村上リコ『図説 英国社交界ガイド』(河出書房新社 ふくろうの本)を読む。副題が「エチケット・ブックに見る19世紀英国レディの生活」。18世紀の産業革命の結果、19世紀にイギリスではブルジョワジーが繁栄を極めた。豊かになった中流階級が貴族や地主たちからなる上流階級への接近を図った。そのためのエチケット・マナーを教授する「エチケット・ブック」がよく売れた。本書は当時のエチケット・ブックの分析を通じて、どんなエチケットが必要とされたかを紹介している。 社交界とは、(……)貴族や地主からなる上流階級の人びとが交際するコミュニティだ。そこには、権力・権威をなるべく少数の人間の手中にとどめ、新参者が増えすぎないように防ごうとする力が働く。社交界に属する家系に生まれ育った人なら、当然身につけているはずの風習も、外部の人間にはわからない。そのため、貴族の世界の基本的な交際のルールに通じているかどうかが内と
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