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ゲーム機 歴史 ソニーの検索結果1 - 40 件 / 196件

  • そろそろ語ろうか(其の壱)|和田洋一

    2016年2月末、スクウェア・エニックスを離脱して数か月になり、これまで伝えられなかった事もお話しできる立場になりました。 証券時代16年、ゲーム時代16年と、気がつけば中々の古参。 改めて見渡すと、アーケードゲーム、家庭用ゲーム、PC、スマホゲームと全ての時代を経験し、かつグローバル展開を行っていた方がほとんどいらっしゃらない事に気づきました。 またこの間、経営者として、業界リーダーとして、数々の貴重な局面に立ち会っています。 事実を忘れてしまったり、自分の都合のいいように記憶を塗り替える前に、皆さんにお話しする意味があると思いました。 経営者は、その足跡について1ミリ単位で説明できなければならないというのが、私の持論です。 無論、その時々の事実認識には個体差はあるでしょう。また、戦略実行にあたっては、様々な方が関わりますから、各人の視点によって、同じ事実でも見え方は異なるでしょう。さら

      そろそろ語ろうか(其の壱)|和田洋一
    • ポスト・テレビゲーム|和田洋一

      本日は、ゲーム産業の未来をテーマにお時間をいただいております。 私見では、過去40年と今後とはやや不連続ですが、一貫する本質を理解しなければ将来を見失うので、時間は非常にタイトですが、あえて過去と未来、双方をお話しします。 本日の流れです。 まずはコンピュータゲームの定義。 ゲームに関する論説に手応えのあるものが少ないのは、考察対象が定義されていない事も一因と考えるからです。 次にこれまでの40年の歴史をお話しします。 ゲーム産業は、5年から10年毎に、断絶とも見えるような大変革、主役の交代を繰り返してきました。しかしながら、そうは言っても、ある流れに沿って直線的に進んできたというのが私の見立てです。 ところが、最早その流れの延長では通用しなくなったのではないか。現在は、不連続な未来への過渡期にあたると考えています。 では、先の見えない過渡期にいながら将来をいかに占うか。その点について次に

        ポスト・テレビゲーム|和田洋一
      • 「ドラクエII」タイアップ曲でデビューし,新星の輝きに圧倒され表舞台を去った牧野アンナさんが目指すもの ビデオゲームの語り部たち:第34部

        「ドラクエII」タイアップ曲でデビューし,新星の輝きに圧倒され表舞台を去った牧野アンナさんが目指すもの ビデオゲームの語り部たち:第34部 ライター:大陸新秩序 ライター:黒川文雄 カメラマン:畑沢亮太 今回の「ビデオゲームの語り部たち」では,振付師の牧野アンナさんに話をうかがった。牧野さんは,父のマキノ正幸氏が立ち上げた沖縄アクターズスクールでレッスンを重ね,ファミリーコンピュータ用ソフト「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」のタイアップ楽曲「Love Song 探して」でデビュー。その後,安室奈美恵さんも在籍したアイドルグループのSUPER MONKEY'Sのメンバーを経て指導する側に回り,現在は自身が立ち上げたエンターテイメントスクール「ラブジャンクス」を運営している。 そんな牧野さんと筆者(黒川)には,30年以上も前に接点があった。牧野さんが歌った「Love Song 探して」はアポ

          「ドラクエII」タイアップ曲でデビューし,新星の輝きに圧倒され表舞台を去った牧野アンナさんが目指すもの ビデオゲームの語り部たち:第34部
        • 民俗学っぽいマンガとは何か ——民俗学者が出てくるマンガまとめ - 猫は太陽の夢を見るか:番外地

          しかし、世間では「妖怪は民俗学が扱うものだ」と考えるのがどうも一般的な捉え方のようです。翻って、「民俗学は妖怪を研究する学問だ」と考えている人までいるようです。 これは、明らかな誤解というよりありません。 (京極夏彦『文庫版 妖怪の理 妖怪の檻』角川文庫、角川書店、2011年、32頁) 「独断と偏見で選ぶ〝民俗学っぽいマンガ〟」を選ぶために このように思ったことはないだろうか。 「ホラーとかオカルト系のマンガって、たいてい民俗学者っぽいキャラが出てくるよね」 わかる。 でもじゃあ、実際、民俗学者が出てくるマンガってどんなものがあって、それってどれくらいあるのだろうか? そもそも、ホラーとかオカルトとか伝奇とか妖怪とかのマンガには、どうしてよく民俗学者が出てくるのだろうか? しかし、その問いに答えることは、実は容易ではない。 なぜか。 たとえば、考古学には、櫻井準也『考古学とポピュラー・カル

            民俗学っぽいマンガとは何か ——民俗学者が出てくるマンガまとめ - 猫は太陽の夢を見るか:番外地
          • SDカード、どんどん小さく… IT業界、「ステルス値上げ」常態化

            商品の価格を変えずに容量を減らすことで実質的な値上げを行う「ステルス値上げ」に、消費者から不満の声が高まっている。これまでコンビニ弁当や菓子類など食品に注目が集まっていたが、「最もステルス値上げが激しいのはIT業界」という声がネット上で上がり始めた。 「ちょっと待って!さっき買ったSDカードちっちゃすぎない!?どっちも2000円なのに損した気分」。今月初めにSNS上に投稿された1枚の写真とコメントが大きな注目を集めた。投稿に添えられた写真にはSDカードとマイクロSDカードが並んで写る。記憶容量はどちらも128GB(ギガバイト)だ。 マイクロSDカードの重量は0.5グラムで、SDカードの4分の1。価格・記憶容量が変わらないにもかかわらず、グラム単価は1千円から4千円まで4倍に跳ね上がる。重量を減らした理由について、メーカー側は「規格変更」と説明しているが、明らかなステルス値上げだ。中には「持

              SDカード、どんどん小さく… IT業界、「ステルス値上げ」常態化
            • メタバース: As content, as a platform, as media|和田洋一

              メタバースが激しくバズっている。 根拠のない期待が膨らみ過ぎ、来年あたりにはバブルが弾けるのではないか。 何も起きないまま、話題だけで地に沈むにはあまりに惜しい。 本稿は、今後も粘り強く挑戦してくれる方々のために、なぜ今メタバースが話題になっているのか、今後どのように推進すべきかにつき、少しでも解像度を上げることに貢献できればと思って書いた。 本質に迫るためには、ゲーム論を拡張するのが最も効率的と考える。 ゲーム業界の方は、これを純粋にゲーム論として読んでいただければ結構。 また、広くIT業界の方々も、どうかゲームなど無関係と思わず(内心バカにしてるでしょw)、メタバース解説として一読いただければ幸いだ。 だって、メタバースって、何者として議論すればいいかすら曖昧でしょ、少し付き合ってくださいな。 順を追って説明するので、暫し辛抱して読んでいただきたい。 全体を4章で構成する。 まずは、「

                メタバース: As content, as a platform, as media|和田洋一
              • 『FF13』の“一本道”は手抜きではなく、むしろ「線的なRPG」の理想を追求した先進性の表れだった。「奥スクロールRPG」と揶揄されながらも『FF13』が提示した“新しいRPG”のビジョンとは?

                困惑の『FF13』 2003年、エニックスとスクウェアは合併しました。ドラクエ・FFという日本を代表する大作RPGをそれぞれ有し、ずっと意識しあっていた2社がひとつになることなんて誰が予想したでしょうか。これにより、両組織はお互いの開発技術、販売ルート、市場を融通し合い、様々なシナジーが生まれます。作品的にもPS2時代のドラクエ・FFはそれぞれ3DグラフィックRPGとしての一旦の完成形に到達したといえるでしょう。 この回では、その後の2000年代後半、プレイステーション3(PS3)とニンテンドーDS(DS)時代のドラクエ・FFをみていきます。これまで2タイトルは互いに近づいたり離れたりしながら、様々な影響を与え合って発展してきましたが、今回の時期は、2シリーズ間の路線がもっとも離れたときといえるかもしれません。 そしてそれは同時に、2シリーズにとっての挑戦の時代であり、PS2時代の「一旦の

                  『FF13』の“一本道”は手抜きではなく、むしろ「線的なRPG」の理想を追求した先進性の表れだった。「奥スクロールRPG」と揶揄されながらも『FF13』が提示した“新しいRPG”のビジョンとは?
                • 「パンツァードラグーンVoyage Record」誕生秘話。一人の若者はいかにして会社を作り,「自らパンツァードラグーンを売る」ことになったのか

                  「パンツァードラグーンVoyage Record」誕生秘話。一人の若者はいかにして会社を作り,「自らパンツァードラグーンを売る」ことになったのか ライター:西田宗千佳 「パンツァードラグーン」というIPにとって,2020年は特別な年になる。久しぶりに「現行のハードウェアで“新作”が楽しめる」からだ。 同シリーズはセガサターンというハードウェアにとって特別なものであるだけでなく,1990年代中盤から後半に発売された第5世代家庭用ゲーム機,要は「CDとポリゴンの革命の時代」を象徴する作品だ。 一方,種々の事情もあって(その一端は本稿の中で解説する),2002年末の「パンツァードラグーン オルタ」以来,シリーズ作品の系譜は途絶えており,移植やリメイクにも恵まれているとは言えないIPでもあった。 ……という話から始まると,4月2日に発売されたNintendo Switch版「パンツァードラグーン:

                    「パンツァードラグーンVoyage Record」誕生秘話。一人の若者はいかにして会社を作り,「自らパンツァードラグーンを売る」ことになったのか
                  • 3DO -誕生から崩壊へ至るまでのクロニクル- 前編|初心カイ

                    はじめに ――3DO この言葉に反応できる者はオッサンゲーマーだろう。20代以下の若者は一度も聞いたことがないかもしれない。しかし、反応できるオッサンゲーマーでも正確に3DOがなんなのか、把握している者はさほど多くはないのではないか? 「ゲームに関わったことがない松下が、適当に出して大失敗したゲームハードだろ?」 くらいの理解でいる方が多いのではないだろうか。実はこの理解はいろいろと事実誤認を含んでいる。 実はこのハードを作るにあたって、多数のゲーマーと、ゲームとゲーム業界に詳しい人らが幾人も深く深く関わっている。そもそもの規格提唱者はゲーム業界に大きな影響を及ぼしたレジェンドなのである。そして松下自身もゲーム業界に以前から深く関わっていて、さらにいうならば3DOはゲームハードではない。 この奇妙奇天烈なハードについて解説を行うにあたり少しばかり時間を頂きたい。このハードが生まれ、そして敗

                      3DO -誕生から崩壊へ至るまでのクロニクル- 前編|初心カイ
                    • 書籍「ゲームの歴史」について(8) | Colorful Pieces of Game

                      このテキストは岩崎夏海・稲田豊史両氏による『ゲームの歴史』の1、2、3の中で、ゲームの歴史的に見て問題があり、かつ僕が指摘できるところについて記述していくテキストだ。 (8)は2巻の第11-12章を扱ったものになる。 該当の本は、ハッキング・箱庭・オープンワールド・疑似3D・2Dなどの通常のゲーム&コンピュータ用語に筆者の独自解釈が含まれていて、それを筆者の都合に応じて定義をいじりながら論を展開するために、極めて独特の内容になっている。 例えば3D描画で背景をテクスチャで埋めると3D+2Dの疑似3Dになると言われたら、普通のゲーム屋なら目を白黒させるだろう。ただ、それは筆者の主張なので「自分はそこは批判はしないが、筆者の見方には全く同意できない」とだけ書いておく。 該当の本の引用部は読みやすさを考慮してスクリーンショットからonenoteのOCRで文字の書きだしをしたものを僕が修正したもの

                      • 書籍「ゲームの歴史」について(4) | Colorful Pieces of Game

                        このテキストは岩崎夏海・稲田豊史両氏による『ゲームの歴史』の1、2、3の中で、ゲームの歴史的に見て問題があり、かつ僕が指摘できるところについて記述していくテキストだ。 該当の本は、ハッキング・箱庭・オープンワールド・疑似3D・2Dなどの通常のゲーム&コンピュータ用語に筆者の独自解釈が含まれていて、それを筆者の都合に応じて定義をいじりながら論を展開するために、極めて独特の内容になっている。 例えば3D描画で背景をテクスチャで埋めると3D+2Dの疑似3Dになると言われたら、普通のゲーム屋なら目を白黒させるだろう。ただ、それは筆者の主張なので「自分はそこは批判はしないが、筆者の見方には全く同意できない」とだけ書いておく。 なお、該当の本の引用部は読みやすさを考慮してスクリーンショットからonenoteのOCRで文字の書きだしをしたものを僕が修正したものになっている。なので校正ミスで本文と若干ずれ

                        • ビデオゲームにとってストーリーテリングとはなにか?――『A Mind Forever Voyaging: A History of Storytelling in Video Games』- Dylan Holmes - 最後の短篇企鵝の剥製

                          A Mind Forever Voyaging: A History of Storytelling in Video Games (English Edition) 作者:Holmes, DylanCreateSpace Independent Publishing PlatformAmazon ■0.著者紹介と概要 ■イントロ ■1.The Adventure Begins: The Secret of Monkey Island(1990)ーーアドベンチャー・ゲームの発展史 ■2. Can a computer game make you cry?: Planetfall(1982)ーーゲームは「死」を描くことができるのか? ■3.Moral Gaming: Ultima IV(1985)ーーゲームは道徳を体現できるのか? ■4.Immersive Sim: System Shock

                            ビデオゲームにとってストーリーテリングとはなにか?――『A Mind Forever Voyaging: A History of Storytelling in Video Games』- Dylan Holmes - 最後の短篇企鵝の剥製
                          • 書籍「ゲームの歴史」について(7) | Colorful Pieces of Game

                            このテキストは岩崎夏海・稲田豊史両氏による『ゲームの歴史』の1、2、3の中で、ゲームの歴史的に見て問題があり、かつ僕が指摘できるところについて記述していくテキストだ。 (7)は2巻の第10章を扱ったものになる。 該当の本は、ハッキング・箱庭・オープンワールド・疑似3D・2Dなどの通常のゲーム&コンピュータ用語に筆者の独自解釈が含まれていて、それを筆者の都合に応じて定義をいじりながら論を展開するために、極めて独特の内容になっている。 例えば3D描画で背景をテクスチャで埋めると3D+2Dの疑似3Dになると言われたら、普通のゲーム屋なら目を白黒させるだろう。ただ、それは筆者の主張なので「自分はそこは批判はしないが、筆者の見方には全く同意できない」とだけ書いておく。 該当の本の引用部は読みやすさを考慮してスクリーンショットからonenoteのOCRで文字の書きだしをしたものを僕が修正したものになっ

                            • 書籍「ゲームの歴史」について(11) | Colorful Pieces of Game

                              このテキストは岩崎夏海・稲田豊史両氏による、先日絶版・回収になると発表があった『ゲームの歴史』の1、2、3の中で、ゲームの歴史的に見て問題があり、かつ僕が指摘できるところについて記述していくテキストだ。 (11)は3巻の第19-21章を扱ったものになる。 該当の本の引用部は読みやすさを考慮してスクリーンショットからonenoteのOCRで文字の書きだしをしたものを僕が修正したものになっている。なので校正ミスで本文と若干ずれたり、誤植がある場合があるかも知れないが、そこは指摘いただければ謹んで修正させていただく。 シリーズは以下のリンクを読んでいただきたい。 『ちょっとは正しいゲームの歴史』を国会図書館に納本しましたゲームレジェンド新刊『ちょっとは正しいゲームの歴史』できました書籍「ゲームの歴史」について(12/終)書籍「ゲームの歴史」について(11)書籍「ゲームの歴史」について(10)書籍

                              • 書籍「ゲームの歴史」について(9) | Colorful Pieces of Game

                                このテキストは岩崎夏海・稲田豊史両氏による『ゲームの歴史』の1、2、3の中で、ゲームの歴史的に見て問題があり、かつ僕が指摘できるところについて記述していくテキストだ。 (9)は2巻の第13-16章を扱ったものになる。 該当の本は、ハッキング・箱庭・オープンワールド・疑似3D・2Dなどの通常のゲーム&コンピュータ用語に筆者の独自解釈が含まれていて、それを筆者の都合に応じて定義をいじりながら論を展開するために、極めて独特の内容になっている。 例えば3D描画で背景をテクスチャで埋めると3D+2Dの疑似3Dになると言われたら、普通のゲーム屋なら目を白黒させるだろう。ただ、それは筆者の主張なので「自分はそこは批判はしないが、筆者の見方には全く同意できない」とだけ書いておく。 該当の本の引用部は読みやすさを考慮してスクリーンショットからonenoteのOCRで文字の書きだしをしたものを僕が修正したもの

                                • 特別編 「KONAMIの社長はゲーム嫌い」という伝説におくるレクイエム - 平和的なブログ

                                  ずいぶんと昔になりますがこのような記事を書きました。かなりの反響をいただけて少しは「コナミの社長はゲーム嫌いだ」という風説を打破することができたのではないかと思っています。 今回の記事はその続きです。(なのでできれば前回の記事を読んでいない方は目を通していただけると幸いです) さて、前回の記事ではコナミがゲームという表現から逃れることで、なんとかゲーム会社として大きくなっていったことの歴史を語りましたが、具体的にどのようにゲームに携わっていったか、謎のままでした。実はコナミの創業からゲームに携わることについてはインターネット上で確認することができません。社長がどのようにゲームの道を歩んだか、Wikipediaではさらりと記述して終わりです。 私はコナミに関する資料をいろいろと取り寄せました。国会図書館からです。 日経ベンチャー1999年3月号64p オンラインでコピーを送るサービスをやって

                                    特別編 「KONAMIの社長はゲーム嫌い」という伝説におくるレクイエム - 平和的なブログ
                                  • 「たけしの挑戦状」を作った男,福津 浩氏が追い続けた新世界(後編)たけしさんとの仕事と,幻の続編 「ビデオゲームの語り部たち」:第30部

                                    「たけしの挑戦状」を作った男,福津 浩氏が追い続けた新世界(後編)たけしさんとの仕事と,幻の続編 「ビデオゲームの語り部たち」:第30部 ライター:大陸新秩序 ライター:黒川文雄 カメラマン:愛甲武司 今回の「ビデオゲームの語り部たち」では,前回に引き続き,福津 浩氏の足跡を振り返る。 前回は,プログラミングとジャズに傾倒した青春時代や,光栄マイコンシステム(社名は当時。以下,光栄)時代の奮闘ぶりをうかがった。ビデオゲーム黎明期における開発事情をはじめとした,貴重な証言を得られたと感じている。 今回はいよいよ“本題”である「たけしの挑戦状」の開発エピソードへと入っていく。 同作については,本連載の第26部で,当時タイトーの営業担当だった中村 栄氏にも話を聞いたが,開発現場にいた福津氏の視点からは,また違った景色が見えていたことが分かった。長らく取材を続けてきた筆者としては,埋もれていた“宝

                                    • 海外「日本の象徴なんだよ!」 任天堂が米巨大企業に買収されかけていた事実に世界が激怒

                                      マイクロソフト社は先日、米連邦取引委員会との間で進行中の、 訴訟に関する法廷文書を誤って一般公開状態にしてしまい、 情報が流出したことで、2020年に同社内で行われた議論の中で、 任天堂の買収計画が持ち上がっていたことが明らかになりました。 またXbox部門の責任者フィル・スペンサー氏が 任天堂を買収する際に障害となるのは、 任天堂が保有している大量の現金と、 「最近まで株価上昇をあまり望んでいなかった取締役会にある」 と指摘していたことも判明しています。 このニュースは現在海外のネット上で大きな話題となっており、 非常に多くのメディアが取り上げています。 外国人からは様々な意見が寄せられていましたので、一部をご紹介します。 「日本の底力を信じてる」 ビル・ゲイツ氏が予測する日本の未来が話題に 翻訳元■■■■■ ■ ニンテンドーには130年以上の歴史がある (そのことを肝に銘じてほしい……

                                        海外「日本の象徴なんだよ!」 任天堂が米巨大企業に買収されかけていた事実に世界が激怒
                                      • 「ホビーパソコン」とは何だったのか? その歴史をその言葉の始まりから調べてみた

                                        「セガが好きすぎるセガ社員」こと奥成洋輔氏の著書として7月に出版された、『セガハード戦記』が話題となっている。 (画像はセガハード戦記 | 奥成 洋輔 |本 | 通販 | Amazonより)同書には、セガの家庭用ビデオゲーム機のハードウェアや有力タイトルの説明にとどまらず、出荷数などの社内資料、開発や海外部署にまつわる逸話もふんだんに盛り込まれている。さらに任天堂、NEC、ソニーといった他社の動向やヒット作にも多数言及され、それらに触れたゲームプレイヤーたち、そしてもちろんセガファンの心情も生き生きと描かれている。 加えて奥成氏自身の“ゲーム小僧”からセガ社員に至る道のりまでも率直で平易に語られており、その充実した内容に似合わず、すらすらと読めてしまう稀有な本と言えるだろう。 さてこの『セガハード戦記』にもあるように、セガの家庭用ゲーム機の歴史は40年前の1983年7月、ファミコンと同月同

                                          「ホビーパソコン」とは何だったのか? その歴史をその言葉の始まりから調べてみた
                                        • 理想を追求したゲームギア,時代の先端を行ったアーケード基板……セガのハードに込められた矢木 博氏の矜持 ビデオゲームの語り部たち:第21部

                                          理想を追求したゲームギア,時代の先端を行ったアーケード基板……セガのハードに込められた矢木 博氏の矜持 ビデオゲームの語り部たち:第21部 ライター:黒川文雄 カメラマン:愛甲武司 2020年10月6日,セガの携帯ゲーム機「ゲームギアミクロ」が発売となった。ちょうど30年前の1990年10月6日に発売された「ゲームギア」が約40%に縮小されたデザインの同機は,ゲームギアの発売30周年とセガの誕生60周年を記念する製品だ。 ゲームギアの全世界累計販売台数は1000万台以上。任天堂の携帯ゲーム機「ゲームボーイ」の数字にこそ届かなかったものの,ヒット商品であることに疑いの余地はなく,ゲーム史に名を刻んでいる。また,別売りのチューナーパックによって「携帯テレビ」として使えることも斬新だった。 「ゲームギア」 そんなゲームギアは,どのようにして生まれたのか。今回の「ビデオゲームの語り部たち」では,セ

                                            理想を追求したゲームギア,時代の先端を行ったアーケード基板……セガのハードに込められた矢木 博氏の矜持 ビデオゲームの語り部たち:第21部
                                          • Googleのクラウドゲーミング「Stadia」の致命的な失策……なぜYouTubeという最強カードを切らなかったか

                                            2019年、サンフランシスコで開催されたゲーム業界向けカンファレンス「GDC」の基調講演で話す、フィル・ハリソン副社長。 REUTERS/Stephen Lam まず、Stadiaがどんなサービスだったかを解説しよう。 Stadiaはいわゆる「クラウドゲーミング」と呼ばれるタイプのサービスだ。 手元の機器でゲームソフトが動作する家庭用ゲーム機などと違い、クラウドゲーミングでは特別な機器を必要としない。 ゲームの実行そのものは、ネットの向こう側(クラウド側)にある「ゲームサーバー」で行われるからだ。 ユーザーは、手元のPCに接続したコントローラーを使い、映像と音声はネットを介して手元の機器に送られる。ちょうど、Zoomごしにゲームをプレイする様子をイメージするとわかりやすいかもしれない。 一定速度の安定した通信が行えるネット回線は必要になるが、ゲームをプレイする端末側に、高性能な性能は必要な

                                              Googleのクラウドゲーミング「Stadia」の致命的な失策……なぜYouTubeという最強カードを切らなかったか
                                            • 海外「日本の貢献は計り知れない!」 日本が人類にもたらした影響の大きさが外国人の間で話題に

                                              太古より、発明と進歩を繰り返してきた人類。 まず200万年前にホモ・ハビリスが石器を発明し、 50万年前にホモ・エレクタスが火を使用。 そして時は下り、1万年前に西アジアで牧畜が普及し、 5500年前にシュメールで車輪と文字が、 そして2000年以上前に中国で紙が誕生します。 そこからは緩やかな進歩を続け、 15世紀ごろから急速に様々な学問が発展。 そして19世紀になると発電機、プラスチック、 電話、ガソリン自動車、ディーゼルエンジンなどなど、 現代文明にもつながる発明が相次いで登場し、 20年代以降は、便利さが加速度的に増していきました。 さて、今回の翻訳元では、 「日本が人類にもたらしたもの」を1つだけ、 つまり数ある日本の物事の中から「最高」を答えるスレからで、 わずか1日で2000を超えるコメントが寄せられるなど、 海外のネット上で非常に大きな反響を呼んでいます。 寄せられていた反

                                                海外「日本の貢献は計り知れない!」 日本が人類にもたらした影響の大きさが外国人の間で話題に
                                              • プレイステーションの歴史を紐解く書籍「プレイステーションの舞台裏:元CTOが語る創造の16年」が発売。黎明期の成功と発展を内側の視点から振り返る

                                                プレイステーションは販売4年で利益1,000億円、7年で売上1兆円を超え、その後据え置き型ゲーム機として史上初の5億台を達成。そんなプレイステーションについて、それぞれの軌跡を茶谷氏の視点で追う。 さらに、進んでいくプレイステーションの世代とあわせて、茶谷氏のキャリアや手がけた内容についても収録。シリコンバレーへの赴任や日本への帰国など、グローバルに展開するゲーム機だからこその経験や視点を学ぶことができそうだ。 価格は電子書籍版が税込1000円、紙書籍版が税込2000円。いずれもAmazonにて展開されている。 「プレイステーションの舞台裏:元CTOが語る創造の16年」を日本および海外14か国で書籍発売2024年12月に発売30周年を迎える世界的ゲームプラットフォーム事業創造と発展の舞台裏を「オフィスちゃたにパブリッシング」ブランドで上梓。英語版は6月以後海外にも展開予定。 「創造」経営の

                                                  プレイステーションの歴史を紐解く書籍「プレイステーションの舞台裏:元CTOが語る創造の16年」が発売。黎明期の成功と発展を内側の視点から振り返る
                                                • 16兆円のゲーム産業 SNS中心の現代でいかに共有されるコンテンツを作るか?|ハイクラス転職エージェントのパソナキャリア

                                                  私はゲームジャーナリスト、編集者として活動しながら、2500万PVを達成したゲーム批評ブログ「ゲーマー日日新聞」の運営もしている。ほぼゲーム漬けの毎日だ。そんな仕事柄、都内で色々な路線を利用しているが、いつ、どの電車に乗っても、乗客がひとりもゲームで遊んでいないという状況に出くわしたことがない。 ある学生はNintendo Switchでポケモンを楽しみ、ビジネスマンはスマートフォンで何らかのRPGを集中してプレイし、女性はパズルゲームに夢中になっている。もちろん、わざわざ画面をのぞき込むなんて失礼なことはしていないが、自然と人々が熱心に握りしめるデバイスから発せられる、ゲームならではの光や色彩から、すぐ「あぁ、この人もゲームで遊んでいるのだな」と分かってしまう。 今、ゲーム産業は急成長を遂げている。「Newzoo」によれば2019年の時点ですでにゲーム産業は世界全体で約16兆円の規模に到

                                                    16兆円のゲーム産業 SNS中心の現代でいかに共有されるコンテンツを作るか?|ハイクラス転職エージェントのパソナキャリア
                                                  • 「ゲーム愛が尋常じゃない集団。リスペクトしかない」 スクウェア・エニックス吉田直樹さんが背中を追いかける業界の巨人 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]

                                                    「立場上、なかなか口にしづらいけれど、実は競合他社の製品を愛用しているんです……」 業界問わず、こんな話を聞くことは珍しくない。昔からのファンという人もいれば、業界内で切磋琢磨(せっさたくま)するなかでライバルのすごさに魅了された人もいるだろう。 今日から始まる「競合多謝」は、先進的な取り組みを続ける各界のトップランナーに、「同業者のすごさ」について解説してもらう新企画。同業者による競合の評価は、プロならではの視点にあふれ、我々一般ユーザーに新たな気づきを与えてくれる。 初回に登場するのは、スクウェア・エニックスの吉田直樹さん。オンラインRPGの人気タイトル『ファイナルファンタジーXIV』(以下FF14)のプロデューサー兼ディレクターとして、ゲーム業界で圧倒的な知名度を誇る人物だ。 その吉田さんが「すごい同業者」として挙げたのは、オンラインゲームの一ジャンルで“革命”を起こした業界の巨人。

                                                      「ゲーム愛が尋常じゃない集団。リスペクトしかない」 スクウェア・エニックス吉田直樹さんが背中を追いかける業界の巨人 | 朝日新聞デジタルマガジン&[and]
                                                    • 過去のゲーム業界を語る難しさについて|初心カイ

                                                      少しばかり思うことがあったので少々。 某所にていざこざがあったのですが、こういった昔のゲームの出来事を調べていて本当に難しいと思うのは「何が本当なのか、互いの書いてあることが矛盾していてわからない」ということです。 原因の一つとしてはその本を書いてる著者が、ジャーナリストとして経験を積んだ一流の人材であったとしても、ゲームに関して、ゲーム業界に関してそもそも無知であるため、根本を理解しておらずとんちんかんな解説になってしまいがち、というものがあります(特にゲーム機のハードウェア的解説になると、一気にその素人っぷりが露呈します)。 そのため「業界人の語った内容が本当に真実であるか、保証できない」ということがこの業界には往々にしてあります。 例を挙げますと、「ゲーム大国ニッポン 神々の興亡」という本があります。これは各クリエイターやゲーム会社社長に直接インタビューを行い、この業界の背後で何が起

                                                        過去のゲーム業界を語る難しさについて|初心カイ
                                                      • [インタビュー]SC-3000&SG-1000発売40周年! セガハードを支えた石川雅美氏,奥成洋輔氏,堀井直樹氏がセガハード史を語る

                                                        [インタビュー]SC-3000&SG-1000発売40周年! セガハードを支えた石川雅美氏,奥成洋輔氏,堀井直樹氏がセガハード史を語る 編集部:早苗月 ハンバーグ食べ男 本日(2023年7月15日)は,セガ・エンタープライゼス(当時)からホビーパソコン・SC-3000および家庭用ゲーム機・SG-1000が発売されてから40周年を迎える節目の日となる。 今日の4Gamerには赤くて白いゲーム機の記事が何本か載っているはずだが,そんなことよりセガハードである。ドリームキャスト,セガサターン,メガドライブ……それらの始祖たるSC-3000&SG-1000こそ,我らが本日の主役。7月15日はセガハード記念日であり,それ以外の大抵のことは些事である。あっちの記事の機材提供も筆者だったりはするが,それはそれ,これはこれだ。 これを機に,改めてセガ8bitハード時代の裏側を探るべく,SG-1000IIか

                                                          [インタビュー]SC-3000&SG-1000発売40周年! セガハードを支えた石川雅美氏,奥成洋輔氏,堀井直樹氏がセガハード史を語る
                                                        • バンダイナムコ知新「第8回 第2章ナムコサウンドの発展の足跡を追う【後編①】」 | ファンファーレ

                                                          FM音源からナムコ独自のPCM音源へ。テクノロジーの進化はナムコのアーケード基板のサウンドシステムを急速に発展。その様子を第8回バンダイナムコ知新の第2章の前編、中編でお伺いしました。今回は、同時期に進化を遂げていった家庭用ゲーム機のサウンド制作環境についてお伺いしていきます。 小川 徹 1979年、ナムコ(当時)に入社、半年の営業研修後、ビデオゲーム開発部署に配属(当時『パックマン』を試作中)。『ギャラガ』プログラマーを担当後、ハードウエア開発、3Dハード前までの各種ハード、システム基板、カスタムICなどの設計を担当。JAMMA VIDEO規格専門小委員会に参加(副委員長)、通信プロトコル草案の策定にも携わる。PlayStation®︎互換アーケード基板「SYSTEM11」をSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント:当時)と共同開発。量産治具「フラッシュライタ」を製作。その後、役職

                                                            バンダイナムコ知新「第8回 第2章ナムコサウンドの発展の足跡を追う【後編①】」 | ファンファーレ
                                                          • PlayStation 3が「スーパーコンピューター」として研究分野で活躍した歴史

                                                            by Nikita Kostrykin 2006年にソニーから発売されたPlayStation 3は標準でフルHD規格に対応し、家庭用ゲーム機として初めて初のBlu-rayドライブやHDMIを供えたゲーム機です。そんなPlayStation 3の「スーパーコンピューターとしての活躍」について、PlayStation25周年を記念して技術系メディアのThe Vergeが解説しています。 The rise and fall of the PlayStation supercomputers - The Verge https://www.theverge.com/2019/12/3/20984028/playstation-supercomputer-ps3-umass-dartmouth-astrophysics-25th-anniversary スーパーコンピューターとして活躍したことで知

                                                              PlayStation 3が「スーパーコンピューター」として研究分野で活躍した歴史
                                                            • レトロンバーガー Order 71:「アイドルマスター」最新作が発売されたから,アイマスに至るゲーム史を振り返ってみようか(1970年代から)編

                                                              レトロンバーガー Order 71:「アイドルマスター」最新作が発売されたから,アイマスに至るゲーム史を振り返ってみようか(1970年代から)編 編集部:早苗月 ハンバーグ食べ男 アイドルというのは、歌がうまくてかわいくてなどという素材の問題ではないと思う。素材と客との関係性において発生する「状態」のようなものだ。 消しゴム版画家兼コラムニストだったナンシー 関氏は,朝日新聞社(当時)の「週刊朝日」に連載していた“小耳にはさもう”(1996年3月6日付回)で,このように述べました。 近年,アイドルを題材にしたゲームが「溢れかえっている」と形容できるほどに増えていることは,皆さんもご存知の通り。関氏の述べた切り口から考えてみると,今は「ゲームおよびゲームのキャラクターが,プレイヤーとの“関係性”や“状態”を構築できるだけの表現力を獲得することに成功した」時代だと言えるかもしれません。 そんな

                                                                レトロンバーガー Order 71:「アイドルマスター」最新作が発売されたから,アイマスに至るゲーム史を振り返ってみようか(1970年代から)編
                                                              • 25年前、静かに発売されて埋もれていった「現代を舞台にしたゼルダ」な名作『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』が残したもの|Real Sound|リアルサウンド テック

                                                                25年前、静かに発売されて埋もれていった「現代を舞台にしたゼルダ」な名作『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』が残したもの いまから丁度25年前の1996年10月26日。NINTENDO64へと代替わりし、現役を退きつつも、新作の供給は続いていたスーパーファミコンで、ひとつのアクションアドベンチャーゲームが任天堂から発売された。 その名は『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』。 「任天堂初の本格ACT(アクション)アドベンチャーゲーム登場!!」という見出しがパッケージ裏に記された本作は、3人の少年たちが、海賊に誘拐された担任の先生を救出するため、伝説の大海賊「キャプテン・マーヴェリック」の財宝を巡る冒険を描いた作品である。 開発には『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』でプログラム周りを担当されたスタッフが数人参加。さらにゼルダシリーズの効果音や演出も用いられていることから、「現代を舞台に

                                                                  25年前、静かに発売されて埋もれていった「現代を舞台にしたゼルダ」な名作『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』が残したもの|Real Sound|リアルサウンド テック
                                                                • 任天堂株主総会レポート2019

                                                                  毎年恒例の任天堂の株主総会レポートです。 一つ前の記事でも記載している通り、長期休暇を取って旅行の行程の最後に株主総会を組み込んだ(というか、株主総会に旅行を追加した)結果、帰宅後に疲れ切って寝ていたので記事の掲載がだいぶ遅れてしまった。 今回は、古川社長が議長を務める最初の株主総会となる。 だいたい毎年天気が悪くて、今年も雨。 駅から任天堂までの道のりは交差点ごとに案内板を持った社員が立っている 毎年のお約束事項だが、現地での不正確なメモを元に記事を書いており、聞き間違いや誤解が含まれる可能性があるため、正確な情報を知りたい方は後日任天堂のサイトに議事録が掲載されるのを待つことを強くお勧めする。 いままでの総会との違い 任天堂の株主総会は、任天堂の研究開発棟の最上階にあるホールで行われ、役員たちの席と株主たちの席が向かい合う形で配置される。 今回は、役員たちの席の前に長テーブルが置かれ、

                                                                  • 幻に終わった対任天堂共同戦線 セガ&SCE|初心カイ

                                                                    1990年代初頭、某所にて今後のゲーム業界を大きく左右する二社合同技術研究会が行われていた。 その研究会に参加していたのはセガの佐藤秀樹。後にセガ社社長にまで上り詰め、セガハードの父と呼ばれる男だった。セガ内のエース中のエース、アウトランとスペースハリアーを作った男、鈴木裕もいた。 そしてさらなる男がいた。ソニーの久夛良木健。プレイステーションの生みの親である。 彼らを中心にセガ、ソニー両社の技術者たちが机の上に並べられた資料を持って喧喧諤諤の大議論が行われた。その資料とは、開発途中だったセガサターンの資料だったのだ。隠しているものは何もなく、全スペックを久夛良木たちの前にさらけ出していた。 彼らの頭にあったのは「対任天堂共同戦線」である。当時のゲーム業界最大、最強の巨人に対抗しなければならない。それはセガ、ソニー両者の共通認識だった。そしてじきに「二社が共同で同じハード上で力を合わせるこ

                                                                      幻に終わった対任天堂共同戦線 セガ&SCE|初心カイ
                                                                    • Xbox が日本で売れないのは年齢層が違うから - 最終防衛ライン3

                                                                      なぜ、Xbox Oneは売れなかったのか。歴代Xboxの歴史をなぞって考える。|ゲームキャスト|note Xbox シリーズが日本で売れなかった理由は色々とあるだろうが、市場を構築できなかったのは間違いない。なぜそれができなかったのか。Xbox の本体が大きすぎたり、ディスクに傷が付いたりと初動の悪さが販売に響いたのも一因だろう。しかし、結局は市場がマッチしていなかったと考える。市場がマッチしていなければ、売り場も作られないし、買う人もいないからだ。 市場がマッチしなかった理由は、日本とグローバル市場でゲーマーの年齢層が異なるからだ。本稿ではその違いを示しつつ、その後に Xbox のセールス情況を年代に沿って追いながら、今後の家庭用ゲーム機市場について語りたい。 2018年のゲームソフト売り上げランキング ゲーマーの年齢 家庭用ゲーム機とPC 存在感をアピールしたXbox スタートダッシュ

                                                                        Xbox が日本で売れないのは年齢層が違うから - 最終防衛ライン3
                                                                      • 上田文人とJenova Chenが語る,アートと制作の苦悩,そして「ゲームを作る」ということ――イメージか,ロジックか

                                                                        上田文人とJenova Chenが語る,アートと制作の苦悩,そして「ゲームを作る」ということ――イメージか,ロジックか 編集長:Kazuhisa カメラマン:佐々木秀二 日本に,上田文人というゲームデザイナーがいる。 上田氏自らが世に出した作品は,わずか3本。その3本はすべて世界で高く評価されており,“上田ワールド”とも呼べる独自の世界が魅力だ。 2本目の作品である「ワンダと巨像」は,GDCのアワードのゲーム・オブ・ザ・イヤーを含む5部門を受賞し,Time誌が選んだ「All-Time 100 Video Games」※にも選ばれている。最新作の「人喰いの大鷲トリコ」も,日本ゲーム大賞を始めとしてD.I.C.E.Awards,英国アカデミー賞ゲーム部門,文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門など,世界の賞を総ナメにしている。 ※「All-Time 100 Video Games」歴史上

                                                                          上田文人とJenova Chenが語る,アートと制作の苦悩,そして「ゲームを作る」ということ――イメージか,ロジックか
                                                                        • 1億台以上売れたPlayStation 2はスーパーコンピューターとしてのポテンシャルを秘めていた

                                                                          by Deni Williams 2000年に登場した「PlayStation 2」は、2012年までに累計1億5500万台販売された超人気ゲームハードです。そんなPlayStation 2をスーパーコンピューターとして利用する実験が、アメリカの国立スーパーコンピューター応用研究所(NCSA)によって実施されていました。 NCSA 30 | NCSA creates Sony PlayStation2 cluster https://ncsa30.ncsa.illinois.edu/2003/05/ncsa-creates-sony-playstation2-cluster/ PlayStation 2は発売当初から「Linuxを用いて開発されたゲーム機」であることが知られており、PlayStation 2で動作可能なLinuxの公開を求める声が多く集まっていました。この状況を受けてソニー

                                                                            1億台以上売れたPlayStation 2はスーパーコンピューターとしてのポテンシャルを秘めていた
                                                                          • 歴史に名を刻め セガ サターン流通改革の裏事情 -前編-|初心カイ

                                                                            その偉大なる挑戦者の名は セガ かつて巨人任天堂や、超新星ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)に立ち向かい戦ったものの名である。 その歴史には数々の敗北が刻まれているが、セガはそれを決して恥じることなく自社ホームページ内に掲げている。 そんなセガのホームページ内にこのような記述がある。セガハードヒストリー内、第五回セガサターンの項目だ。 https://sega.jp/history/hard/column/column_05.html 「セガは、CD-ROMによるゲームソフトの製造コストダウンとあわせ、流通コストを下げることを狙って『セガ・ユナイテッド』を設立。ゲームソフト流通にも本格的に参入し、『メガドライブ』後期には8,000円近くにまで上昇していたソフトの価格を下げるべく動きます。」 たった一文。これだけの記述の背景には、セガの、ゲーム業界の巨人任天堂に挑んだ熱意と、新

                                                                              歴史に名を刻め セガ サターン流通改革の裏事情 -前編-|初心カイ
                                                                            • 予約殺到のプレステ5が“期待外れ”に終わる理由…任天堂に勝てないソニーの致命的な失敗

                                                                              「PlayStation 5」より 11月12日にソニー・インタラクティブエンタテインメントのプレイステーション5(以下、PS5)が発売される。9月18日より予約販売の受付が始まり、先着順で予約できるECサイトでは定価の数倍もの価格で転売する“転売ヤー”が現れるなど、熾烈な争奪戦となっている。 発売前から業界の話題を席巻するPS5の登場によって、ゲーム市場はどのように変化するのか。ゲーム事情に詳しいコラムニストのジャンクハンター吉田氏に聞いた。 「PS5がゲーム市場を席巻」は間違い? PS5のディスクレスのデジタルエディションは希望小売価格3万9980円、Ultra HD Blu-rayディスクドライブを備えたモデルは4万9980円となっており、両モデルともにCPUと4Kの高精細グラフィックスを実現するGPUが統合されたカスタムプロセッサ、ゲームのロード時間を大幅に短縮させるカスタムI/O

                                                                                予約殺到のプレステ5が“期待外れ”に終わる理由…任天堂に勝てないソニーの致命的な失敗
                                                                              • 「ゲームの歴史」を読みました / PS1に任天堂のDNAは宿っているのか?|初心カイ

                                                                                岩崎夏海氏・稲田豊史氏共著の「ゲームの歴史」1-3巻を読みました。 この本は「ゲームの歴史」を謳っていますが、歴史教科書的に事実の羅列で済ますのではなく、ある程度出来事とそのリアクションを掘り下げ、そこから自身の主張を搦めて一つの大きな物語を紡ぐ読み物になっています。いうなれば私の書いている記事の、もっともっと先をいった進化版のようなものです(プロの作家さんは本当に凄まじいですね)。 その上でその絡めた主張というのもなかなか面白く、「ゲームの根本はハッキングである」という主張には目からうろこでした。なるほど、本来の用途とは別方向のアプローチをしかけることがそもそものゲーム(=ハッキング)なのだ、という主張はゲームの歴史を覆って面白い物語に仕立てるのに相応しい、とても素晴らしいアイデアだと思います。(2023/2/9追記 そもそもゲームはコンピューターの本来の用途の内に入っておりハッキングで

                                                                                  「ゲームの歴史」を読みました / PS1に任天堂のDNAは宿っているのか?|初心カイ
                                                                                • 書籍『ゲームの歴史』に当事者たちから事実誤認との指摘続出で物議…ゲーム業界に悪影響

                                                                                  『ゲームの歴史』(講談社/岩崎夏海、稲田豊史) 昨年11月に出版された書籍『ゲームの歴史』(講談社/岩崎夏海、稲田豊史)の記述内容をめぐり、当事者やゲーム業界関係者から事実誤認との指摘が続出。セガで家庭用ゲームのローカライズ業務を担当し現在はソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のエグゼクティブプロデューサーを務める長谷川亮一氏はTwitterで、 <ホントに他にもあちこちツッコミどころだらけで、岩崎啓眞さんが「指摘するところが多すぎて脱力する」と仰るのが良く分かりました…> と投稿。NTTドコモのiモード開発・運営でゲームを含むエンタメコンテンツを担当していた現ドワンゴ専務取締役COOの栗田穣崇氏は <最後の最後で特大の誤りを発見…というか開いた口が塞がらないほどの誤りで笑ってしまう> と投稿。一連の指摘を受け筆者の岩崎氏はTwitterで、 <主観というけど化学じゃないん

                                                                                    書籍『ゲームの歴史』に当事者たちから事実誤認との指摘続出で物議…ゲーム業界に悪影響