栃木県益子町田町地区の呉服店「もおかや」の女将(おかみ)、飯塚フミさん(65)は、地元で夏に食べられている「ビルマ汁」を広めようと、正統派レシピを作った。 ビルマ汁とは、第2次世界大戦で出征した先代が、捕虜となったビルマ(現ミャンマー)で現地の人に食べさせてもらったカレー風味の野菜煮込みスープだ。その味が忘れられず、復員後、自宅で再現した。 勝手に「ビルマ汁」と名付け、嫁のフミさんが作り方を忠実に守ってきた。やはりビルマで捕虜になっていた那須烏山市の男性(95)も、最近フミさんのビルマ汁を食べて「この味だよ」と感激したという。 「最近はアレンジを加える人もいるが、本当のビルマ汁を知ってもらいたい」と、主婦グループ「田町なでしこ会」と共同でレシピを完成させた。 ナス、インゲン、トマトなどの夏野菜と豚バラ肉を和風だしで煮込み、カレー粉で味付けする。酸味が利いてサッパリしている。土祭(ひじさい)