標準化は業務活動に必要不可欠なものだが、それが企業や組織の「強み」を破壊してしまうとしたら、そんな標準化を実施してはいけない。業務には、標準化すべきものと、そうすべきでないものがある。ある点に注目すれば、「標準化すべきか否か」が自ずと明らかになる。 標準化の効果としてよく期待されるのは「属人化の排除」だ。ご存じの通り、属人化とは特定の業務プロセスが特定の担当者に強く依存して行われている状態を指す。特定の担当者に業務が集中しがちになり、「会計システムは、あの人が対応しないと仕事が回らない」とか、「この帳票システムの設計書のレビューには、あの人がいないと不安だ」といった事態に陥ってしまう。 属人化は、IT部門ではよく起こる問題である。IT部門の業務は、専門的なITの知識が問われつつ、さらに業務の知識も問われる。2つの異なる知識と幅広い経験が求められることから、どうしても担当できる人が絞られてく
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