬される」と150年前に書いている。経済について楽観的な見通しを主張する人よりも経済破綻を主張する人の方がメディアでウケやすいし、同じ書評でも

    悲観主義はなぜ賢そうに聞こえるのか? - 道徳的動物日記
  • アニマルライツとフェミニズム - 道徳的動物日記

    The Feminist Care Tradition in Animal Ethics: A Reader 作者: Josephine Donovan,Carol J. Adams 出版社/メーカー: Columbia Univ Pr 発売日: 2007/11/01 メディア: ペーパーバック 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る ヴィーガンフェミニズム論争とは何だったのか ・上記のSutaro氏の記事にも書かれているように、Twitterにてフェミニストのシュナムル氏が「ハーゲンダッツをべた」という旨の発言をしたことに対して、ヴィーガンのRac氏が「フェミニストなのに乳製品を肯定するのか」と批判しことをきっかけに、ヴィーガニズムとフェミニズムに関わる議論がにわかに巻き起こったようだ。その議論にはいわゆるTwitter論客も多数参加していたようだが(そして、その大

    アニマルライツとフェミニズム - 道徳的動物日記
  • ロブスターの福祉に配慮するのは感情的? - 道徳的動物日記

    jp.reuters.com このニュースに対するネット上の様々な反応を見ての雑感。 動物福祉運動や動物の権利運動に対しては批判が投げかけられることが多い。特によくあるのが「知能が人間に近いからという理由でイルカや類人猿の権利を主張して他の動物には配慮しないのは、人間中心主義的で傲慢だ」というものや、「犬や家畜やクマなどの哺乳類には配慮するのに虫や魚や爬虫類には配慮しないのは、共感できる対象や見た目が可愛い動物を優先してそうではない動物をないがしろにしているのであって、感情的で非論理的である」といったものだ。 しかし、大概の場合、これらの批判は藁人形論法と言えるものである。動物の権利団体や運動を行なっている個人の多く、あるいは動物福祉や動物の権利の正当性を主張する理論のほとんどは、イルカや類人猿だけではなく他の動物の権利や道徳的地位も主張しているし、哺乳類や鳥類だけでなく魚類や爬虫類も配慮

    ロブスターの福祉に配慮するのは感情的? - 道徳的動物日記
  • Google社員の「反多様性メモ」の内容は間違っていたのか? - 道徳的動物日記

    jp.reuters.com www.bbc.com やや時機を逸している感はあるが、今更ながら、Google社員のジェームス・ダモアが社内文書にて男女の生物学的性差などを論じながらGoogleの多様性制度を批判したために解雇されてしまった事件について、軽く英語記事を紹介してみようと思う。 www.nydailynews.com まず紹介したいのは、倫理学者のピーター・シンガーが8月10日に発表した「なぜGoogleは間違っているか:ジェームス・ダモアが社内文書のために解雇されたことは正当なのか?」という記事。 ダモアの文書についてのシンガーは以下のようにまとめている: ・まず、ダモアの文書は「一部の種類のジェンダー・ステレオタイプには、その根拠となる理由が実際に存在する」ということを論じている。具体的には、男性と女性とを比較すると女性の方には「他人に対して関心を抱きやすい」「分析を行った

    Google社員の「反多様性メモ」の内容は間違っていたのか? - 道徳的動物日記
  • 道徳に関する意思決定と感情の関係について、心理学者兼哲学者のジョシュア・グリーンへのインタビュー - 道徳的動物日記

    www.theatlantic.com 今回紹介するのは、 The Atlantic に掲載された、ローレン・カッシーニ・デイヴィス( Larwen Cassani Davis)という Editorial Fellow(編集委員?)による、哲学者・心理学者のジョシュア・グリーン(Joshua Greene)へのインタビュー。 グリーンの著書 Moral Tribes は邦訳もされている。道徳に関する心理や思考のメカニズムを解説するという事実についての既述的なパートと、心理や思考に関する事実を踏まえたうえで功利主義を擁護し他の種類の理論を批判する規範論的なパートがうまく組み合わされているのが魅力的なである。インタビューでは規範論の方にはあまり触れられていないが。 モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(上) 作者: ジョシュア・D.グリーン,竹田円 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日:

    道徳に関する意思決定と感情の関係について、心理学者兼哲学者のジョシュア・グリーンへのインタビュー - 道徳的動物日記
  • 人文学は何の役に立つのか? - 道徳的動物日記

    (2020/12/10 追記) この記事で行なった議論を大幅に改訂したものを、晶文社スクラップ・ブックの連載で発表した。どちらかといえば、この記事ではなくそっちを参照してほしい。 s-scrap.com 近年、「学問は役に立つのか?」「人文学を学ぶ意味はあるのか?」「利益を上げない学問に税金を投入する意味はあるのか?」みたいなことが言われることが多くなっているような気がする。大体の場合、やり玉に挙げられるのは人文学や文系の科目全般だったりする。 私は学生時代に人文系の学問を専攻していたし家族にも人文系の大学教授がいるのでわかるのだが、人文系の大学教授の大半は、「人文学は役に立つのか?」あるいは「お前のやっている学問は何かの役に立つのか?」ということを問われると憮然としたり心外だと言わんばかりに憤ったりする。それで「役に立つかどうかという理由で学問をやっている訳ではない」「何かの役に立つから

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  • 「ドナルド・トランプと、社会科学の失敗」 by ユリ・ハリス - 道徳的動物日記

    quillette.com 今回紹介するのは Quillette というサイトに掲載された、ユリ・ハリス(Uri Harris)という経済学者?の記事。アメリカ大統領選挙にてドナルド・トランプが勝利した理由について社会科学的に分析している記事…ではなくて、トランプの大統領当選を予測できなかった(そして、当選した理由を科学的に説明することもできない)社会科学をこき下ろす記事である。こき下ろされている側の社会科学の具体例がないのでちょっと藁人形論法っぽい感じはあるが、この記事の数日後に掲載された Part 2 では実際の論文を取り上げて具体的な批判を行っているので気になる人はそっちも参照してほしい*1。 「ドナルド・トランプと、主流派社会科学の失敗」 by ユリ・ハリス 先の大統領選挙におけるドナルド・トランプの勝利は多くの人々にショックを与えた。世論調査、メディアに出演する専門家たち、そして

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  • 「なぜヨーロッパが世界を征服したのか?」  by フィリップ・T・ホフマン - 道徳的動物日記

    www.foreignaffairs.com 今回紹介するのは、歴史学と経済学の教授であるフィリップ・T・ホフマン(Philip T Hoffman)が2015年の10月に Foreign Affairs に掲載した記事。同年に発売された自著の 『Why Did Europe Conquer the World ?(なぜヨーロッパが世界を征服したのか?)』の宣伝的な記事であると思われる。私は世界史に詳しい訳ではないのでこの記事や著書でされている主張の妥当性とかオリジナリティとかは判断できないのだが、英語圏ではそれなりに話題になっているであるようだし、記事の内容も面白かったので紹介する。歴史や軍事関係の訳語に間違いがあるかもしれないが勘弁してほしい。 「ヨーロッパはいかにして世界を征服したか:戦争に対するひたむきな集中の戦利品(The Spoils of a Single-Minded F

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  • 「生命倫理学者?邪魔だからどっか行け」by スティーブン・ピンカー - 道徳的動物日記

    www.bostonglobe.com 日紹介する記事は、心理学者のスティーブン・ピンカー(Steven Pinker)が2015年の8月1日に Boston Grobe に発表した記事。タイトル通り、生命倫理学者たちを生命医学研究の障害だと見なして痛烈に批判している記事である*1。 「生命倫理学者たちへの道徳的要請」 by スティーブン・ピンカー CRISPR-Cas9は新しく強力なゲノム編集技術であり、生命医学研究の倫理に対する懸念を人々に抱かせて研究の一時停止や新しい規制を呼びかける声を生じさせてきた一連のバイオテクノロジーの中でも、最新のものである。確かに、バイオテクノロジーには実に膨大な道徳的意味が含まれている。だが、その道徳的意味とは人々が心配しているようなものではないのだ。 あなたの友人や親族のなかに、癌・心臓病・アルツハイマー・ハンチントン病・パーキンソン病・精神分裂症な

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  • トランプ支持者の心理・権威主義と反移民 - 道徳的動物日記

    www.the-american-interest.com 日紹介するのは、 社会心理学者のジョナサン・ハイト(Jonathan Haidt)が American Interest 誌に発表した「ナショナリズムはいつ、なぜ、グローバリズムに打ち勝つか(When and Why Nationalsm Beats Globalism)」という記事。近年の西洋民主主義国家において、普遍主義的・自由主義的で多様性を尊重する価値観を持ったグローバリストとそれに反対する価値観を持ったナショナリストとの争いが各国における移民問題をきっかけに表出するようになっていて…という記事なのだが、かなり長い記事なので、今回は後半(4章構成のうちの3章と4章)を紹介する。この記事における「グローバリスト」と「ナショナリスト」という言葉の定義の説明などは1章と2章でされるので、その辺りは少し分かり難くなるかもしれない

    トランプ支持者の心理・権威主義と反移民 - 道徳的動物日記
  • 「アメリカン・マインドの甘やかし:トリガー警告はいかにキャンパスの精神的健康を傷付けているか」byグレッグ・ルキアノフ, ジョナサン・ハイト- 道徳的動物日記

    アメリカでは、PC(ポリティカル・コレクトネス=政治的な正しさ)を追求する運動は1980年代から行われてきたようであり、運動に対する批判や揶揄も行われ続けていたようだ。しかし、有名な風刺コメディアニメの『サウスパーク』が今年のシーズン19のテーマとしてPCを題材にしているなど、PCに関する注目は最近になって増しているらしい。 今回紹介する記事の著者は二人。グレッグ・ルキアノフ(Greg Lukianoff)は憲法学者であり「教育における個人の権利財団」の取締役であるらしい(記事内の紹介によると、言論と学問の自由を守ることを目的とした財団であるようだ)。ジョナサン・ハイト(Jonathan Haidt)は社会心理学者であり、翻訳されている著書として、古来からの哲学の知見と現代の心理学や認知行動療法の知見を結びつけた『しあわせ仮説』や、なぜ人々は異なる道徳的価値観を持つのかということ・なぜ人々

    「アメリカン・マインドの甘やかし:トリガー警告はいかにキャンパスの精神的健康を傷付けているか」byグレッグ・ルキアノフ, ジョナサン・ハイト- 道徳的動物日記
  • ポリティカル・コレクトネスの問題点を指摘した記事の雑なまとめ - 道徳的動物日記

    jbpress.ismedia.jp 当ブログでは、ポリティカル・コレクトネスについて批判的であったりポリティカル・コレクトネスの問題点を指摘した英語記事をいくつか訳してきた。上記記事と上記記事に付いたコメントを見て思ったのが、ポリティカル・コレクトネスに対しては具体的にはどのような批判がなされているかということはまだあまり知られていないようなので、私が今まで訳してきた記事を紹介していこう。ついでに、まだ訳されていないが有意義な英語記事へのリンクも貼っておく。 davitrice.hatenadiary.jp ↑ 憲法学者のグレッグ・ルキアノフと社会心理学者のジョナサン・ハイトによる「アメリカン・マインドの甘やかし:トリガー警告はいかにキャンパスの精神的健康を傷付けいるか」は昨年の9月に書かれた記事で、英語圏ではこの記事をきっかけにポリティカル・コレクトネス批判に勢いが付いた感もある。 「

    ポリティカル・コレクトネスの問題点を指摘した記事の雑なまとめ - 道徳的動物日記
  • 「被害者性の文化」と「マイクロアグレッション」 - 道徳的動物日記

    Where microaggressions really come from: A sociological account | The Righteous Mind 今回私訳したのは、社会学者のブラッドベリー・キャンベルとジェイソン・マニングによる共著論文「マイクロアグレッションと道徳文化」を社会心理学者のジョナサン・ハイトが要約した、という記事である。私自身は、元の論文の方は読んでいない。 www.academia.edu 論文の主なテーマである「マイクロアグレッション」は、日では馴染みのない単語だろう。このブログの過去記事では、マイクロアグレッションという考え方やマイクロアグレッションを訴える人に対して批判的な記事をいくつか訳している。検索すれば賛同的・中立的に「マイクロアグレッション」について日語で説明している記事も出てくると思うので、そちらも参照した方がいい。 ハイトの記事

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  • 広島・長崎への原爆投下の是非についての、マイケル・シャーマーの議論 - 道徳的動物日記

    オバマ大統領が広島を訪問することや、そこで「謝罪」はしないであろうことの是非を巡って議論が起きているようだ。 最近読んでいたマイケル・シャーマーの『Moral Arc』のなかで、「ファットマンの道徳、リトルボーイをめぐる論争」という題の、広島・長崎への原爆投下の是非が論じられている節があった。『Moral Arc』は科学や理性の発達が人類の道徳にもたらす影響について論じたであり、基的に楽観的・進歩主義的な主張をしており、核戦争を防ぐ手段や世界の非核化を導く道筋について論じている説もある。その部分も興味深いのだが、広島・長崎への原爆投下について肯定的な主張が日で論じられることは少ないので、参考として紹介しておく。 該当の説は、原著のハードカバーでは71ページから74ページに掲載されている。Google Booksなどでも参照できるだろう。 The Moral Arc: How Scie

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  • ピーター・シンガーの公式FAQ - 道徳的動物日記

    プリンストン大学のwebページに掲載されている、ピーター・シンガーの公式FAQを非公式に翻訳した。発展途上国への援助と寄付・動物の道徳的地位・障害のある乳児の殺害や安楽死など、シンガーの主張のなかでもよく取り沙汰されているテーマについて、人によって短くまとめられている。 (https://www.princeton.edu/~psinger/faq.html) この webページは数年前のもののようであり、この後に主著の『実践の倫理』が第3版に改定されているなど、シンガーの倫理学的主張は細かいところでは変わっている可能性がある。とはいえ、現在でも大体の主張はこのFAQに掲載されている通りのものだろう。理論の根拠付けや詳細などは『実践の倫理』で議論されているので、そちらを参照するべき(英語が読めるなら、まだ翻訳が出ていない第3版が望ましい)。 最後に著書の紹介があるが、情報が古かったので翻

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  • 「リベラリズムの死」 by ジェリー・コイン  - 道徳的動物日記

    今回紹介する記事は、ジェリー・コインの「リベラリズムの死」。 The death of liberalism: Goldsmiths feminists ally with Muslims opposing feminist speaker Maryam Namazie « Why Evolution Is True 以下のTogetterに掲載している、リチャード・ドーキンスの発言にて紹介されている記事である。 togetter.com Dear @NECSS this is the kind of thing being satirised by the "Feminists Love Islamists" vid for which you banned mehttps://t.co/64VC9i7nSx — Richard Dawkins (@RichardDawkins) 201

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  • 効果的利他主義は現状肯定だからダメなのか? - 道徳的動物日記

    ・ピーター・シンガーの効果的利他主義という主張には色々と批判があるのだが、目立つのが以下に引用するようなもの。 倫理的な問題を扱う哲学者であれば、資主義システムをどう倫理的に批判し変革すべきかを思考すべきではないでしょうか 。代替案の提出は他人に預けておいて、いとも簡単に資主義を追認するのが倫理的な姿勢と言えるのでしょうか。それとも、哲学者であれば、自分の手に負える問題だけを切り離して論じる権利を持っているのでしょうか。 【連載】「効果的利他主義」批判 ‐ その3 ‐ 圧倒的な現状肯定の思想 - 45 For Trash 似たような批判でこういうものもある。 富の再分配とそれによる社会保障機能いうのは国家の機能だったはずなんだけ れど、富がグローバルにあまりに偏在してしまったために、再分配が1%の恣意に大きくコントロールされるようになって、「みんなで支えあったり負担しあったりしてきた(

    効果的利他主義は現状肯定だからダメなのか? - 道徳的動物日記
  • 「私たちは道徳的に賢くなっているのか?:IQの上昇、暴力の減少、経済的リベラリズムの関係」 by マイケル・シャーマー - 道徳的動物日記

    reason.com 今回紹介するのは、心理学者で疑似科学批判者で無神論者のマイケル・シャーマー(Michael Shermer)が Reason.com というサイトに掲載した「Are We Becoming Morally Smarter?」という記事。 シャーマーは昨年に『 The Moral Arc: How Science and Reason Lead Humanity toward Truth, Justice, and Freedom (道徳の弧:科学と理性はいかにして私たちを真実と正義と自由に導くか)』というを出版している*1。副題の通り、人々が科学的・理性的な思考方法を身に付けるにつれて、他人に配慮した道徳的な思考もするようになったり、正義などの抽象的な概念を理解したり、宗教の権威を否定したり、民主主義などが普及したりして、暴力が減少してより多くの人々に権利や自由が認

    「私たちは道徳的に賢くなっているのか?:IQの上昇、暴力の減少、経済的リベラリズムの関係」 by マイケル・シャーマー - 道徳的動物日記
  • 『暴力の人類史』の書評が気になった - 道徳的動物日記

    暴力の人類史 上 作者: スティーブン・ピンカー,幾島幸子,塩原通緒 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2015/01/28 メディア: 単行 この商品を含むブログ (17件) を見る 1月末に発売されたスティーブン・ピンカーの『暴力の人類史』だが、図書館に予約していたものがようやく届いたので、読んだ。原著(The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined )は前から手元にあったのだが(邦訳は上下巻揃えるのに9000円以上かかるが、原著なら2000円未満で購入できる)、これだけの量を英語で読み通すのはさすがにしんどく、興味のあるところを摘んで読む程度にとどまっていた。しかし、改めて邦訳を読んでみて、これは最初から最後まで通読するべきだと思った。 様々な話題が取り上げられており、どこから読んでも面白いタイプのだが、

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