<図書館のニーズが高まる一方で、全国の図書館では非正規の職員が急増している。公共サービスの質の低下だけでなく、公共部門の賃金格差の問題も見逃せない> 博物館(美術館なども含む)の学芸員の存在を否定する政治家の失言をきっかけに、学芸員や図書館司書への関心が高まっている。 教育は大きく分けると「学校教育」と「社会教育」に分けられるが、後者の代表的な施設として図書館がある。全国の津々浦々に設置されている公共施設で、地域住民の生涯学習に寄与している。 そこには司書をはじめとした職員が置かれ、利用者のレファレンス等の対応にあたっている。図書館の職員数は1990年度では1万6331人だったが、2015年度では3万3155人に倍増している(文科省『社会教育調査』)。少子高齢化や社会変化の加速によって、生涯学習への需要が高まっているためだろう。 【参考記事】世界トップの教育水準を労働生産性に転換できない日