西日本豪雨で、各地の文化財も浸水などの被害を受けた。文部科学省の1日現在のまとめによると、被害は軽微なものも含め、国指定の文化財だけで国宝2件、重要文化財34件など26府県の計201件。観光地となっている町並み保存地区や古墳など多岐にわたり、復旧のめどが立っていない文化財もある。 国の「重要伝統的建造物群」に選定された広島県竹原市の町並み保存地区では、約360棟のうち約40棟が浸水被害に遭った。江戸時代の古い商家が建ち並び、町人文化の面影が色濃く残る。平安時代、京都・下鴨神社の荘園として栄え、「安芸の小京都」とも呼ばれる。NHKの連続テレビ小説「マッサン」のロケ地にもなり、アニメでも描かれた。 今回の豪雨で泥水が広い範囲に流入。竹原市教委によると、無料公開していた「頼惟清(らい・これすが)旧宅」は畳を上げて乾燥、消毒作業を行っており、立ち入り禁止になっている。