平成24年度の公的年金の運用の黒字額が過去最高の10兆円規模になり、年金積立金の取り崩し額よりも運用益の方が上回ることが30日、分かった。政府関係者が明らかにした。これまでの最高額は、厚生労働省が運用していた17年度の9・8兆円だった。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の影響で円安・株高が進み、国内株式の評価益が膨らんだ。 厚生年金と国民年金の積立金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、年金支払いの増加で24年度は6・4兆円の年金積立金の取り崩しが必要とみていた。取り崩しは14年度以降続いていて、22年度は6兆円、23年度は4・9兆円だった。 24年10~12月期の運用だけでも5・1兆円の黒字で、四半期単位の黒字額では過去2番目の大きさだった。同年12月末時点の運用資産は111兆円を突破、9月末時点に比べ4・2兆円も増えた。 安倍政権発足後は、円安・株高で推移していた