花王株式会社(社長・澤田道隆)安全性科学研究所は、日本の住環境における微生物分布の実態を、一般家庭を対象にして調査しました。その結果、菌数としてはシンク排水口やキッチンスポンジ(掃除用)、蛇口付け根に多いことがわかりました。また、菌叢(菌の集団)の種多様性は、キッチンスポンジ(掃除用)と冷蔵庫野菜室で顕著に高いこと、特に冷蔵庫野菜室は病原菌を多く含む腸内細菌科が多く、それらは野菜に付着した土由来である可能性が示唆されました。 家庭内のどこにどのような種の菌がどのくらいの数いるかといった微生物分布の実態を正しく知ることは、衛生状態の確認や衛生製品開発において大変重要なことといえます。衛生状態の確認を目的として微生物分布の実態を知る方法はまちまちですが、比較的信頼性が高いと思われる評価指標としては、1)菌数、2)菌叢の種多様性、3)病原菌存在比率が挙げられます(図1)。1)は単純に生菌の数につ