ふたたび、Monsters v.s. Deep Ones の後日談です。(本編の登場人物が全員出てくるわけではないので、後日談というよりは外伝と呼んだほうが正しいかもしれませんが。) 全文は「続きを読む」からどうぞ。 ーーーーー 俺は、短くなってきた煙草を右手の親指と人差し指でつまんで唇の間から抜くと、胸一杯に溜め込んでいた煙を、斜め上に向けて吐き出した。 口を離れていった、白い、もやもやとした固まりは、暗くなりはじめたばかりの空に昇っていくわけでもなく、すぐに四散してしまう。 ベランダの手摺にもたれかかり、もう一度、煙草をくわえる。 近くにある商店街のアーケードで放送している音楽が、風に乗って聞こえてくる。 深みも技巧もなにもない、機械が出力しただけの平板な調べだ。 くだらない。 ***** いっしょに暮らしている翼のあるものたちのうちのひとりが、毎日、日が暮れて空が藍色に変わりはじめる