世間を騒がせている森友学園問題とは何だろうか。今さら聞けないとお悩みの方のためにも話を整理したい。疑惑の核心は、財務省による学園側への国有地払い下げに、安倍晋三首相夫人が関与したかどうかだ。大阪府豊中市の国有地を粗末に扱うような政権であれば、いくら沖縄県・尖閣諸島の国有地を「中国から守る」と訴えても、その信ぴょう性には疑問符が付く。「保守」を標榜する首相はどこまで疑惑解明に応じるのか。真価が問われる。 ▽権力の頂点 森友問題が明るみに出る前の昨年10月25日、東京・渋谷区にある国連大学。スーツ姿の昭恵夫人がほほえみを浮かべながらワンボックスカーを降りると、玄関ホールで待ち受ける多くの幹部職員が深々とお辞儀。外務省主催のシンポジウムでのあいさつをこなすと、背広姿の一団にうやうやしく見送られた。 まるで首相本人が登場したかのような物々しさ。前を横切ろうとした在京紙記者の1人は、職員から「ちょっ