ブッシュ米大統領マリキ首相 【ワシントン=梅原季哉】ブッシュ米政権が、反米勢力制圧に向けた貴重な味方であるはずのイラクのマリキ首相やその側近ら同政権高官を対象に、内輪で何を話しているのかを探る大規模な盗聴作戦を実施してきた――権力の内幕をえぐる報道で知られるワシントン・ポストの編集局次長、ボブ・ウッドワード氏が、8日発売の最新の著書でそう暴露していることが分かった。 ポスト紙が報じたところによると、米政権の高官の一人は「彼(マリキ首相)が話す言葉は全部把握している」とまで語った。一方、盗聴はリスクが高すぎると懸念を抱いている米高官もいるという。 ウッドワード氏はまた、泥沼に陥ったイラクの治安が07年から劇的に改善したのは、ブッシュ氏が同年1月に反対を押し切って踏み切った駐留米軍の増派が成功したためではなく、イラク・アルカイダ機構など反米テロ勢力幹部の所在を探知し、殺害する情報入手の技