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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (138)

  • 深町秋生の序二段日記

    いやあ、こんな映画があったのだなあ。五木寛之原作の東宝カーチェイス映画「ヘアピン・サーカス」(72年)である。 オフ会で真魚八重子さん(id:anutpanna)に会うたび、なんだかブラックカレーにはまってしまったグルメ客みたいなうっとりとした表情で「ヘアピン・サーカス……ヘアピン・サーカス……深町さん、見たほうがいいよ……」と勧められてかなり当惑したのだけれど(むろん嘘であって、普通に勧められた)、なにより信頼できる目をもった人なので買って見たのだけれど、なるほどこれはおもしろい。見終わってからまた再び再生ボタンを押して、猛スピードで流れていく昭和首都高のアーバン風景を見つめていた。できれば暗闇に包まれた映画館の大スクリーンで見たかったなとも思った。 http://www.mandarake.co.jp/information/column/iwai/food/043/index.htm

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    つい先日も見たのだけれど、松清張映画の「疑惑」を資料のために再び見た。 裁判員制度がもうすぐ始まるという意味では、今もっとも見られるべき映画ではなかろうかと思う。映画の脚も清張御大が行っていることもあって、情念うずまくオンナの対決といういかにもな作品に仕上がっている。 もともとこの作品は、昭和49年に大分県で起きた母子偽装殺人事件からヒントを得ている。去年のムックに書いたのだけれど、不動産コンサルタント業を看板に掲げた極悪詐欺師荒木虎美が保険金目当て三人の子持ちの女性と結婚し、ドライブと称して子を連れ出して、海にドボン。自分だけが泳いで助かり、ドライブを嫌がった長男以外の三人すべてが死亡するという非道な事件をベースにしたものである。 荒木には前科が山ほどあり、むしろシャバよりムショで過ごした期間のほうが長かったという筋金入りのワル。おまけに自宅を燃やして保険金を詐取しようとしたこと

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    すごいものを読んでしまった。漫画アクション誌で連載されていたころから話題になっていたが、それも納得の大傑作。新刊「ワイルド・ナイツ」は古泉智浩の最高傑作だろう。代表作といえる。 毎度狂おしいDT力を炸裂させて、伊集院光や銀杏ボーイズなど、個性あふれる有名人から熱い支持を受ける彼だが、今回も行き場のない煮えたぎるような男の苦悶が濃厚に描かれる。今回は童貞などではなく、主人公は隠し子がいて、見たことのない子供のために毎月の養育費に追われる三十男という、ちょっぴり大人な設定(それが自伝的コミックというのだから……作者もいろいろあったのだなと思う)だが、これまでの古泉作品と同じく、男はセックスの欲望にとりつかれていて、婚約を解消し、せっかく別の彼女とつきあってもセックスのことしか頭にないためにけっきょくそちらからも捨てられる。テレクラ通いや合コンをいくらやっても心は渇ききったままで、現代地方風俗の

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    東京の人口が未だに増え続けているという。もうすぐ1300万人を突破するとか。 仕事を追い求めて地方の人間がぞくぞくと集まっているのであろう。しかしそれだけではなく、リタイヤした高齢者もけっこう東京に向かっているのではないかと思う。仕事ほしさだけで人は上京するわけではないようだ。 先日、TBS系の深夜ドキュメント番組「ドキュメント・ナウ」を見た。この番組はわりと好感が持てて、大衆の現状というものを過剰に(古舘の過剰に深刻ぶった面にはうんざり)伝えることがない。テンポよく淡白にやるから鼻につかない。 先日は札幌における高齢者の集団生活の姿を追っていた。さまざまな理由で田舎で暮らせなくなった高齢者らが、札幌の元学生寮に集まって、スタッフとともに共同で生活するというもの。半介護施設といった感じだろうか。若者の減少によって空いた都会の学生寮に、地方で住めなくなった老人が集まるという姿が大変おもしろ

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    これぞメタルですよおおお!! 王道ですよお!! ……と、思わずターザン山化してしまった。完全に出遅れてるのだが、あまりにメタリカの新作PV「All Nightmare Long」がすばらしすぎて泣けたという話をしなければならんと義務感が湧いた。 去年は主にエレクトロばかり聴いていたけれど、久々にメタル熱も蘇ったという感じでしょうか。それぐらいすばらしい出来。年々、音楽業界がしょっぱくなっていくなかで、ここまで大作で金のかかったゴージャスな悪夢を再現したメタリカに感謝したい。 http://fmusictv.com/rock/003546-metallica-all-nightmare-long.html とはいえyoutubeの質の悪い海賊映像で見てもあまりおもしろくないので、こちらで見るのを推奨する。荒い画像のCMが一くらい入るが、フルスクリーンでわりといけるクリーンな映像。ヘッドホ

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    [rakuten:americanpie:10005721:detail] オバマ大統領の就任式を見ながら仕事をしていた。 で、アレサ・フランクリンが歌っていたが、いやここはぜひHouse of painに登場していただきたかった。もちろんナンバーは90年代前半に大ヒットした「Jump Around」だ。演説でアメリカという国がいかに多種多様の文化の集合体であったかを触れてきたオバマであれば、やっぱり選んでほしいのはこのナンバーがであった。これほど多くの人種が絡んだ曲もめずらしい。ちなみに何度聴いても血がうずく男騒ぎなパーティソングである。PVも不穏当でじつにすばらしい。 House of painはアイルランド系ヒップホップユニット。 ヒップホップ=黒人文化という図式を崩すことに成功したラテン系ヒップホップユニット、サイプレスヒルが後見人となってデビュー。「Jump Around」が大ヒ

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    派遣村に関する騒動を見ていると苦々しい寂しさが湧く。すっかり出遅れてしまったけれど。 で、今が極貧社会なのだという実感が湧いた。それまでだって貧困社会だとは思ってはいたが。 http://d.hatena.ne.jp/kechack/20090109/p1(政治に関心の薄い層に残る自己責任狂 Munchener Brucke) http://d.hatena.ne.jp/Prodigal_Son/20090109/1231512798(個人的にはこういうことをいえる人はすごいと思う。土曜の夜、牛と吼える。青瓢箪。) あらゆる理由をこしらえて、どうにかして派遣村をバッシングしたい。「あそこに集ってるのはアカと怠け者に決まっている! そうであってくれ!」という必死さ。「タバコ吸う余裕があるなんて!」とか当に目のつけどころがすごいと思う。そのエネルギーを横峯さくらのオヤジとか、JK大好き義家先

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    家で原稿が書けない。 という自分の短所に気づいて、最近は図書館やファミレスや喫茶店をさまよう日々だ。(近所のファミレス「ガスト」&「ココス」。いつもヌシみたいに長時間いて、ごめんなさい) ドリンクバーのコーヒーを馬のように飲み干しつつ、カタカタと原稿を書く毎日だが、ふと顔をあげるとそこにはある常連が来ている。50歳ぐらいの夫婦で、夜になると南陽市のどこかの店で毎日のようにお茶を飲んでいる。昨日は「ミスタードーナッツ」にいた。たぶんあっちも「またノートパソコンの男がいる……」と思っているかもしれない。昨日も会ったが、まさか今日は「ガスト」で会うとは。まあ夜の南陽市でゆっくりお茶ができる場所といったら3つしかないんだけど。 ちょっと驚いたが、当に驚かされるのは毎日夫婦でお茶を飲みにくるその習慣だろう。たぶん酒を飲まないのだろう。まったく会話がとぎれる様子もなく、落ちついた調子でずっとなにかを

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  • パックマン、ゴールデンボーイを食す。 - 深町秋生の序二段日記

    ボクシング界では9・11並みにすごいことが起きた。 今回はちょっとマニアックな話。ボクシングである。 アジアの至宝、アジアの大砲と呼ばれる4階級制覇のフィリピン人ボクサー、マニー・パッキャオがなんとデラ・ホーヤを一方的にぶちのめしたのである。 パッキャオはアメリカでたぶんもっとも有名なアジア人である。ヘビー級重視のアメリカのボクシング界でスーパースターの座についた。フライ級やジュニアフェザー、ライト級を制し、アジア人初の4階級制覇を果たしたのだ。サウスポースタイルの超強打者であり、軽量の選手でありながら、リアルはじめの一歩といった感じで、極悪な左ストレートで相手をロープまで吹っ飛ばすというマンガみたいな怪物である。(池上遼一のマンガみたいなパンチ)大物チャンピオンを次々に捕することからパックマンのあだ名がついた。 怪物とはいえ、相手は6階級制覇という前人未到の記録を作った生けるギネスブッ

    パックマン、ゴールデンボーイを食す。 - 深町秋生の序二段日記
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    「私は黒人の植民地化を唱えてきたし、実現するまでは訴え続けます。例の奴隷解放宣言は、植民計画の一環だったのです。何千という黒人がもう百年も北部で暮らしていますが、誰一人として白人教会の牧師になった者はいないし、裁判官、知事、市長、大学長―どれもいない。白人はいくつかの人種に区別されているわけではありません。みな混ざっているのです。そこへ黒人が同居する余地などないでしょう。といって奴隷や日雇い労働者、小作人はいりません。白人と黒人が同化するか、追い出すか、二つに一つ。アメリカ国民は、一人一人が最上の国民にしかなり得ないのです。社会生活でも政治の世界でも、黒人を平等に扱うなど、これほど嘆かわしい状況は考えられませんね。奴隷解放のためとはいえ、白人黒人の混血の国になるのは高い代償です」 第一部第四章「大物の衝突」より オバマ上院議員が次期大統領となる。 ということで急に読み返したのが、2年前くら

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    今日発売の「映画秘宝」誌に2ページでインタビューが載っております。 高橋ヨシキさん、編集部の田野辺さん&力夫さんと新宿の喫茶店で、「東京デッドクルージング」やケッチャム、郊外、狂い咲きサンダーロード、悪魔のいけにえについていろいろ語っております。どうぞよろしく。 ちなみにケッチャムはどんどん映画化されるなあ。なぜか「オフシーズン」の続編「襲撃者の夜」も映画化されるらしい。「オフシーズン」はまだなのに……。 ちなみに地方紙に連載されている辺見庸のコラム「水の透視画法」の今日のやつがすごかった。 メディア批判と未来への危機感がすさまじいです。地方紙ならどこでも載っていると思うので、読める人は読んだほうがいい。すばらしい内容。 あと来週28日の日曜日は山形で小説の講座やってます。えーと暇な人はどうぞ。 http://www.sakuranbo.co.jp/info/oshirase/2008/0

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    山形のインデペンデントロックフェス「DO IT 2008」に行ってきた。 繁華街(という名のゴーストタウン)の中心地にある映画館跡地が開催場所なのだが、ホテルで原稿書きながら暇を見つけては会場に通うという2日間だった。 1日目の鳥肌実の意外なしょっぱさにびっくりしたけど(学会おちょくりネタは好きだが)、DJBAKUやチョモランマトマト、それに曽我部恵一BANDなどが印象深く、なかなかの収穫。 ドラびでおも抜群のおもしろさ。彼のネタに女子十二楽坊をとことんコケにするやつがあるのだが(中国のセールスウーマンが数ヶ月の練習して付け焼刃程度の演奏能力を身につけただけなのに、田舎のインテリきどりのおばはんやおっさんはすっかり騙されて日で大ヒットという意地悪な説明が入る)、それがより猛毒な出来になっていて腹抱えて笑ってしまった。女子十二尺坊というタイトルで、じつにアダルティな内容であった。 しかし今

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    でもベストセラーのコーマック・マッカーシー「ザ・ロード」を読んだ。 ピュリッツァー賞受賞作であり、アメリカではすでに180万部の大ヒット。今年の冬には「イースタン・プロミス」で全裸バトルをしては婦女子たちのハートを泥棒したヴィゴ・モーテンセンを主役に据えて映画も公開される予定となっている。(シャーリーズ・セロンやぼくらのキルゴア中佐も出るのだそうな。すごいキャストだ) C・マッカーシーといえば、前作の「血と暴力の国」も「ノーカントリー」として映画化されるアメリカ文学界の重鎮。今回も「血と暴力の国」で見せた幻想的とも現実的とも、どちらともとれる独特の世界観が確立されている。それにしても、作品をかわいい息子に捧げているわりにはむごたらしく、描かれているのは荒廃と絶望の終末世界である。「お前はなにを考えてるんだ」とツッコミを入れたくなるほどヤヴァイ。 明確に書かれてはいないが核戦争後とおぼし

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    闇金ウシジマくんはこれまでも何度も取り上げてるが、最新刊12巻を経て、さらにぐっと文学性が増し、なんだか手の届かない高みに達した感があり、びっくりしてしまった。 連載当初こそはトサン(十日で三割)というハッタリ感ばりばりの闇金世界と、コミックらしい味付け濃い目のキャラクター、それにギトギトの暴力描写、倫理や道徳を軽くフライングした世界観で世の暴力グルメの舌を満足させてきたのだが、ついに最近では文化庁メディア芸術祭推薦作品に選ばれるなど(「いかにこの国がダメになっているのかを執拗に描いた作品に、国が優秀作品として推薦してしまうのだからなかなか懐深いというか。まあ別に役人が選んだわけではないんだろうけどかなり喜劇だ)、徐々にこのマンガは変化しつつある。 初期は最低なヤンキーや、怠惰なニート、ショッパホリック(買い物中毒)に陥ったOL、パチンコ狂いのフリーターなどの生態を濃密に描き、彼らに懲罰を

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    「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが、ポンコツのパックマンのゲーム機でプロディジーと邪悪生命体ベビーを生み出しているようだ。」 英NME誌 ヨーロッパの音楽が熱い。次々にイキのいいニューカマーが登場している。 そもそもフランスのキツネレーベルがなかなか無節操でいい。国籍などお構いなしにオーストラリアやイギリスやドイツ(売れているデジタリズムもドイツ在住だ)の若手をどんどんリリースしまくっては、きつい重低音のディスコパンクやエレクトロを聴かせてくれている。そもそもレーベルの中心人物の一人が日人(クロキ・マサヤ)でもある。 このキツネレーベルと、去年日でも売れに売れたジャスティスの活躍もあって、フランスのエレクトロの質の高さを実感したけれど、そんなおフランスに対抗するかのようにイギリスもかなり熱いことになっている。 いろいろといるのだけれど、今日はイギリスニューレイブの気鋭Hadouke

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    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/20/news069.html(「渋谷駅がダンジョンのようだ」と話題に ITmedia News) ちょっと前に渋谷駅や新宿駅が話題となっていた。あまりにあんまりに複雑化しているということで。 言われてみれば地下鉄との連携などもあって、地下はほとんど迷宮と化して、まるでSF世界のようではある。 特にJRがすさまじいように思える。国鉄の民営化とバブルを経て、ずーっと駅をいじくり続けてきた結果だろう。莫大な赤字を解消するために所有していた土地をデベロッパーと組んで売り払い、ホテルやショッピングセンターといった多角経営を展開。もともと巨大ビルが林立する汐留もかつてはJRの所有地だった。そういえば恵比寿駅もかなり奇怪な形になった。ビール工場跡地がガーデンプレイスという商業地帯に生まれ変わったが、それに合わせて駅

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    いやー、今年はベスト10を選ぶのが苦労しそうだ。 ロシアン極道を扱った映画「イースタン・プロミス」は高位置にねじこみたいすばらしい一だった。 きつめの暴力描写と、話題となっているヴィゴの特出し全裸バトル(淀長先生が墓から元気よく甦ってきそうな名シーンでした。まあやらし! 「レッドブル」みたい!)のおかげでみごと成人指定となったが、正調アウトロー映画として娯楽性が高く、冬のロンドンを舞台に、ロシアン極道たちの悲哀が良く出ていて、ラストではちょっと泣いてしまいました。 しかし正調といっても、そこはクローネンバーグ作品であって、この世の闇を魅力たっぷりに描いてしまっている。つまり来「忌まわしい」とされているものにぐぐっと迫り、倒錯した美しさを見せてくれるのだ。 売春組織から逃げ出した少女の死産に立ち会ったのをきっかけに、平凡な一市民である助産婦(ナオミ・ワッツ)が、ロンドンの裏でうごめくロシ

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    「ホットファズ」が署名運動のおかげで公開となった。 このムーブメントは好ましい。アメリカや外国では大ヒット飛ばしている良作が、どういうわけか日では公開もされずにビデオスルーや未公開になってしまう例があとをたたない。シネコンがアホみたいにどんどんできているくせに、やっているのは難病とか犬っころとか、女高生やホストがどうとか、ホントに個人的にどうでもいいやつばかりがかかっている。そういう状況を打ち破ってくれる突破口になってくれるといいなと思う。 ……とまったく同じ文章を先日書いたのだが、今とにかく映画ボンクラ界隈で盛り上がっているのがあのタイのガチステゴロ映画「マッハ!!!!!」(エクスクラメーションマークいくつつけるんだっけ)の続編と思しき作品のプロモ映像だ。 http://link.brightcove.com/services/player/bcpid1214128517?bctid=

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    そういえば麻草さんのマンガ解説がおもしろかった。 http://d.hatena.ne.jp/screammachine/20080428(そのマンガ、当にわかってる?) この解説は描き手ならではのもので、一度もマンガを描いたことのない私にはとても新鮮だった。効果線の用い方や人物の動き一つで印象ががらりと変わるのだなあと、マンガの奥深さに触れたような気がした。 これを読んで私も真似をしたくなった。まあ私のフィールドとなると小説である。小説のポイントというのをひとつ提示しておこうと思う。 80年代終わりのころに故中島らもは、小説という媒体は近いうちに滅ぶのではないかとエッセイで書いていた。活字離れがすでに進行していたし、映画テレビという強力かつ多くの情報がつまった媒体が進化した現代では、活字というのは恐竜のように自然と淘汰されていくのではないかという話だった。 昔、それを読んだときは「な

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    「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(以下「ゼア」)は数年に一度現れる超ド級の歴史的傑作だった。 まあ安易に傑作傑作と連呼していると、なんだかdankogai氏みたいで、ビジネス臭が漂ってしまうのだが(ええ、Perfumeをこれまでやたらと褒めたのはお金がもらえるからなの。みんなアミューズからの命令なの。みんなビジネス。だまされた気分はどうだい)、「ミスト」と並んで今年一位にしたい作品だった。 しかし「ノーカントリー」「ミスト」「ゼア」、これから新潟と仙台でPerfumeのライブ、そして「ランボー」となんだか最近は、盆と正月とハロウィンが電車道でやってきたような感じで、すっかり頭がイカれてしまっている。 http://d.hatena.ne.jp/satan666/20080504/p1(やがて血が水のごとく流される - Lucifer Rising) http://d.hatena.ne.j

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