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mmpoloに関するsphynxのブックマーク (271)

  • 50年と1週間 - mmpoloの日記

    末盛千枝子の「人生で大切なことはすべて絵から教わった」(現代企画室)は東京・代官山にあるヒルサイドテラス(槙文彦設計)の一角にある会員制図書室で1年間にわたったセミナーをまとめたものだ。末盛は初め絵の出版社で編集者をし、のちに自分の出版社すえもりブックスを立ちあげた。セミナーでは多くの絵との出会いが語られている。 その中で、父舟越保武に書いてもらった絵の原画のことが紹介される。 『ナザレの少年』は、ジー・シー・プレスに勤めていたときに出したです。すえもりブックスを立ちあげるときに、ジー・シー・プレスから出版の権利を譲ってもらいました。私の父、舟越保武のデッサンだけでできたクリスマスのです。 このの原画は描き始めたら1週間でできた。依頼してからなかなかできなかったのに、 それで父に、「1週間でできたじゃない」と言ったら、「馬鹿言え、50年と1週間だ」って(笑)。それはちょっと冗

    50年と1週間 - mmpoloの日記
  • プロの使っているカメラ - mmpoloの日記

    1月10日の朝日新聞「GLOBE」に写真の特集があって、11人の写真家への質問と答えが載っていた。質問は、1.いつも使っているカメラは? 2.撮りたいものは? 3.写真はどうなるのでしょうか? というものだったが、このうち1.の「いつも使っているカメラは?」の回答だけ引用する。 ・ジョナス・ベンディクセン A: キャノンEOS 5DとオリンパスPEN ・ ・ブライアント・オースティン A: ハッセルブラッドH3D II ・ ・長倉洋海 A: キャノンEOS 5D Mark II ・ ・十文字美信 A: 仕事は各種デジタルカメラ、プライベートは100%フィルムカメラ ・ ・石川直樹 A: プラウベルマキナ670 ・ ・高木こずえ A: デジタルとフィルム、計5〜6種類を併用。最近のお気に入りはツァイス・イコン ・ ・レスリー・キー A: Phase One H2に、120ミリレンズをつけて

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  • ハイデガー「現象学の根本問題」の新聞広告 - mmpoloの日記

    2月3日の朝日新聞に哲学書の広告としては異例の大きな新聞広告が掲載された。ハイデガーという20世紀最大の哲学者の決してやさしくはない格的な哲学書で、分厚くて5,040円もする。この大きさの広告代は200万円くらいするのではないか。この広告のコピーから、 待望の木田元訳で、遂に刊行! ・ 未完の主著『存在と時間』の欠落を補う最重要の講義録。アリストテレス、カント、ヘーゲルと主要存在論を検証しつつ時間性に基づく現存在の根源的存在構造を解き明かす。 出版元の作品社がこんな大きな広告を出すのは自信があるからに他ならないだろう。しかしハイデガーは他の出版社から全集も出されているのになぜか。 毎日新聞の「2010年この3冊」の1冊に評論家の三浦雅士がこの「現象学の根問題」を選んでいる。 ●マルティン・ハイデガー/木田元監訳「現象学の根問題」(作品社) これは、立ち読みでもいいから、まず「訳者あと

    ハイデガー「現象学の根本問題」の新聞広告 - mmpoloの日記
  • 「スナップショットの魅力」のポール・フスコ - mmpoloの日記

    東京都写真美術館で「スナップショットの魅力」と「ニュー・スナップショット」という2つの写真展が開かれている(2月6日まで)。 「スナップショットの魅力」は、ちらしによれば、 展では、ウォーカー・エヴァンズやアンリ・カルティエ=ブレッソンなど写真史に刻まれるスタンダードな作品から、現代に撮影され、日の美術館では初登場になる作品まで、未来に向け進化する「スナップショット」のエレメント(要素)とは何かを考えようとするものです。 そして、「ニュー・スナップショット」では6人の写真家、池田宏彦、小畑雄嗣、白井里美、中村ハルコ、山城知佳子、結城臣雄が展示されている。 最も感銘を受けたのが、「スナップショットの魅力」に25枚の写真が展示されているポール・フスコの「ロバート・F. ケネディの葬式列車」だった。 これは暗殺されたロバート・F. ケネディの遺体(棺)をニュー・ヨークからワシントンDCまでゆ

    「スナップショットの魅力」のポール・フスコ - mmpoloの日記
  • 瀬戸照展を見る喜び - mmpoloの日記

    銀座のスパンアートギャラリーで「スーパーリアリズム−細密画3人展−」が開かれている(1月29日まで)。 その一人瀬戸照はコマーシャルの世界でイラストレーターとして出発した。その後子供向けの科学絵の絵を描いたり、雑誌のイラストを描いたりしている。瀬戸の特徴は徹底的な細密画で、枯れた植物を描いたり病気の果物を描いたり、石ころを描いたりしている。それも極めて写実的に。すると、いつの間にかイラストの範疇を離れて、ファインアートの世界に移行しているように見える。少なくとも単なるイラストではない。 以前、瀬戸の仲間のイラストレーターが、あいつのやっているのは博物学だよと言っていた。うまい言い方だ。もちろん博物学そのものでないことは当然だが。 今回の細密画3人展は、ほかに田嶋徹、深津真也が参加している。瀬戸照の個展は5月に予定していると画廊の方が言われていた。 瀬戸は、枯れた薔薇や椿の花、石や化石を描

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  • 2年半ぶりの沓澤貴子展が開かれた - mmpoloの日記

    東京銀座のOギャラリーで2年半ぶりの沓澤貴子展が開かれている(1月30日まで)。沓澤は1971年、静岡生まれ。武蔵野美術大学大学院美術専攻油絵コースを1998年に修了している。 新進の抽象絵画の作家として、私は沓澤貴子、亀山尚子、葛生裕子、泉奈生美らに注目している。 作品の質の高さと色彩の美しさは1998年のこのOギャラリーでの大学選抜グループ展「選選展」から変わらないが、今回形に少し動きが出てきた。従来のスタティックな形が動き始めている。 前回のギャラリー砂翁が2008年、その前がOギャラリーで2005年、若いのにちょっとペースがゆっくりすぎないだろうか。もっと頻繁に個展を行って新しい作品を見せてほしい。実力の割に作品は驚くほど安価なのだ。少しでも売れて作家の励みになることを望む。 小品3点 DMに使用された15号 最も大きな作品、130号 ・ 前回の沓澤貴子展の様子はこちら。 ・沓澤

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  • 東京スカイツリーと満月 - mmpoloの日記

    1月19日の未明、東京スカイツリーの右横を沈んでいく月があった。月齢は満月の1日前だった。30分ほど後にはもう月は沈んでいた。 翌20日はまさに満月だった。午前6時すぎの月はまだスカイツリーの左側にあり、日の出前ながら空はすでに明るく薄い青空に変わっていた。

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  • 金井美恵子の新刊エッセイ「猫の一年」が滅法面白い - mmpoloの日記

    お前の好きな作家は誰かなんて誰にも聞かれないが、好きな作家は、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レム、イギリスのスパイ小説作家ジョン・ル・カレ、それに日の大江健三郎と金井美恵子だ。レムは一昨年だったか亡くなってしまったが、真にノーベル文学賞を与えるべき作家だった。次に候補にされるべきなのがル・カレなのだ。SFやスパイ小説に偏見を持ってはいけない。たしかにこのジャンルはクズが多いのも事実なのだが。 先日銀座の村越画廊へ金井美恵子の姉の金井久美子展を見に行ったら、金井美恵子の新刊エッセイ「の一年」(文藝春秋)が並べられていて、即座に買い即座に読んだ。これがいつもながら滅法面白かった。 金井は文壇でも車谷長吉とどっちかと言うほどの毒舌家で、突然高価な毛皮のコートが代引きで送られてきたり、注文もしてない寿司が届いたりと何度も嫌がらせを受けているようだ。これだけ毒舌を吐けばそんなこともされるだろ

    金井美恵子の新刊エッセイ「猫の一年」が滅法面白い - mmpoloの日記
  • K'sギャラリーのコレクション展の上田泰江を見てほしい - mmpoloの日記

    昨年K'sギャラリーで上田泰江展が開かれて、私も行ったのだったが、最終日だったのでブログでは紹介したものの、実物を見た人は少なかったのではないか。 ・上田泰江展がとても良かった……でも、終わってしまった(2010年10月21日) そこで私は次のように書いた。 上田泰江は1930年、京都府生まれ、今年80歳になった。私は十数年前から新宿にあった杏美画廊で彼女の個展を見ていた。杏美画廊はしばしば脇田和と野見山暁治、宮崎進の3人展を企画していた。野見山暁治を扱う画廊としては早かったのではないか。杏美画廊が定期的に取り上げるくらいだから上田泰江も悪くなかった。しかし久しぶりに見る上田の作品はとても80歳とは思えない瑞々しさだった。以前に増してすばらしい作品になっている。 今回のコレクション展では4点が展示されている。 ぜひ実物を見てほしい。これが80歳の女性画家の作品なのだ。 ・ K's Gall

    K'sギャラリーのコレクション展の上田泰江を見てほしい - mmpoloの日記
  • 日本カメラに掲載された渡辺兼人の「忍冬」 - mmpoloの日記

    カメラ2011年1月号口絵に渡辺兼人の写真「忍冬(すいかずら)」が掲載されている。これがとても良い。いつも通りモノクロ写真だが、今回のテーマは水のある風景らしい。7ページに7点の作品が掲載されている。 「口絵ノート」に載っている渡辺の言葉。 山野に生える常緑のつる性植物。葉、茎は漢方薬にも使われる。日中、河、湖、どこにでも生えているごくごく何ものでもない忍冬。この何ものでもない、どこにでも偏在する、河岸、湖水の緑を歩行し、散策し、どこにでも在る光景、そして、何ものでもない写真を求め、初めて大型カメラ(5×8)を使い、その不自由さな撮影行為の中であらためて写真の運動性の自由さを思いしらされた。 渡辺兼人は1980年に新潮社から発行された金井美恵子の中篇小説に写真で合作した「既視の街」で大きな評価を得た。ブレッソンの写真の決定的瞬間と全く正反対の写真だった。人も車も写っていない無音の街角

    日本カメラに掲載された渡辺兼人の「忍冬」 - mmpoloの日記
  • コートギャラリー国立で宮島弘道展を見る - mmpoloの日記

    友人から紹介されて国立市にあるコートギャラリー国立へ行って宮島弘道展を見た(1月18日まで)。初めて入ったコートギャラリー国立は広い展示空間だった。そこに大作を何点も並べている宮島弘道の作品も良かった。宮島は1970年、長野県飯田市生まれ。1994年に武蔵野美術大学大学院日画コースを修了している。創画会の会員。 大作が多く、アクリルと膠で作品を作っている。単純で力強い形態で奇妙なものを描いている。ピンボケだったので紹介しなかった作品の題名も「コーポ風越」「八つの山」「群」(これは香月泰男を思わせる)「重力を詠う」とか変わっていて面白い。 山クダル レジデンス富士 下山図 煙の丘 キャラバン 雲と煙 重力を背負う ・ 宮島弘道展 2011年1月7日(金)−1月18日(火) 11:00ー18:00(最終日ー16:00) ・ コートギャラリー国立 東京都国立市中1-8-32 電話042-57

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  • ギャラリーなつかの新春最初の企画は高浜利也展「-Railwey-」だ - mmpoloの日記

    ギャラリーなつかの新春最初の企画は高浜利也展「-Railwey-」で始まった(1月29日まで)。下に掲げた3つの作品はほぼ120cm×120cmという大きな版画(エッチング・アクアチント)だ。高浜利也は1966年、姫路市生まれ。1990年武蔵野美術大学大学院を修了している。初めて見たのが1993年頃のギャラリイKでの個展で、大きくて力強いモノタイプの作品を展示していた。その後も抽象的な版画作品や木の立体作品、家屋の床を画廊内に再現したインスタレーションなどを発表している。1998年と2005年の2回、国際交流基金等により、タイのバンコクにそれぞれ2年間ほど滞在している。 今回、ギャラリーなつかの小スペース なつかb.Pでは積木を床に置いたインスタレーションも展示している。高浜は近年各地で子どもたちを相手に積木で町並みを作るワークショップをやっている。作家のテキストから、 おととしの夏(中略

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  • 井上ひさし「この人から受け継ぐもの」を読んで - mmpoloの日記

    井上ひさし「この人から受け継ぐもの」(岩波書店)を読んだ。「この人」とは、吉野作造、宮沢賢治、丸山真男、チェーホフ、それに「笑いについて」で言及されるイギリスの風刺作家ジョン・ウェルズなどなどだ。 吉野作造が大正デモクラシーの理論的支柱だということは知っていたが、その弟吉野信次が商工省の高級官僚で、部下に岸信介と木戸幸一がいたことは知らなかった。吉野兄弟を「兄おとうと」という芝居に書いているという。これは読んでみたい。 吉野作造は、日にとっくになければいけないのに、まだない仕事を一人で始めます。たとえば、お金がなくて産婆さんさえ呼べない産婦さんを収容する、貧民のための産院をつくる。お医者さんにかかるお金がない人のための貧民病院をつくる。大工さんが道具を質屋に預けて、仕事がある時は、質屋に行ってお金を払ってその道具を取り戻さないと仕事ができない、そういう人のための貧民銀行、つまり相互金庫を

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  • 「小説家たちの休日」で紹介された作家たちの写真 - mmpoloの日記

    三郎・文、樋口進・写真の「小説家たちの休日」(文藝春秋)が面白かったことは以前紹介した。 ・川三郎の「小説家たちの休日」では65人の作家が取り上げられた(2010年12月17日) ・ 紹介されている65人の作家たちのうち、とくに興味深い5人の写真を引用する。 永井荷風。この写真を娘が見て、昔の女の人なのに意外に胸が大きいんだね 舟橋聖一。キャプションによると、新宿のストリッパー・高原ユキの肌に触れられずひと言、「ぼくは荷風にはなれなかった……」 宇野千代。男たちを手玉に取ったにしては超美女というわけでもない? 長谷川町子。サザエさんそっくり! 自画像だったのか 吉川英治。思ったより貧弱な印象だ ・ 文春の写真家だった樋口進が撮りためた作家たちの写真がたくさんあったので、それを活かして何かが企画できないか検討したに違いない。その過程で川三郎が加えられたのだろう。 小説家たちの休日―

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  • 「マニラ瑞穂記」−−新国立劇場演劇研修所第4期生試演会を見る - mmpoloの日記

    秋元松代・作、栗山民也・演出「マニラ瑞穂記」を新国立劇場リサイタルホールAで見る。同劇場の演劇研修所第4期生による試演会で、申込み順の無料という公演。これが大当たりだった。とても研修生が演じているとは思えない優れた舞台だった。演出もすばらしかった。 舞台を囲んで四周に客席が作られている。その真ん中に四角い舞台がある。時は1898(明治31)年のマニラの日領事館と、翌年1899(明治32)年のマニラ郊外の瑞穂館と日領事館。スペインからのフィリピン独立を巡る内戦と、それを支援する日人志士たち、領事、駐在武官、日人娼婦たちと女衒のボス、それらの織りなす太い歴史劇。 役者はすべて研修所第4期生だから皆20代、すばらしい演技だった。この研修生たちは国費で3年間学んでいる。毎日8時間、週5日間の研修で役者として鍛えられるという。授業料が年間189,000円だが、2年間は奨学金が月額6万円支給さ

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  • 曼陀羅を描く大源麻友個展を見る - mmpoloの日記

    東京京橋のアートスペース羅針盤で大源麻友個展が開かれている(1月15日まで)。大源は1985年大阪府豊中市生まれ、昨年京都嵯峨芸術大学大学院を卒業している。個展は昨年の銀座1丁目のギャラリー156に次いで2回目。作家自身のテキストから、 東洋美術史における古典的な材料(絹着彩、天然顔料など)を用いて、仏教説話、社寺仏閣の建築彩色、金魚などをモチーフにしたオリエンタリズムを想起する作品を多く制作する。 また東洋美術史において表層的に日趣味や仏教主題を扱うことに疑問を投げかけ、両部曼陀羅をはじめとする仏画を制作し、仏教の感得を試みた上で上記の主題を扱うことをモットーにしている。 画廊の正面の壁面に大きな作品が2点並べられている。左が金剛界曼陀羅、右が胎蔵界曼陀羅だという。胎蔵界曼陀羅には仏像が426尊が描かれている。テキストにあるように真面目に現代の曼陀羅を描いているのだ。制作に1年間かか

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  • 「井上ひさしの作文教室」は大変教えられた - mmpoloの日記

    井上ひさし ほか「井上ひさしの作文教室」(新潮文庫)は当たりだった。面白くて実用的だ。読むことをお薦めする。 「自分を指す人称代名詞は、ほとんどの場合、全部、削ったほうがいい」「日語は地域差が非常に大きい言葉」「日語には階級差もあります。それから職業差は凄い」「日語は言葉にすでに性別があるので、”〜と彼が言った”とか、”〜と彼女が言った”と書く必要がない」「司馬遼太郎さんは”思う”を漢字で書かない」「文章に接着剤を使いすぎるな」 これらはすべて書の小見出しだ。何と具体的で説得力があるのだろう。 この「作文教室」は1996年11月15日から17日にかけての3日間、岩手県一関市で開かれた。あとがきで、こんなことを言っている。 わたしも書く時間が残り少なくなってきました。あと10年も書ければと考えたり、できたら、13年、あと14年は、と考えたりしますが、15年は持たないと思っています。

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  • 黒井千次のエッセイ集「時代の果実」がとても良い - mmpoloの日記

    黒井千次のエッセイ集「時代の果実」(河出書房新社)がとても良い。ここ15年ほどに書いたエッセイをまとめたものらしい。3部に分かれているが、最初の章は「人生の収穫」と題して、若い頃の思い出やその頃読んだなどのことが語られる。 白眉なのは2番目の章で「回想の作家たち」と題して21人の作家たちを追悼している。この追悼文がとても良いのだ。黒井千次が誠意の人であることがよく分かる。 埴谷雄高について、 吉祥寺のお宅にお別れに伺ったのは、春一番が吹き、それが午後にはいって厳しい北風へと変った寒い日だった。夕空は高く晴れていた。埴谷さんのいない空だと思った。 田所泉に対して、 眠れ、といっても素直には眠らぬ君であるかも知れぬ。もしそうなら、いつまでも眼を開いて残った俺達を見ていてくれ。 まだ出来るよ、まだ終りではないよ、と呼びかける君の声が聞こえて来る限り、我々も生きる仕事を続けなければならない。 田

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  • 「北村薫の創作表現講義」を読んで - mmpoloの日記

    北村薫「北村薫の創作表現講義」(新潮選書)を読んだ。早稲田大学文学部での表現の講義を録音し再構成したものだという。私も表現には興味をもってきたから、こういう種類のはかなり読んできたと思う。そういった経験からすると書のレベルは高いとは言えなかった。 しかし印象に残った章が2つあった。「書籍編集者に聞く」という章では新潮社の出版部長の佐藤誠一郎氏を教室に呼んで話をしてもらっている。もう一つは「雑誌編集者に聞く」として講談社の「群像」編集長の唐木厚氏に話をしてもらっている。この2人の話は具体的でおもしろかった。 北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く (新潮選書) 作者: 北村薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/05/01メディア: 単行購入: 6人 クリック: 144回この商品を含むブログ (53件) を見る       *       *       *

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  • 毎日新聞の「2010年この3冊」から(下) - mmpoloの日記

    毎日新聞の「2010年この3冊」から(上)の続き。*を付けた名前がそのの選者だ。 * *伊東光晴(京大名誉教授・経済学) ●岩澤信夫「究極の田んぼ」(日経済新聞社) 冬水田に水をはり、イトミミズを発生させる有機農法で、除草剤を使わず、田も耕さず、冷害に強く、収量も多い米作り。「日不耕起栽培普及会」のリーダーの。科学的基礎も充分。広く読んでほしい。 これは私も読んで紹介した。 ・「究極の田んぼ」という過激な自然農法をすすめる(2010年6月14日) *井波律子(中国文学者) ●渡辺京二「黒船前夜−−ロシア・アイヌ・日の三国志」(洋泉社) ペリーの黒船が来航する100年ほど前から、千島、樺太、北海道など北方世界はにわかに慌しくなり、ロシア、アイヌ、日が入り乱れて大騒動が始まる。興趣あふれるエピソードをふんだんに盛りこみ、知られざる北方史をありありと描きだした臨場感あふれる1冊。

    毎日新聞の「2010年この3冊」から(下) - mmpoloの日記