閉店を告げるあいさつ文が張られた書店の店頭=3月、東京都世田谷区 日本書店商業組合連合会(日書連)による全国の書店の実態調査で、「ここ数年間の経営状態」が悪化したとする回答が計85%を超えたことが7日、分かった。ネット書店に押され、売り上げ低迷が深刻化している実態が浮き彫りとなった。 回答したほとんどの書店が売り場面積「100坪(約330平方メートル)以下」の小規模な店。「後継者がいない」とした回答も51.5%に上り、出版不況を背景に「町の書店」の存続が一層、危機に直面している。 経営悪化の原因としては、客の数や1人当たりの購入額の減少だけでなく、雑誌の売り上げの低迷、ネット書店の台頭を挙げる声が多数を占めた。
中央最低賃金審議会の小委員会=26日午後、東京都中野区 厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会の小委員会が26日午後、東京都内で開かれ、2016年度の地域別最低賃金をいくら引き上げるかの目安について協議した。現在の全国平均は時給798円。安倍晋三首相は3%の引き上げを求めており、現在の方式となった02年度以降で過去最大の引き上げ幅である24円前後の実現が焦点だ。労使の攻防は大詰めを迎え、26日深夜から27日早朝に決着する見通し。 都道府県ごとに決まっている最低賃金は、パートなどを含めた全ての働く人が企業から受け取る賃金の下限額で、中央審議会は目安となる引き上げ額を答申。昨年度は平均18円増だった。
日本新聞博物館のリニューアルオープンのセレモニーで、テープカットする日本新聞協会の白石興二郎会長(右)と林文子横浜市長=20日午前、横浜市中区 横浜市中区のニュースパーク(日本新聞博物館)が20日、映像やCGなどのデジタル技術を駆使して展示内容を全面的に新しくし、リニューアルオープンした。 オープンに先立ち、館内でセレモニーを開催。運営する日本新聞協会の白石興二郎会長は「博物館の活動を通して、次の世代を担う子どもたちの学びを応援したい」とあいさつした。 今回導入された取材体験ゲーム「横浜タイムトラベル」は、横浜の街並みを再現したジオラマにタブレットをかざすと過去にタイムスリップ。ペリー来航や山下公園誕生の秘密などの取材を疑似体験できる。
倒壊防止のための緊急工事が行われている熊本城の「飯田丸五階櫓」=21日午前 熊本地震で大きな被害が出た熊本城(熊本市)で、かろうじて残った石垣部分で支えられ、倒壊を免れている櫓の緊急工事が21日、報道陣に公開された。 櫓は「飯田丸五階櫓」で、城の南側を守る要とされる。現在は櫓を覆うように鉄骨を組み、崩れないようにしている。この日は鉄骨をレール上で滑らせて移動させる作業を行った。今後、櫓の下に3本の支柱を差し入れて土台の復旧工事に当たる予定だ。 櫓は熊本地震の「前震」と「本震」で土台の石垣が崩壊。残った角の部分が支えている様子が東日本大震災で津波に耐えた「奇跡の一本松」を連想させたことから、市民に「奇跡の一本石垣」と呼ばれている。
地震の影響で亀裂が入った東海大農学部の講義棟の床=20日午後、熊本県南阿蘇村 地震の影響で崩れた東海大農学部キャンパスの駐車場=20日午後、熊本県南阿蘇村 東海大は20日、熊本地震で被災し授業で使えなくなっている熊本県南阿蘇村の農学部キャンパスを報道陣に公開した。農学部在籍の約千人は1日から熊本市のキャンパスで授業を受けている。 講義棟の床に亀裂が入ったり、壁に多数のひびが入ったりしたほか、敷地に地割れが発生。実験用農場や家畜は残っているが、水道が使えないため、近くの水源から仮設ホースで水を引いている。 東海大は、地盤調査の結果を踏まえ授業ができるかどうか検討する。東海大九州キャンパス長の中嶋卓雄教授(59)は「地域貢献になるような再建をしたい」と話した。
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